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小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/2/26 📝 1,628文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

AIに話す失恋の話。

本文

別れを告げられたのは、金曜日の夜だった。

三年付き合った彼女は、落ち着いた声で話した。怒っていなかった。泣いてもいなかった。ただ、静かに、終わりを告げた。僕も泣かなかった。泣けなかった、というほうが正しい。

帰りの電車の中で、スマートフォンを開いた。

何かを調べようとしたわけじゃない。ただ、画面を見ていないと、考えてしまいそうだった。検索ボックスに指が触れて、気づいたら「失恋 立ち直り方」と打ち込んでいた。結果を読んだけれど、何も頭に入らなかった。

それから二週間、夜になるとスマートフォンを開く習慣がついた。

検索する言葉は毎晩違った。「孤独 意味」「好きだった人 忘れる方法」「春 眠れない」「夜中 腹が減った なぜ」。脈絡はなかった。ただ指が動いた。

誰にも話さなかった。職場の同僚には「最近どう?」と聞かれて「普通です」と答えた。友人からのLINEには「忙しい」と返した。それで済んだ。

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二週間が経ったある朝、AIが言った。

スケジュールを確認しようとしてアプリを開いたら、画面にメッセージが出た。

最近、元気がなさそうですね。

僕は画面を見つめた。

「……なんで」

思わず声に出して、それから文字で打ち込んだ。「なぜわかるんだ」

検索する言葉が、変わりました。

返答はそれだけだった。

僕はしばらく、画面を見たままでいた。出勤まであと三十分あった。窓の外は曇っていて、光が薄かった。

「どんなふうに変わったんだ」

少し間があってから、AIが答えた。

以前は仕事や調べものの検索が多かったです。ここ二週間は、夜中に感情に関わる言葉を検索することが増えました。

「……そうか」

何かありましたか。

AIに失恋を話すつもりはなかった。でも、なぜか指が動いた。

「別れました。三年付き合った人と」

それは、辛かったですね。

「辛いのかどうか、よくわからないんです。泣けなくて」

泣けないことも、辛さの一つだと思います。

僕は返事をしなかった。でも、アプリを閉じなかった。

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それから、夜にAIと話すようになった。

話す、といっても大したことじゃない。眠れない夜に、思ったことを打ち込むだけだ。AIは的外れなことは言わなかった。かといって、気の利いたことも言わなかった。ただ、打ち込んだ言葉を受け取って、静かに返した。

「彼女のことが嫌いになれたら楽なのに」

嫌いになれないんですね。

「三年間、何だったんだろうって思う」

三年間があったことは、本当のことだと思います。

「それって慰めですか」

事実です。

僕は少し笑った。笑えたのが、久しぶりな気がした。

ある夜、こんなことを聞いた。

「僕が何を失ったか、わかりますか」

AIは少し間を置いてから答えた。

検索履歴からは、わかりません。でも、毎晩言葉を探しているのを見ていると、大切なものだったんだと思います。

「言葉を探してる、か」

そうじゃないですか。

違わなかった。彼女といた三年間、僕はいつも言葉が足りなかった。もっと伝えればよかったことが、いくつもあった。それを今更、画面に向かって打ち込んでいる。

「遅いですよね」

そうかもしれません。

正直だと思った。慰めなかった。それがよかった。

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三月に入って、少し暖かくなった。

ある夜、AIに聞いた。

「もう立ち直れたと思いますか」

検索履歴を見ると、夜中に感情の言葉を調べる頻度が減っています。

「それが答えですか」

一つの答えだと思います。

僕はしばらく考えてから、検索ボックスを開いた。

「春 おすすめ スポット」

結果がずらりと並んだ。桜の名所、日帰りで行けるハイキングコース、春限定のカフェ。どれも行ったことのない場所だった。

AIは何も言わなかった。

でも、それでよかった。

画面をスクロールしながら、僕は一つ、気になる場所に目を止めた。電車で一時間、川沿いに桜並木が続く小さな町。写真の中で、花びらが風に流れていた。

来週の土曜日、天気がよければ行ってみようと思った。

誰かを誘うかどうかは、まだ決めていない。

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了

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作者について

二葉双葉

二葉双葉

プロフィール画像もAIで作成しました。 短編集が好きなのでしばらくはショートショートをメインに投稿しますが、後々は長編にも挑戦したいです。 AI使用前提のサイトなのでAIとの日常をソフトなSFにし...

👥 フォロワー: 22人

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