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石の上の葉

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/4/22 📚 シリーズ: グルゥとリル、もりのはずれで 📝 1,458文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

言葉より、そばにいること。 もりのはずれに、小さな家があります。朝はやわらかな光が窓辺にたまり、夕方になると、木々のあいだから静かな風が通りすぎていきます。そこには、大きなオークのグルゥと、幼いエルフのリルが暮らしています。 グルゥはあまり言葉を使いません。けれど、重たい水桶を先に運んだり、火が弱くなればそっと薪を足したり、冷えそうな夜には何も言わず布をかけたりして、そのやさしさを静かに形にします。リルはいつも少し眠たげで、光や風や草の音に、小さく気づく子です。庭に落ちた木の枝を拾って眺めたり、あたたかいパンの匂いに目を細めたり、石の丸さをたしかめるように手のひらで転がしたりしながら、一日をゆっくり受けとめています。 ふたりのあいだには、たくさんの言葉はいりません。朝の湯気、洗った布の揺れ方、机に置かれた袋の重み、そうしたささやかなもので、今日の気分も、してほしいことも、なんとなく伝わっていきます。リルが窓の外を見ていれば、グルゥは戸を開けます。グルゥが手を止めれば、リルはそばに座って同じ方向を見ます。そのやりとりはとても静かで、けれど、たしかにあたたかいのです。 この物語にあるのは、大きな冒険ではありません。水をくむこと、火を見つめること、森を歩くこと、パンを分けること。そんな日々の小さなひとこまが、やわらかな光のようにつながっていきます。何かが大きく変わるわけではなくても、同じように見える毎日のなかで、ふたりが見つける色やぬくもりは、少しずつ違っています。 忙しさの外がわに置かれたような、しずかな暮らし。言葉よりも、まなざしや手の動きがよく語る関係。読んだあとに、あたたかい火のそばにしばらく座っていたような気持ちが、そっと残る物語です。 本作はアイデア・構成・加筆・修正を人間が担い、文章の執筆にAIツールを活用しています。 本作は他サイトでの重複投稿を同一名義で行っております。 ep01 朗読 https://youtu.be/uehT3dodgug

本文

昼をすこし過ぎたころ、小屋の前の草むらに、きいろい葉がひとつ落ちていました。

まだ風はつめたくなくて、ひかりだけがやわらかくうすく、木々のあいだにひろがっていたのです。

リルは戸口のそばにしゃがんで、その葉を見ていました。

小さな手をひざにのせたまま、しばらく動かずにいます。葉はくるりと丸まっていて、はしのほうだけ少し茶色でした。草の上にのっているようでいて、ほんとうは風におかれたみたいにも見えます。

小屋の中では、グルゥが袋の口をたしかめていました。町で買ってきた黒パンが、布にくるまれて机のすみにあります。

それを棚へ置くまえに、戸口のほうを見て、グルゥは外へ出てきました。

リルのとなりまで来ると、グルゥも同じように足を止めます。

何があるのかとたずねるかわりに、ただ草むらへ目を向けました。

リルは、落ちている葉を指でそっとさしました。

「ひとつだけ」

声はちいさく、ねむたげで、でもよく晴れた水みたいにすんでいました。

グルゥはうなずいて、木の上を見あげます。

枝にはまだたくさんの葉がついていて、森はいつもとあまり変わらない顔をしていました。けれど、見ているあいだに、もうひとつ、うすい色の葉が枝先からはなれてきます。ひらひらというより、ゆっくり布がほどけるように落ちてきて、さっきの葉のすぐ近くへ着きました。

リルは小さく目を見開いて、それから立ちあがりました。

落ちたばかりの葉を拾いあげ、手のひらにのせてみます。まだすこしだけ、ひなたのぬくもりが残っているようでした。

グルゥはそのあいだに、軒下へまわって、積んであった枝の中から細いものを一本えらびました。

戸口の横の石の上にそれで葉をならべていきます。重ねず、くっつけすぎず、風が見えるくらいの間をあけて。大きな手なのに、置きかたはずいぶん静かでした。

リルはそのようすを見て、拾った葉を最後にそこへ足しました。

石の灰色の上に、きいろやうす茶のかたちがぽつぽつならぶと、なんでもない昼なのに、少しだけよそいきの顔になります。

風がまたひとつ通りました。

洗濯ひもにかけた布が、白い鳥の羽みたいにふくらんで、すぐに元へもどります。石の上の葉は飛ばされるほどではなく、かすかにふるえただけでした。

リルはそのふるえを見て、石のそばにすわりました。

グルゥも少し離れて腰をおろします。ふたりのあいだには、声より先に、午後のひかりがたまっていました。

しばらくして、グルゥは布にくるまれた黒パンを持ってきて、半分をリルの手にのせました。

あたたかくはないけれど、布のにおいがすこし移っていて、やさしい昼のにおいがしました。リルは葉を見て、パンを見て、それからちいさくうなずきます。

ふたりでかじる音は、葉の落ちる気配よりもすこしだけ大きくて、でも森の中では、ちゃんとしずかな音でした。

ひとくち、またひとくちと食べるあいだにも、ときどき上から葉が落ちてきます。けれど、たくさんではありません。数えるほどもなく、忘れたころにひとつだけ。

リルは石の上の葉を見ながら、

「もうすこししたら、ふえるね」

と言いました。

グルゥは返事のかわりに、足もとの草をならして、リルの座る場所を少し広くしました。

それでじゅうぶん、というように。

森のはずれの小さな家の前で、葉はすこしだけ落ちていました。

まだ季節は急がず、木々も何も言わず、ただ枝先を軽くしていきます。

ふたりはその下で、石の上に並んだ葉を見ていました。風が来るたび、色のうすいものから先にかすかに揺れて、午後のひかりの中で、ちいさな合図のように見えていました。

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作者について

うつチャリンカー

うつチャリンカー

一年前うつで過労んでいた自分用に書いたものが出て来たので一日一本七時に投稿中。誰かのうつに届いたらいいな。

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