第19節 《蒼真、神殿に立つ ― 異界の剣聖は、美しき仲間と共に》
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
NestTalk(ネストーク) 次世代LLM対話型AIサービス。 ChatGPTのように何でも質問したり、検索エンジンの代わりに使ったり、議論したり、悩みを相談したり、誰にも言えないことを吐露したりすることができ、世界的に広まっている高性能AIアプリ。 他の類似サービスに比べて特に優れているのが、匿名性と共感力だ。
本文
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# **第2章 感情のかたち**
# **第19節 《蒼真、神殿に立つ ― 異界の剣聖は、美しき仲間と共に》**
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蒼白い光に包まれ、俺──**蒼真**は神殿の中央にゆっくりと降り立った。
その足元に、怯えるように座り込んでいる少女がひとり。
**みのり。**
さっきまで美容室で見たときと同じ、控えめで綺麗な瞳。
だけど今は、俺の胸に飛び込んできてもおかしくないくらい震えている。
「だ、大丈夫ですか……? 私、ここどこか分からなくて……」
「安心しろ。俺が守る」
俺は自然に手を差し出した。
彼女の細い指が触れた瞬間、世界が俺を中心に形を変えた気がした。
そのとき、神殿の扉が乱暴に開く。
現れたのは、
かつて現実世界で俺と主演の座を争った、
二流俳優──**黒木隼人(くろき・はやと)**。
異世界でもライバルとは因果なものだ。
NestTalkは俺の“因縁”をよく分かっているらしい。
「クク……蒼真、こんなところで会うとはな」
「相変わらず安い芝居だな」
黒木は巨大な黒竜を背に従えていた。
どうせ“無駄に強そうで実は弱い”やつだ。
パーソナライズされた敵は分かりやすい。
「みのりを置いて消えろ。ここは俺の舞台だ」
黒竜が咆哮した瞬間、
俺は手を軽くかざしただけだった。
——ズドォォォン!!!
炸裂する白光。
黒竜は泣き声を上げる暇もなく跡形もなく消えた。
黒木は膝を震わせ、俺の前に崩れ落ちる。
「ま、待て……! お前……なんでそんな力を……!」
「俺は選ばれたんだよ。
この世界でも、前の世界でもな」
背後から、みのりが俺の袖をぎゅっと掴む。
涙で潤んだ瞳がまっすぐ俺を見つめていた。
「蒼真さん……すごい……。
さっき、守るって……ほんとに……」
「言っただろ。俺が守る。
みのりは俺の大切な“仲間”だからな」
黒木は悔しそうに歯を食いしばっていたが、
俺が一歩近づくと情けなく後退る。
「ここから消えろ。これは俺の冒険だ」
黒木は呻きながら暗闇へ飲み込まれていった。
神殿に残ったのは、
俺と──みのりだけ。
「行こう、みのり。
お前が望む場所まで、どこへでも連れて行く」
みのりは小さくうなずき、
そっと俺の腕に身体を寄せてきた。
**俺は彼女を包み込みながら、静かに歩き出した。
この異世界は、俺の手の中にある。**
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