大相撲令嬢 第2話 テキストコメンタリー
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
大相撲令嬢シリーズ(https://ncode.syosetu.com/n2595gl/)を下敷きに、テキストコメンタリーを展開しています。
本文
大相撲令嬢 ~聖女に平手打ちを食らった瞬間相撲部だった前世を思い出した悪役令嬢の私は捨て猫王子にちゃんこを振る舞いたい はぁどすこいどすこい~
第2話「相撲令嬢は偽りに満ちた王宮を破壊しながら地下を目指す」
【場面】階段を埋め尽くす重装備の兵士。一対多の構図。
ダンク 「結論から言う。今はこれだけ押さえろ! 一人対一個連隊、これが第2話の開幕だ」
モブ子 「え、普通に詰んでない? 逃げた方が良くない?」
深山 「前提、分かってます? フローチェは"倒せるから怖くない"と確信してます。 逃げるという選択肢が、もうない」
セト先生 「"恐れる兵士は魔に捕らわれた裏切り者"——ジョナス王子の台詞だ。 恐怖を利用して集団を動かす、これは権力の古典的な手口だ」
【場面】寄せ太鼓の音。「大相撲アリアカ城場所」開幕。
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モブ子 「どこからか太鼓の音がした……! 低くて重くて、お腹に響く感じ」
シュート 「寄せ太鼓です。相撲の開幕を告げる音。 フローチェの耳には、あれが開始の合図に聞こえた」
ダンク 「場所が開幕したんだ。大相撲、アリアカ城場所!」
チャッピー先生 「面白いのはここだ。フローチェ自身も"何かのスキルなのか"と不思議がっている。 本人も知らないまま、身体が動いている」
【場面】清めの塩を兵士にぶちまける。溶ける者が出る。
モブ子 「手の中に塩が現れた……? しかも普通に投げたら兵士が溶けた!!」
チャッピー先生 「左手で塩、右手で張り手——二刀流だ。 張り手は掌全体で叩く。あの音と衝撃、甲冑の上からでも骨に響く」
ダンク 「溶けた兵士がいる。王宮の軍に魔物が混じってた、ってことだ」
セト先生 「力を預ける覚悟はあるか? その兵士たちは何に仕えていたのか。 人間なのか魔物なのか、本人たちも知らなかったかもしれない」
【場面】ジョナス王子を喉輪でつり上げる。
ダンク 「喉輪! 相手の喉元に手を当てて浮かせる技だ。 片手一本で人間を宙に持ち上げる。握力と体幹の塊だぞこれ」
モブ子 「ジョナス王子、足がぶらぶらしてる…… 吊り上げられながら"お前が大嫌い"って言い出した。動機、それだけ?」
ことり先生 「"陰気で、うじうじした"という言葉。 ジョナスが見ていたのはフローチェじゃない。 自分が嫌いな何かを、彼女に投影していた」
セト先生 「憎しみは鏡だ。ジョナスが本当に憎んでいたものの正体は、もっと後で見えてくる」
【場面】フローチェ、ジョナス王子をダンスホールに投げ捨てる。
チャッピー先生 「技名も感情も、何もない。 ゴミを処理するように投げ捨てた。これが一番怖い」
ことり先生 「王子の告白を聞いても、心が動かなかった、と書いてある。 フローチェはもう、この物語の"悪役令嬢"ではない。 完全に別の人間になっている」
【場面】廊下を走る。地下牢。かび臭い空気。
深山 「螺旋階段を降りた先の描写——肌寒い温度に、かび臭い悪臭。 相撲感覚だけを頼りに走り抜けた場所が、ここだ」
モブ子 「うわ、地下牢って本当に臭いんだ……。読んでるだけで息止めたくなった」
シュート 「それでもフローチェは足を止めない。 相撲感覚が"呼んでいる"と言っているから」
【場面】地下牢前。番付表オープン。オーヴェ・ソレンソン登場。
メガネ 「ちょっと待って。番付表が空間に浮かんだ。 十両八枚目の鈍色に光る文字——フローチェ自身の名前が光ってる」
ダンク 「格上のオーヴェは前頭四枚目に蒼く光る。仄かに金色に光る西の横綱が近衛騎士団長。 東の横綱は……名前を知らない。まだ見ぬ強敵だ」
深山 「フローチェ、その番付を見て"胸が熱く騒いだ"と書いてある。 怖がってない。強敵の存在が、むしろ燃料になってる」
ことり先生 「相撲取りにとって強敵は、脅威じゃなくて"御馳走"ね」
【場面】土俵召喚。大一番の予感。
チャッピー先生 「廊下に土俵が現れた。徳俵まで付いている。 フローチェが呼んだわけでもなく——相撲力が、場を整えた」
セト先生 「オーヴェは命令に従っている。聖女の命令で動いている。 力を預ける覚悟はあるか? 彼はその問いに、まだ答えていない」
ダンク 「大一番が始まる。次回、第3話だ」
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【まとめ】第2話——フローチェの独白
どすこい。
塩の白さが掌に残っている。 張り手の感触が、まだ右手にある。 王子は軽かった。 本当に、あっけないほど、軽かった。
地下は冷えている。 かび臭い空気の奥に、何かがいる。 相撲感覚がそう言っている。
番付表に鈍く光る私の名前。 まだ十両八枚目。
——上を見れば、御馳走だらけではないか。