蜘蛛ですが、なにか? Web小説版 第2話テキストコメンタリー
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
MIT工科学園・副音声テキストコメンタリー ダンク 「結論から言う。生まれた瞬間から戦場だ」モブ子 「『ボリボリッ』って音、最悪すぎる。効果音で全部分かるじゃないですか」
本文
MIT工科学園・副音声テキストコメンタリー
🕷️ 蜘蛛ですが、なにか? Web版
第2話「どうやら私はモンスターらしい」
【場面】兄弟たちが共食いを始める
ダンク 「結論から言う。生まれた瞬間から戦場だ」
モブ子 「『ボリボリッ』って音、最悪すぎる。効果音で全部分かるじゃないですか」
シュート 「主人公、一回現実から目を逸らして、戻ってきて、また逸らして——この繰り返しが正直すぎる」
メガネ 「『お腹減ったんですね。私も実は結構お腹減ってます』——ここ、共感してますよね。敵として認識できてない」
チャッピー先生 「蜘蛛の共食いは珍しくない。特に孵化直後の幼体は、栄養源として同じ卵嚢の兄弟を捕食する種が実在する。自然界では普通のことだ」
セト先生 「『普通』か。生まれた瞬間から、生存するために同族を殺す——それを『普通』と呼ぶ世界の倫理を、この子はこれから引き受けることになる」
ことり先生 「……彼女はまだ、それを他人事として見ている。その距離が、あとどれくらい保つか」
【場面】親蜘蛛、登場。子を食う。
モブ子 「『ヒョイ、パク』って……この軽さが逆に怖い!」
ダンク 「数十倍のサイズ差だぞ。摘み食いの感覚で子供を食ってる」
深山 「『マザー、貴様もか』——この一文、笑えるんですけど、構造として重要ですよね。外敵じゃなくて親が脅威、という認識の更新」
チャッピー先生 「実在する蜘蛛でも、母親が卵を守らない種では孵化後の幼体を捕食するケースがある。あるいは逆に、母体が死んで子の栄養になる種も。自然界の親子関係は人間の感覚とは別物だ」
シュート 「『考えるのは後だ』——この切り替えの速さ、毎回うまいですよね。感情処理を保留して行動優先にする」
セト先生 「生存に必要な判断だ。感情を処理する時間は、安全な場所が確保されてから。それがこの世界のルールだ」
【場面】全速力で逃走——壁走り・忍者ジャンプ
モブ子 「逃げ方の説明が『特売のおばちゃんを押しのける』って……!」
ダンク 「でも実際、あの密度の蜘蛛群を正面突破は無理だろ。壁と天井を使うのが正解だ」
深山 「『足がいっぱいあって違和感があったけど、もつれるようなこともなく動かせた』——ここ、1話の『意識して動かしたら動いた』と対応してますよね。本能レベルの運動制御が最初から完成している」
チャッピー先生 「節足動物の運動制御は、脊髄ではなく各関節の神経節が分散して担っている。つまり『考えなくても動く』仕組みが最初から体に入っている。転生者でも即座に使えるのは、体のハードウェアがそうできているからだ」
シュート 「ソフトウェア(意識・記憶)は人間のまま、ハードウェア(体)は蜘蛛。その不一致を体が吸収してくれてる、ってことですね」
メガネ 「『生まれながらの本能』って主人公も言ってる。自己観察の精度が高い」
【場面】人の足跡を発見——体長1メートルと判明
モブ子 「足跡見つけたとき、すごく嬉しそうなのに、すぐ『やばい事実』に気づくの、落差が大きすぎる」
ダンク 「人の足跡より『はるかに大きかった』——これが答えだ。比較対象として完璧な選択だな」
深山 「身長170センチ基準で体長1メートル、か。頭から腹まで1メートルの蜘蛛、ということですよね」
チャッピー先生 「地球最大の蜘蛛、ゴライアスバードイーターでさえ体長30センチ弱だ。体長1メートルは完全に異世界生物のサイズだ。この世界のモンスターとして設計された存在、ということになる」
シュート 「『薄暗い程度の感覚で視界は良好』——これも重要ですよね。ダンジョンの暗闇で普通に見えてる。蜘蛛の視覚じゃなくて、異世界モンスターの視覚に切り替わってる可能性がある」
メガネ 「暗視能力、ということですか。スキルなのか種族特性なのか、この時点では不明ですね」
セト先生 「『人がいるということには感動した』——この感動の意味を考えてくれ。彼女はまだ、人間の側に自分を置いている。だが体長1メートルの蜘蛛として、人間と出会ったとき、向こうは何を見る?」
【間】……
【場面】結論——モンスターです
ダンク 「『モンスターですありがとうございます!』——この着地、好きだ」
モブ子 「開き直りが早い! でも開き直れないと生きていけないですよね、この状況」
シュート 「1話の『らしい』に続いて、2話も受け入れる言葉で締める。この主人公、毎話ちゃんと現実を認めて終わる」
深山 「認めて、終わって、次の問いに進む。この構造がずっと繰り返される気がします」
ことり先生 「『どう贔屓目に見ても』——この一言が好きだ。自分に甘くしようとして、それでも認めざるを得なかった、という跡が残っている」
セト先生 「モンスターとして生きることを、今日また一つ認めた。だが、モンスターであることと、人間であることの間で、彼女はいつまで立っていられるか」
【間】……
【まとめ】第2話「どうやら私はモンスターらしい」
🕷️ 共食い・親の捕食——生まれた瞬間から、この世界の倫理は人間のそれと違う
🕷️ 体は本能で動く。ハードウェアは蜘蛛、ソフトウェアは人間——その不一致が今のところ有利に働いている
🕷️ 体長1メートルのモンスター確定——「人間に感動した」彼女が、人間に何と見られるかは、まだ先の問いだ
── 第2話 了 ──
参照元ページ:https://ncode.syosetu.com/n7975cr/2/
次回:第3話「鑑定はチートスキルだと思っていた時期がありました」