ヒカルミチル
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
歪な愛が引き裂く双子の運命。少女が選ぶ、衝撃の結末とは。 同じ日に生まれた双子の姉妹、ヒカルとミチル。しかし、父が二人に注ぐのは、あまりに不平等で狂気的な感情でした 。 姉のヒカルを「宝物」と崇め、異常なまでに溺愛する父 。一方で、妹のミチルに対しては、食事すらまともに与えず、言葉と暴力で徹底的に虐げます 。父の愛を一身に受けるヒカルでしたが、傷だらけの妹が放つ「ある強さ」に、次第に恐怖と憧れを抱き始め…… 。 暴力の連鎖が最悪の悲劇を招いたとき、ヒカルが下した決断とは? 呪縛を断ち切り、彼女が最後に手にする「本当の幸せ」の形に、胸が締め付けられます。
本文
ヒカル「お父様、お帰りなさいませ!」
お父様「やあ、ヒカル。ただいま。ヒカルは今日も可愛いね。」
ミチル「お父様!お帰りなさいませ!」
お父様「(ミチルを無視して)ヒカル、早く一緒に食事をしよう。」
ヒカル「はい、お父様。さあ、ミチルさんも一緒に食べましょう?」
お父様「こらこら。ミチルは廊下で食事をするんだよ。ヒカルは私と一緒に食べるんだ。いいね?」
ミチル「……はい」
そしてお父様とヒカルは共に美味しい食事を食べ、ミチルは使用人の食べ残しを食わせた。
お父様「ヒカル、何か欲しい物はあるかい?」
ミチル「あたしには何もないよーだっ!!」
お父様「(ミチルをビンタする)お前は黙っていなさい。…ヒカル、何か欲しい物はあるかい?」
ヒカル「えっと……その……」
お父様「いいんだよ。遠慮しないで何でも言いなさい。ヒカルの幸せが私の幸せだ。」
ミチル「何なのこの親子?キモッ!!気持ち悪いんだけどぉー!!」
お父様「(ミチルをボコボコに殴る)ミチル、黙りなさい。…ヒカル、何もいらないのかい?遠慮しなくていいんだよ。」
ヒカル「じゃあ、私はミチルさんが欲しいです」
お父様「どういう事だい?ミチルを奴隷にしたいのかな?」
ヒカル「いえ、違います。私はミチルさんの事が好きなんです。だから私がミチルさんと結婚したいのです」
お父様「…それは許されない。ミチルとヒカルは双子の姉妹じゃないか。だからそれだけは叶えられない。奴隷やペットにするなら良いがね。」
ヒカル「そんな……。どうしてですか!?」
お父様「ヒカル、それ以外に欲しい物はあるかい?」
ミチル「あたしはお金が欲しいよーだ!!」
お父様「(ミチルを再び殴る)お前は黙れ。醜い豚め。」
ミチル「ぐぎゃああぁぁっっっ!?!??……う、うぅ…どうして…どうして私だけ…。私が何をしたって言うのよ…。」
泣きながら殴られている。ちなみに、この後もミチルは何度も何度も殴られた」
お父様「ふう、ヒカル。おやすみ。良い夢を見るんだよ。」
ミチル「お父さん!お父さん!待ってよ!」
お父様「あ?なんだ?(ミチルを睨み付ける)」
ミチル「あの……今日は一緒に寝ていい……?」
お父様「(ミチルをボコボコに殴る)私の肉便器になると言うなら構わんが、甘えるつもりなら外に出て浮浪者にでも買って貰うんだな。」
ヒカル「(父親に向かって)お父様!いくらなんでも酷すぎますわ!」
お父様「ヒカル!まだ起きていたのかい?ミチルは虐げられて当然なんだ。ヒカルは気にしなくていいんだよ。」
ヒカル「そういう訳にはいきませんわ!だって、実の妹ではありませんか!」
お父様「……ヒカル、これ以上反抗するとお前もミチルの様になるぞ?」
ヒカル「そ、それは……」
お父様「今日はもう寝なさい。いいね?(ヒカルを寝室へ連れて行く)」
ヒカル「……お父様は間違っていますわ……」
そうしてお父様のヒカルを溺愛し、ミチルを虐げる生活は続いた。
しかし、ヒカルは段々とお父様に恐怖を感じ始めていた。なぜなら、ヒカルはだんだんと自分よりミチルの方が優れていると思い始めたからだった。
それなのにお父様は徹底的に自分を溺愛し、ミチルを虐待する日々を送る事に矛盾と恐怖を感じつつあった。
お父様「おはよう、ヒカル。昨日も勉強を頑張っていたそうだね。ご褒美に何かプレゼントしたいね。」
ヒカル「ありがとうございます。……あ、あの……その……」
お父様「ん?何でも言ってごらん。何が欲しいんだい?」
ミチル「あたしに決まってんじゃーん!!」
お父様「(ミチルを殴る。何度も頬を叩く。腫れるまで殴る。)お前は黙れ。出来損ない。……それよりヒカル、何が欲しい。何でも言いなさい。」
ヒカル「えっと……じゃあ、私は自由になりたいです」
お父様「この家を出たいのかい?」
ヒカル「違います!その……えっと、その……」
お父様「じゃあどうしたいんだい?もしかして稽古が多すぎたのかな?」
ミチル「お父さん!ヒカルちゃんはもっと遊んで欲しいんだよーだっ!!」
お父様「(ミチルの頭を何度も殴り付け腹を殴る。)黙れ。」
ヒカル「(震えながら)……あ、あの……その……」
お父様「ああ、ヒカル。すまないね。ヒカルはどうして欲しいんだい?」
ミチル「(殴られ続けてその場に虚ろな目で倒れる。)……。」
お父様「ヒカル?」
ヒカル「(怯えながらも勇気を振り絞って)……私は……ミチルさんみたいに自由に生きたいです」
お父様「……ミチルの様な非常識な出来損ないになりたいのか?こんな女に?(ミチルを蹴り付ける。)」
ヒカル「違います!違うんです!ただ、私、ミチルさんの事尊敬しているし、憧れているし、だから、その……」
お父様「それはミチルになりたいと言う事じゃないか。ミチルの様な生活をヒカルは送りたいのかな?」
ヒカル「いえ、違います!そうではなくて、その……(泣き出す。)……うぅ……うわああぁーんっ!!」
お父様「ああ、泣かないでくれ!ヒカル。ヒカルは私の宝だ。愛している。君の望む事はなんでもするよ。」
ミチル「(起き上がって)うぅ……痛いよぉ……うっ……うっ……」
お父様「(ミチルを無視し)今日はもう疲れただろう。部屋で休みなさい。ヒカル。」
ヒカル「……うぅ……はい」
お父様「ミチル、お前も早く起きて地下室へ戻れ。(ガスッとミチルを蹴り付ける)」
ヒカル「ミチルさん……」
そして変わらず愛されるヒカルと、虐げられるミチルの生活が続くある日。
ヒカルはミチルの居る地下室へとやって来た。
ヒカル「ミチルさん……。」
ミチル「あっ!ヒカルちゃん!どうしたのー?(傷だらけのミチルが檻の中からやって来る)」
ヒカル「ミチルさん……!私、お父様を説得する!絶対に!……だからミチルさんも一緒に頑張ろう!」
ヒカル「(お父様の書斎を訪れる)お父様!お願いがあります!」
お父様「おや、どうしたんだい?ヒカル。」
ミチル「あたしも連れて行ってよ!」
お父様「(やって来たミチルに飛び蹴りを喰らわす。)死ね。出来損ないの雌猿。」
ミチル「ぐぎゃあぁっ!?」
お父様「(ミチルを無視してヒカルに笑みを浮かべ)ヒカル!用はなんだい?お父様に何でも言ってごらんなさい。」
ミチル「……あたしも、あたしも!お父さん!あたしもヒカルちゃんと一緒に行きたい!」
お父様「(ミチルの首を絞めて殴りつける)黙れ。さっさと死ね。クソガキ。」
ヒカル「(ミチルを抱き締める。)」
お父様「ヒ、ヒカル!離れなさい!ミチルを躾けられないだろう!!」
ヒカル「お父様!どうしてミチルをそんなに虐めるんですか?可哀想じゃないですか」
お父様「ミチルは頭が弱い出来損ないなんだ!我が一族には相応しくない。だから奴隷教育を施しているんだ!解ってくれ!ヒカル!」
ヒカル「でも……いくらなんでも酷いですわ……」
お父様「仕方が無い事なんだよ。ヒカル…。だから今日からヒカルもミチルを虐めなさい。いいね?」
ヒカル「え……?それは……」
お父様「もしミチルを虐めなければ、ヒカルも同じ目に合わせるよ。」
ヒカル「……お父様。いい加減にしてください。」
お父様「え?」
ミチル「(首輪を外して)やったあ!これで自由だあ!!(ヒカルを突き飛ばす)」
ヒカル「きゃあ!!」
お父様「ミ、ミチル!!待てやああああああああ!!!!!!!ヒカルに何してんだテメェはよおおおおおおお!!!!(ミチルを捕まえて馬乗りになり殴りつける)」
ミチル「(泣きながら)ごめんなさあいぃっ!だって、だってぇ……」
お父様「死ねッ!!死んで詫びろ!!!!私のヒカルを!!!!!!(何度もミチルの顔が腫れるまでボコボコに殴る)」
ヒカル「お父様!止めてください!お父様!(お父様を止める)」
お父様「何故だ!?ミチルはお前を突き飛ばしたんだ!!!危害を加えたんだぞ!?」
ヒカル「ミチルさんは悪くありません。私が勝手に突き飛ばされただけですわ……。それに、ミチルさんは、いつも私を助けてくれました。私は……」
お父様「ミチルがヒカルを助けた?どう言う事だ?」
ヒカル「(今までの事を話す。)……お父様……私は、私よりもミチルさんの方が優れていると思います」
お父様「それはどういった所が?」
ミチル「(起き上がって)ヒカルちゃんは優しいし頭も良いし、可愛くて料理も上手だし、可愛いし、あと、可愛いし、とにかくヒカルちゃんが一番だよ!!」
お父様「お前は黙れ空気読めやクソガキが!!!!!!!!!(ミチルを蹴り付け踏み付けボコボコに殴る)俺は今ヒカルに質問してるんだよ!!!!!!(顔面にパンチしミチルの顔は潰れる)」
ミチル「ぶじょるれぶじゅるろれぇえぇぇぇえぇ………!!!!!!!(血まみれで倒れる)」
お父様「それで?ヒカルよりミチルが優れてる部分とは何だい?」
ヒカル「それはその……(口籠もる)あの……」
お父様「説明しなさい。ヒカルがミチルより優れてる部分とは、何処なんだい?」
ミチル「(倒れて気絶している)……うぅ……うぅ……うぅ……」
お父様「黙れ。(ミチルを殴る)…で?ヒカル。教えなさい。ミチルの何処が優れているんだ?」
ヒカル「……その、ミチルさんは……とても強いです」
お父様「強い、とは?」
ミチル「(目を覚まして起き上がる)あたし、強くなんかないよー」
お父様「黙れ。(ミチルの顔面を再び殴る。何度も。何度も。)…ヒカル、ミチルが強いとはどういう事だい?」
ミチル「(再び殴られて気絶する)」
お父様「ヒカル?」
ヒカル「……そ、そうやって暴力を振るわれても何度も起き上がる所とか…。」
お父様「確かにミチルはゴキブリの様な生命力があるね。それ以外にヒカルより優れた部分等ミチルには無いよ。ミチルは虐げられて当然な存在なんだ。」
ミチル「(目を開けて)……あたし、ヒカルちゃんの役に立ててたかな……?」
お父様「(ミチルを蹴り付け、何度も踏みつける。ドカッ!バキッ!グチャッ!!)……ヒカル、お父様は疲れたよ。お前はミチルをどうしたい?」
ミチル「(ボロ雑巾の様にぐちゃぐちゃにされる)」
お父様「ヒカルは、ミチルをどうしたい?ヒカルに今後のミチルの運命を任せるよ。」
ミチル「(息絶える寸前)……ヒカルちゃん、あたしの分まで生きてね……」
お父様「おや?すまない。ミチルが死にそうだ…。ここまでするつもりは無かったんだが…。」
ミチル「(瀕死の状態で)……ヒカルちゃん……ごめんね……あたしのせいで……」
ミチル「(息を引き取る)」
お父様「ああ、すまないヒカル…。ミチルが死んでしまったよ。」
ヒカル「……どうして、どうしてこんな事をしたんですか?」
お父様「いや、すまない。ミチルにイライラしたもので、つい……。だが、ヒカルは今までお父様と一緒に居れて幸せだっただろ?これからもお父様と幸せな人生を歩もうじゃないか!」
ヒカル「……もういいです。私、この屋敷を出ます。さようなら。お父様。(部屋へと戻り荷造りを始める。)
お父様「そ…そんな!ヒカル!!!待ってくれ!!(ヒカルの手を引っ張る)」
ヒカル「離してください!お父様!貴方が私を愛さないなら、私は貴方を愛しません!」
お父様「ヒカル、お前の事は愛しているよ!誰よりも大切な宝物だ!」
ヒカル「ミチルは私の双子の妹でした!!ミチルはもう一人の私!!ミチルを虐げるならそれは私を愛していないと言う事です!」
お父様「そんな……!!(その場で崩れる)」
そうしてヒカルはお父様と住んでいた屋敷を飛び出し、都会で暮らす事にしました。そして数年後、お父様は病気で孤独に亡くなりました。
ヒカルは、ずっとお父様に縛られていた人生から解放されました。その後、ヒカルはとある青年と出会い結婚して子供を作りました。
その子供の名は、双子の妹と同じ満(ミチル)と名付けました。
それからさらに数年後…。
ヒカル「ミチル、おはよう!今日も元気に学校に行くのよ?」
ミチル「うん、行ってきまーす!!」
そしてヒカルとミチルは何時までも幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。