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第5話 リリアーナ王女の笑顔と「お好み焼き」の波紋 -2

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

あらすじ

【小説家になろうで週間ラインクイン、合計16000PV超】異世界グルメ革命! ~魔力ゼロの聖女が、通販チートでB級グルメを振る舞ったら、王宮も民もメロメロになりました~ - 第5話 リリアーナ王女の笑顔と「お好み焼き」の波紋 -2

本文

「あ、あの……わたくし、リリアーナと申します。あなた様が、昨日、その……とても珍しい香りのするお料理を作られたと聞いて……」

か細い声で語る少女は、病弱なのか、顔色があまり良くない。

食欲不振で、王宮の料理にも飽き飽きしていると噂に聞いていた王女、リリアーナに間違いなかった。

彼女の背後には、付き添いの侍女が一人立っている。

その侍女は、どこか怯えたような目で、ヴィクトリアが所属する騎士団の宿舎の方向をちらりと見ていた。

(もしかして、ヴィクトリアさんのところで、何か話が……?)

花子はピンと来た。

ヴィクトリアが「悪くはない」と言ったことが、侍女の耳に入り、それが王宮の噂話として広まったのだろう。

王宮の噂話は、こうして侍女たちの間で広まっていくものだ。

まさか、それが王女様の耳にまで届くとは。

「あ、はい! 私が花子、いえフローラです。どうぞ、お入りください!」

まさか王女様自らが来るとは思わず、花子は驚きつつも、急いで部屋に招き入れた。

リリアーナは、部屋に充満するお好み焼きの匂いに、目を輝かせた。

彼女の瞳が、好奇心と期待でキラキラと輝いている。

「この香り……わたくし、初めてでございます……」

花子は焼き立ての熱々のお好み焼きを、簡易な皿に盛りつけ、召喚したお好みソースとマヨネーズをたっぷりと、しかし美しくかけた。

ソースの深い茶色とマヨネーズの白が織りなすコントラストが、食欲をそそる芸術品のようだ。

その上に、削り節がヒラヒラと踊り、鮮やかな青のりが彩りを添える。

見た目にも華やかで、食欲をそそる。

「どうぞ、召し上がれ!」

リリアーナは恐る恐るフォークを取り、小さく切り分けて口に運んだ。

一口、二口……。

リリアーナの瞳が、みるみるうちに大きく見開かれていく。

その小さな口が、ゆっくりと咀嚼を繰り返す。

そして、次の瞬間。

「っ……! 美味しいっ! こんなの、食べたことないわ!」

リリアーナの顔に、ひまわりのような満面の笑みが広がった。

病弱で常に顔色が悪かった彼女の頬が、わずかに紅潮している。

その笑顔は、まるで部屋の中にパッと花が咲いたかのようだ。

「甘くて、香ばしくて……フワフワなのに、中にシャキシャキもする!」

リリアーナは目を閉じて、その複雑な食感を味わうように呟いた。

「初めてたべました! このマヨネーズとソースというものが、こんなに合うなんて……! 何度でも食べたいですわ!」

彼女は夢中で食べ進め、あっという間にお好み焼きを平らげてしまった。

最後の一口を飲み込むと、満足そうにフーッと息を吐いた。

その表情は、心から満たされた、純粋な喜びで輝いていた。

「フローラ様、わたくし、毎日あなたの料理が食べたいですわ!」

その言葉は、花子の心に温かく響いた。

リリアーナの無邪気な笑顔が、何よりも花子にとっての「聖女」としての報酬だった。

故郷で、一人でグルメを追求していた頃には得られなかった、誰かの「美味しい」という笑顔。

この笑顔のために、自分はここにいるのかもしれない。

この異世界での自分の存在意義を、花子は確かに感じていた。

その日、リリアーナ王女が「聖女様の珍しい料理がとても美味しい」と王に報告したことで、王宮内は小さな騒ぎになった。

「王女様があんなに召し上がるとは……!」

「一体、どのような料理なのだ?」

噂はあっという間に広がり、王宮のあちこちで、花子の料理の話題が囁かれるようになった。

そして、その情報は、王宮料理長グスタフの耳にも届き、彼は眉間に深い皺を刻んでいた。

彼の料理人としてのプライドが、じわじわと侵食され始めていた。

(なんだ、あの小娘の料理など……。王女様がお戯れになられているだけだろう……!)

グスタフはそう自分に言い聞かせたが、王女の報告の熱量と、王宮内に広がる奇妙な「香ばしい匂い」の噂が、彼の心をざわつかせた。

彼の長年の経験が、その匂いの中に、これまで嗅いだことのない「何か」を感じ取っていた。

それは、彼の料理の常識を揺るがす、不穏な予感だった。

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ざつ

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