雪に融けるキス
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
機械と魔法の季節、少し恋とか友情とか。 ひとことレビューしてくれると喜びます。
本文
夜更けの街は雪に沈んでいた。
時計塔の上で、魔導士リオはひとり空を見上げている。
恋人のミナが姿を消してからもう一年。
彼女は雪を操る精霊だった。人の世界に長くいれば、やがて消えてしまう。
それでも、どうしても彼女を忘れられなかった。
雪がひとひら、頬に触れる。
そこに、懐かしい声が重なった。
――「リオ、また会えたね」
振り向くと、雪明かりの中に彼女が立っていた。
白い息、白い髪、淡い微笑み。
リオは何も言えず、ただ抱きしめた。
彼女の体温は雪のように儚い。
「また消えるの?」
「ううん。あなたの心の中に溶けて残るから」
唇が触れた瞬間、雪が花のように舞い散った。
冬の夜がそっと春の色を帯びた。
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