彼女の為なら最高率〜オフィスはいつもカオスです〜2
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
神の会社は大変です 少女の言葉で人間絶望!? 読み切りです
本文
第2話:理不尽な決済
とある神の世界――。
神界第4営業部。
世界の維持を司る部署だが、今日もまたブラック企業を通り越した「終末企業」のような日常が繰り広げられていた。
神の子であり、この部署の唯一の良心(兼サンドバッグ)である神子が、自分のデスクの前で真っ青な顔をして固まっていた。
「え……?」
目の前には、白光を放つ報告書を手に、いつものように(⌒ ͜ ⌒)と微笑む死の理の神が立っている。
「二度言わせるなんて非効率ですが。彼女のために、最高にふわふわなクッションとソファを買ってきなさい、と言ったんです」
「……」
神子の唇がプルプルと震えだす。耳を疑うような命令。いや、この部署では日常茶飯事の「無茶振り」だ。神子は震える声で、もっとも重要な確認事項を口にした。
「……それ、経費で落ちる……?」
死の理の神は、さも心外だと言わんばかりに、首を傾げて(⌒ ͜ ⌒)と笑った。
「自腹でしょ? 当たり前じゃないですか」
「がぁあああああ!!!!! なんでだよ!! 誰の趣味だよ! 誰のための備品だよ!!」
神子の絶叫がオフィスに木霊する。その叫びを聞きつけて、奥のデスクから大地の理の神が、椅子を蹴り飛ばさんばかりの勢いで立ち上がった。
「おい!! 俺の子を毎日毎日、私用で使い走りにするな!! 死の理!!」
「おや、大地様。彼は喜んで任務に就いていますよ? ねぇ、神子?」
「ふっざけんな! どこに喜んでる要素が――」
言いかけた神子の言葉が、ヒュッと喉に張り付いた。
死の理の神が、いつの間にかその手に、見る者の魂を凍らせるような巨大な「鎌」を顕現させていたからだ。刃が(⌒ ͜ ⌒)という笑顔に反射して、冷たく光る。
「……何か言いましたか?」
「……はい! 喜んで!!!!! 今すぐ現世の家具屋を全速力ではしごして、最高級の綿を詰めたやつを買ってきます!!!」
神子は音速を超えた土下座から、そのままの勢いでオフィスを飛び出していった。その背後で、騒動の元凶である少女が無邪気にケラケラと笑う。
「あはは! ひっしなのー、神子おもしろーい!」
「……もうやだ、この会社……」
大地様は机に突っ伏し、今日何度目かわからない胃薬を口に放り込んだ。
神界の「最高率」な理不尽は、止まることを知らない。
こうして、神界第4営業部の「最高率」な理不尽とカオスは、今日も穏やかに……いや、平和に続いていくのであった。