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第6話 急変(後)

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/3/20 📚 シリーズ: 魔界公務員と代行者 📝 1,321文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

魔界公務員と代行者 - 第6話 急変(後)

本文

 「オフィサーさん……!?」

 善夜は、傍らで地に伏したオフィサーを呆然と見つめていた。

 彼の身体のあちこちが破れたように、真っ黒なアニマが立ち昇っている。

「……アニマの過剰摂取による……一時的な、身体の崩壊です……」

 地面に剣をついて、オフィサーがフラリと立ち上がる。

 ひびの入った石像が動くような、軋む音を立てて。

 未だ動けないでいる善夜の脇を、流れ出たオフィサーのアニマが通り過ぎていく。

 吸い寄せられていった先は――

「ははははははは!!! 形勢逆転だ!!」

 笑い声が降ってきた。

 善夜が見上げると、ヒドゥンが鎖の足場に立っていた。

 さっきまで半分しかなかった右腕が、完全に再生している。

「美味かったぜテメーの苦痛アニマ!!」

 彼の頭上で、無数の鎖が寄り集まり束ねられていく。

 鎖が絡み合い密集し、鱗のようにざらついた表面を形成する。

 巨大な蛇の頭が、こちらを見下ろしていた。

「俺を見逃さなかったことを後悔して滅びろ!!!」

 鋭い歯の並んだ口を開けて、大蛇が2人に襲いかかる。

 がっ、と。

 善夜の身体を硬く――温かい感触が覆った。

 ゴツゴツしているが、痛みはない。

 ガキンッ!!

 続いて襲ったのは衝撃。

 身をこわばらせ、善夜はきつく目を閉じた。

 ゴキリ、ゴキリ、と硬いものが壊れる音が続く。

 それでも、痛みは来ない。

 自分を包んでいるものが動いた。

 突然、暗闇に光が射した。

 まぶた越しでも感じる確かな明るさに、思わずうっすらと目を開けて――

「えっ……!?」

 善夜は目を丸くした。

 先ほどと変わらぬ園庭の真ん中で。

 鎖でできた大きな蛇が、大きな黒い塊を咥えてぐんぐんと遠ざかっていた。

 ――いや、自分が何かに運ばれているようだった。

 寮舎の壁に、石像のように固まった木々、児童たち。

 指先で色を掻き回すように、乱れた景色が流れていく。

 耳には曲がる度にトーンを変える風切り音。

 唯一変わらないものは、自分を包み込む温かさだけだった。

 ***

 解放されたのは――中高生用の寮舎の裏。

 伸び放題に枝を広げた古木の下。

「……!? ……!!?」

 壁際に追い詰められた善夜は、凍りついていた。

 腰は恐怖で抜けている。

 善夜を庇いここまで運んできたのは――左肩が大きく欠損した異形であった。

 人間のサイズを超える鉱物質の真っ黒な体躯。

 1対の黒く捻れた角を有した頭が、昔話に登場する悪鬼を思わせる。

 普段の善夜であれば、驚き大声を出すところだが。

 彼女が悲鳴を飲み込めたのは、悪鬼が装備していた剣帯と剣のお陰だった。

 不意に悪鬼の姿がさらに黒く染まった。

 シルエットが変化する。

 色が戻り――見知った公務員の姿となる。

 ただし、左腕は肩ごと失ったままだった。

 傷口は塞がっているのか、アニマは止まっている。

「っ……」

 オフィサーがフラリと膝をつく。

 善夜は急いで立ち上がり、彼の身を支える。

「大丈夫ですか……!?」

「ええ……問題ありません」

 明らかに問題はありそうだ。

 にもかかわらず、

「――では、公務の続きとまいりましょう」

 態勢を立て直したオフィサーは、善夜に手を差し伸べてくる。

 しかし、

「いいえ。しません」

 善夜は真顔で首を横に振った。

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まかろん まよね

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