プロローグ:茜色の断絶
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
夕日で赤く染った公園 別れを惜しむ2人 再開にと渡した宝物…… 2人の行く末は…… こちら正規ENDとなります。 ifも書こうかなと。 ⚠️注意⚠️ ☆文章の直しはAIがしてくれてます ☆アイディア、作成は作者がしています ☆AIと相談しながら作ったためこの小説はAI作成にしていますがシナリオはオリジナルです 表現と文章の補助のみ使用 こちらBLとなりオリジナル作品となっています 軽い裏表現がありますが想像で楽しんでください。キツイ表現はそんなにないかもですが ホラー寄りのシリアスです。イジメなどの表現もあるので苦手な方は読まないようお願いします。 pixivとエブリスタには搭載してます。 こちら完結しております。if作成中
本文
始まりは、燃えるような夕焼けの下だった。
「崚ちゃん、これ……持っておいて」
「これ、零羅の宝物だろ? いいのかよ」
零羅は手握っていた勾玉を崚に差し出す。
小学六年生の春。親の都合で転校が決まった崚を見送る公園は、すべてを飲み込むような真っ赤な夕日に染まっていた。
互いに弱音を吐き、寄りかかり合って生きてきた二人。その影が長く伸びて、一つに重なっていた。
「離れても、僕らはずっと親友だからね」
「ああ。また絶対会おう。約束だぞ」
その約束は、幼い二人が夕焼けに溶けないように繋ぎ止める、唯一の祈りだった。
+
月日は流れ、二人は別々の道を進んでいた。
崚は中学で水泳の才能を開花させ、全国大会で優勝。その実績を引っ提げ、スポーツ推薦で名門高校へと進学した。「期待のホープ」として、塩素の匂いと青い水面だけを見つめる日々。
一方、その光の裏側で、零羅は深い泥の中にいた。高校入学後、彼を待っていたのは逃げ場のない凄惨ないじめだった。
運命の全国大会、決勝前夜。
寮のベッドで、崚のスマホに通知が届いた。
『会いたい』
たった四文字のメッセージ。
崚はそれを開き、読み終えてから、しばし画面を見つめた。
明日のレースは、人生を左右する大舞台だ。ここで極限まで張り詰めた集中力を乱されるわけにはいかない。
(……明日、終わってから返せばいい)
そう自分に言い聞かせ、崚は既読を付けたまま、画面を伏せて眠りについた。
それが、零羅がこの世に遺した最後の言葉になるとも知らずに……
翌日、崚は宣言通りに圧巻の泳ぎを見せ、金メダルを手にした。
鳴り止まない拍手、眩しいフラッシュ。周囲の期待に応えた高揚感の中で、彼は着替えを終え、更衣室の重い扉を押し開けた。
その瞬間、崚は息を呑んだ。
視界に飛び込んできたのは、窓の外を、そして廊下の隅々までもを燃え上がるように焼き尽くす、禍々しいほどの赤。
西日が廊下の窓を真っ直ぐに照らし、空間すべてを血のような茜色に染め上げていた。
あまりにも、あの日の夕焼けに似ていた。
「あ……」
声が漏れた、その時だった。
背後から、鼓膜に直接触れるような低く湿った温度で、その言葉が響いた。
『……どうして』
「っ!」
弾かれたように振り返る。しかし、そこには誰もいない。
無機質な更衣室の扉があるだけで、人の気配すらなかった。
だが、今の声は間違いなく聞き覚えがあった。数年間、ずっと一緒に笑い、励ましてくれていた、零羅の声だ。
心臓が早鐘を打つ。
「零羅……?」
震える声で呼びかけ、はっと前方を見上げた。
すると、あんなに禍々しく世界を焼き尽くしていた赤はどこへ行ったのか、廊下にはただの穏やかな、ありふれた午後の光が差し込んでいるだけだった。
「……幻聴、か」
昨夜のメッセージが、心のどこかに引っかかっているのかもしれない。
崚は自分にそう言い聞かせ、重い金メダルをバッグに詰め込んで、その日は寮へと帰った。
――地獄が口を開けたのは、その翌朝だった。
鳴り響くスマホの音に目を覚ます。地元からの何十件もの着信履歴と、一通の短いメール。
『零羅が、亡くなった。昨日の夕方、校舎から飛び降りたって』
指先から体温が消えていく。
昨日の大会があった日
あの赤い幻影を見たのとほぼ同じ時刻だ。
俺が既読を付けてから、あいつは一晩中、俺からの返事を待っていた。
自分が「既読」を付けたことで、零羅に希望を持たせてしまったのかもしれない。あるいは、既読が付いたのに返事が来ないことに絶望したのかもしれない。
助けを求めていた最後の手を、俺は「自分の栄光」のために、無慈悲に黙殺したんだ。
金メダルが床に落ちて、乾いた音を立てる。
あの時、一瞬だけ見えた赤い世界は、零羅の魂が最後に発した断末魔の叫びだったのだと、崚は直感した。
「俺が、殺したんだ」
茜色の空の下で交わした純粋な祈りは、その瞬間、崚の心を永遠に縛り付ける、どす黒い呪いへと姿を変えた。
作品統計
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