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真に病める神

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/5/10 📝 28,976文字 ✅ 全年齢

あらすじ

都内のマンションに引きこもり、自らを「真に病める神」――真病神(まやみ)と称する青年・粕壁大和。彼は従順な下僕・安宿の手により、社会から隔絶された奇妙な聖域に君臨していた。 そこへ「巫女」として連れてこられた女子高生の百合子。暴力と陵辱、そして逃れられない監禁生活の中で、彼女は安宿から「神の子供を産めば解放する」という残酷な条件を突きつけられる。 狂気に浸食される大和、執拗に彼を神へと祭り上げる安宿、そして絶望の中で母となる百合子。歪な共依存の果てに誕生した「神の子」が、世界に破滅の産声を上げる――。神か、狂人か。真実が崩壊するサイコスリラー。

本文

真病神「………。(マンションの一室で布団に包まり閉じこもっている。)」

安宿「真病神様、大丈夫ですか?何か食べたい物は御座いますか?そろそろ巫女がやってくる頃ですが。」

真病神「(真病神は小さく呟く)……食べたくない。何もしたくない。放っておいてくれ。お前でも、今は一番会いたくない。(布団に包まる)……うっ!(吐き気を堪えている様子)。うぷっ!げろげろ……(嘔吐する)……はぁ……はぁ……」

安宿「ああっ、真病神様!今片付けますね!(吐しゃ物を掃除して着替えを用意する)さあ、真病神様、今日の謁見を乗り越えれば好きにしていいですから。巫女を呼んできますね。」

真病神「(真病神は布団に包まったまま)……ふん、どうせ奴らもあいつと同じように俺の事を化け物扱いするに決まってる。俺は人なんかじゃない。ただの化け物だ。だから、俺はここに居るんだ。俺の居場所はここしかないんだ。俺を崇めてくれるのはこの社だけだ!(マンションの中で喚く)」

安宿「…真病神様、巫女を連れて来ました。」

加代子「えっ、何ここ…何処!?わ、私仕事の面接に来たんですよね…!?(OL風の30代の女性だ。困惑している。)」

真病神「…お前が新たな巫女か?(布団の中から顔を出す。)……。(真病神は加代子の顔を見て一瞬固まる)……お前、綺麗だな。それに、いい女じゃないか。(ニヤニヤしながら見つめる)どうだ?俺と付き合わないか?(真病神は布団から這い出すと胡坐をかき、両手を広げて誘うように笑う)」

加代子「……(恐怖の余り身動きが出来ない)……ひいっ!?な、何ですか貴方は!?わ、私に近寄らないで下さい!(怯えた表情で後退りする)ま、真病神様って言いましたか!?私の家に帰らせて下さい!(懇願する)お願いします!」

真病神「何故だ?お前も俺を化け物扱いするのか?お前も俺を恐れるのか?(真病神は寂しそうな顔をする)。……俺の事が嫌いか?(真病神は悲しげな声で尋ねる)……そうか、なら仕方ないな。俺もお前みたいな女には興味が無いよ。(残念そうな表情で肩を竦める)」

加代子「あっ、いえ、そんなつもりで言ったのでは……。(少し表情が和らぐ)あの……貴方は一体何者なんですか?どうしてこんな場所に居るんです?どうして真病神なんて言われているんですか?(尋ねる)それに、さっき安宿さんが言っていた事は本当なんですか?」

真病神「…俺は真病神。真病神とは真に病める神と書いて真病神と読む。真病神とは人を病ませる神だ。俺を崇拝する者は皆、俺に病を治してもらいたくてやって来る。だが、俺は本当は病気を治す力など持っていない。だから、俺が治療している振りをしているだけだ。そして、俺の力で病気が治ったと思い込んでいる奴らの喜んでいる様子を見ると嬉しくなるのだ」

加代子「ひ、ひどい…!信者を騙してるってことですか!?(激怒する)そんなやり方、最低です!貴方が勝手に病気を治せると思い込んでいるだけじゃないですか!そんなのインチキですよ!警察に通報しますよ!?(携帯電話を取り出す)警察ですか?あの……助けて下さい!今、変な人に襲われてるんです……!場所はですね……」

安宿「(加代子の携帯を破壊して加代子の首を絞める)おや…誰が警察に通報しろって言いましたかねぇ?(ニヤリと笑う)……真病神様、巫女を始末致します。」

真病神「お、おい待て!やめろ……!殺すな!(真病神は焦った様子で叫ぶ)そいつには手を出すな……!頼む……何でも言う事をきくから……!(悲痛な表情を浮かべる)お、俺を助けてくれ……お願いだ……。(泣き始める)うっ……!ひぐっ……」

安宿「駄目です。この女は真病神様を害そうとしたので殺します。(首を絞める)」

加代子「うぅ……がはっ……!お、お願いです……助けて下さい……。私は貴方を誤解していたんです……!私は貴方の味方ですから……!(薄れゆく意識の中で必死に叫ぶ)どうか、命だけは助けて下さい!何でもしますから!お願いします!(涙を流す)ああっ……!苦しいっ!!もうダメかも……!」

安宿「では、真病神様のために仕えますか?」

加代子「はい、誓います!ですから……どうか命だけはお助けを……!(気を失う)うぅ……(身体を痙攣させる)。おえっ……!げほっ!ごほっ!ごほごほっ!ぐふっ!?はぁ……はぁ……」

安宿「真病神様、この女を生かしますがよろしいですか?」

真病神「ああ、加代子…だよな?メシ作ってくれよ。献立はお前に任せる。」

加代子「えっ、えっ……?(困惑している)。あ、あの、私は一体どうすれば……?(状況が理解出来ない様子)……うっ!頭が痛い……。」

真病神「加代子、俺に食事を作れ。メニューは任せるよ。」

加代子「じゃ、じゃあ…作ります…。(台所へ行き冷蔵庫を確認)食材は豚肉と、ラーメンと、にんじんと、キャベツと、チョコレートと、小麦粉と、もやしだけ…って、なんですかこれは!?(真病神の冷蔵庫の中身に驚く)まるで料理する気ゼロじゃないですか!私、買い物行ってきます。(スーパーへ向かう)えっと、今日は何にしようかな……うーんと、決めた!お鍋にしましょう。(材料を買い揃えて帰る)ただいま帰りましたー!」

安宿「さっさと作りなさい。巫女よ。」

加代子「(怒りを堪えながら調理を始める)……。あの、真病神様は普段どんな食事をされてるのですか?何か食べたい物はありますか?味付けの好みとかあれば教えて頂きたいんですが。(淡々と料理をする)……はい、出来ました。どうぞお召し上がり下さいませ。(テーブルに鍋を置く)」

真病神「……うん、美味しいぞ。加代子。(満足そうに微笑む)お前って料理上手なんだな。ありがとうな。さあ、お前も食べろよ。冷めちゃうぞ?(スプーンを差し出す)ほら、あーんしてやる!俺が食べさせてやる!(嬉しそうに笑う)さあ口を開けるんだ!早くしろよ!?」

加代子「…っ(引き攣った笑顔で)あ有難う…御座います…。(そ、そもそもよく考えたら買い物の時逃げれば良かったんじゃ…)…うぷっ!ごほっ!ごほっ!(咳き込む)す、すいません……。ちょっと席を外します……!(洗面所で吐いてしまう)うう………げほげほ……!うぅ……何でこんなことに……?神様なんて居るわけないのに……!全部作り話よ……!」

安宿「…真病神様、あの巫女、本当に生かしますか?」

真病神「まあな。あいつはなかなか面白い女だからな。(ニヤッと笑う)さて、次はどんな風に料理を作るのかな?楽しみで仕方ないよ!ハハハッ!(高笑いする)」

安宿「……。」

そして翌日…。

加代子「で、では買い出しに行って参ります……。(外へ出ようとする)」

安宿「待て。どこへ行くつもりだ?まだ話は終わっていないぞ。(腕を掴む)逃げるつもりか?お前、私の命令に背くのか?お前は真病神様に仕える身だぞ?(脅すように睨みつける)分かったか!返事しろ!おい、返事をしろと言ってるんだ!(怒鳴る)」

加代子「ひっ!?す、すいません……!(涙目になりながら)うう……。どうしてこんな事に……?誰か助けてよ……!警察でも何でもいいから助けてよ……!誰でもいいから私をここから出してよ!もう嫌っ!!何で私がこんな目に遭わなきゃいけないのよーっ!!(号泣する)」

真病神「……やっぱりお前も俺の事を化け物扱いするんだな?そうか、分かった。もういいよ。出ていけよ。(不機嫌そうに言う)もう二度と顔も見たくないんだよ!お前みたいな女とはな!!(怒鳴る)おい、さっさと帰れよ!(玄関を指差す)二度と来るな!この疫病神め!!(号泣しながら叫ぶ)」

加代子「……っ…(涙目になりながら)……。(無言で立ち去る)うう……酷いよ……ひぐっ……!(嗚咽を漏らす)私の人生って一体なんだったんだろう……?私はただ普通に生活したいだけなのに……!なんでこうなるのよ!?どうして私がこんな目に遭わなきゃいけないの!?」

安宿「加代子さん。(ナイフを突きつける)」

加代子「…ひっ!(立ち止まる)」

安宿「死んでください。(加代子をナイフで刺す)」

加代子「いやっ!(倒れ込む)うっ……痛……!血が……!痛いよぅ……!誰か助けてよぉーっ!!(号泣する)うわああんっ!!うわああんっ!!ひぐっ……!ううっ……!!うええん……。(過呼吸になる)ふぅー……!ふーっ……!ふぅー……。ぐすっ……」

安宿「さよなら!(加代子の心臓を刺す)」

加代子「うう……。(絶命する)」

安宿「ふう!(死体の処理をしてから食事の準備をする)ただいま帰りました。真病神様。今日も真病神様に幸福あれ。」

真病神「………。(暗い顔で布団にくるまっている。マンションの中閉じこもって)…誰も俺を理解してくれない……。皆、俺の事を化け物扱いするくせに俺の恩恵だけは受けようとするんだ……!どうしてだ!?何故なんだ!?俺はただ病を治しているだけなのに……!どうしてこんな目に遭わなきゃいけないんだよおぉぉ!!うわあぁぁん!!(大声で泣き叫ぶ)ぐすっ……!ひぐっ……」

安宿「真病神様…!大丈夫です、真病神様を傷つける者はこの安宿が排除致します!(真病神を慰める)さあ、食事の支度が整いました。お食べ下さいませ。さあ、どうぞこちらへ……(台所へ連れていく)今日はオムライスでございますよ?ケチャップでハートマークを描いて差し上げます。(笑)はい、出来ました!」

真病神「……ケチャップでハートマークを描いて……。(ムッとした表情になり)俺は子供じゃないぞ……!馬鹿にするんじゃねえ!(スプーンを投げる)こんなもの食えるか!!出ていけっ!!二度とここへ来るな!!(怒鳴り散らす)くそったれがぁーっ!!お前なんか死んじまえーっ!!」

安宿「おや、食べ物を粗末にしてはいけませんよ。真病神様。…さあ、真病神様、食事はここへ置いておきますね。…真病神様、他に必要なものは?」

真病神「うるさいっ!!早く出て行けって言ってんだろ!?(怒鳴る)もうお前の顔も見たくないんだよ!(怒り出す)この役立たずのクズがぁっ!!死ねぇっ!!死んじまえぇっ!!うわあぁぁん……!!ぐすっ……。ひぐっ……!ううっ……!(号泣する)」

安宿「真病神様……。ですが明日にはまた新しい巫女を連れてきますので、その時はよろしくお願いしますね。」

真病神「もう嫌だぁ……。(泣き崩れる)俺はもう疲れたんだ……!助けてくれよぉ……!(号泣する)ううっ……!ひぐっ……!(泣き続ける)ふぅー……。すうっ……ううぅっ……!ひっく……!ひいっ……!えっ……?お前、誰だよ?何で俺の部屋に居るんだよ!?」

安宿「私を忘れたのですか?……粕壁大和。」

真病神「あっ……!お前は飛鳥か!久しぶりだな……!会いたかったぜ!(嬉しそうに笑う)まさかまたお前と会えるなんて思ってもなかったよ。嬉しいなぁ……。ぐすっ……!ひぐっ……!ううっ……!えっ……?なにこれ、夢なのか?なんでお前がここに居るんだよ!?うわあぁぁん!!」

安宿「…うーん、やっぱりまだ大和が消えてないなあ。ちゃんと真病神にならなきゃ。」

真病神「え、どういう事だよ?どういう意味だよ!?うわあぁぁん……!!ひぐっ……!(号泣する)ぐすっ……!えっ……?」

安宿「お前は、真病神だ。」

真病神「あ、飛鳥……!何を言ってんだよ!俺が真病神なわけないじゃんか!俺は人間だぞ!?神様なんかじゃないぞ!?うわあぁぁん!!(号泣する)ひぐっ……!えっ……?なにこれ、夢なのか?なんでお前がここに居るんだよ!?」

安宿「心配要りませんよ。真病神様。貴方は神です。真に病める神。それこそが貴方です。」

真病神「ち、違う……!俺はそんなんじゃない……!俺は人間だ……!人間なんだ……!!うわああぁぁん……(号泣する)」

安宿「真病神様(土下座する)どうか、神として我々に力を貸してください。次の巫女を持って参ります。(立ち去る)」

真病神「(泣きながら)……やだよ。もう嫌だよ……!助けてよぉ……!誰か俺を助けてくれぇ……!」

百合子「あ、貴方は…?ここは何処?闇バイト紹介してくれるんじゃなかったの!?」

真病神「俺は……真病神…。(俯く)さて、早速だが仕事をして貰おうか。その椅子に座ってくれ。話はそれからだ。(椅子を指差す)ほら、早く座れよ!時間が無いんだぞ!?さっさとしろ!!(怒鳴る)何ボケッとしてんだ!?」

百合子「い、いきなり怒鳴らないでよ!貴方は私をどうしたいの!?何をさせたいわけ?」

安宿「貴様、真病神様に無礼だぞ!!(百合子を殴る)」

百合子「きゃああっ!(倒れる)痛ったぁい……!ちょっと、いきなり何するのよ!?(起き上がる)貴方こそ暴力振るうなんて最低ね!信じられないわ!警察に訴えてやるんだからっ!!(涙目になりながら怒る)」

真病神「うるせえ!!黙れっ!(百合子と安宿を殴る)お前らは黙って俺の言うとおりにしてればいいんだよっ!!おらあっ!(殴り続ける)どうだ?少しは反省したかっ!?ああっ!?(さらに激しく殴る)くそっ……!クソがあぁっ!!(蹴飛ばす)ああ、そうだ。お前はそこでそうしていればいいんだ」

安宿「痛っ!!あああああっっっ!!!!ああーっ!!(倒れる)あ、貴方は……真病神様……!ご、ごめんなさい……っ!お許しください……。申し訳ございませんでしたぁっ……!!(土下座)」

百合子「な、なんなのよ貴方たち…。私をどうするつもりなのよ!?(涙目になり震えながら叫ぶ)貴方たち、狂ってるわ!!何がしたいわけ!?説明しなさいよ!ふざけんじゃないわよ!こっちは暇じゃないんだからねっ!!さっさとここから出してよ!もう嫌ぁっ!誰か助けてよぉーっ!!(泣き叫ぶ)」

真病神「黙れ!俺は神だって言ってるだろうが!(百合子を殴る)お前は俺の言う事だけを聞いてればそれでいいんだよっ!!馬鹿がっ!!お前みたいな奴は大嫌いなんだよっ!!死ねぇっ!!死んじまえよっ!!(殴る)ああっ、もうムカついたぜ……!(殴るのを止める)早く俺に料理を作れ!!」

百合子「……料理……?え、料理?(驚く)わかったわ!ちょっと待っててね。今作るから。(台所へ行く)……これぐらいでいいかしら?(野菜や肉などを切っている音)はい、出来たわよ。どうぞ召し上がれ♪(優しく微笑む)メニューは野菜炒めよ。召し上がれ♪(スプーンを差し出す)どうぞ食べてみて?美味しいわよ、きっと!(自信満々で微笑む)ふふっ、どうかしら?(首を傾げる)私ね、お料理には自信があるのよ。さあ、どうぞ召し上がれ♪(再びスプーンを差し出す)おかわりもあるから遠慮なく言ってね。」

真病神「な、なんだお前…突然…。(戸惑う)え、ええっと……。こ、これ食べればいいのか?あ、ああ……ありがとう……。い、いただきます……!(恐る恐る口に運ぶ)うおっ!?なんだこれはっ!?美味いじゃないか!お前凄いな!こんなに美味しい料理は初めて食べたぞ!!(感激して食べる)」

百合子「でしょ?(嬉しそうに笑う)もっと食べていいのよ!どんどん作ってあげるからね!(さらに料理を作り続ける)」

安宿「…百合子、ここで真病神様の身の回りの世話をする巫女になるのですか?」

百合子「そうみたいね。でも私、料理しか出来ないんだけど大丈夫なのかしら?(心配そうな表情になる)ねえ、安宿さん……だっけ?貴方は何か得意な事はあるの?(尋ねる)私はお料理が得意だけど他は何も出来ないのよ。貴方も何かしらあるんでしょうけど、私は無芸な人間なのよ」

安宿「…私は、ここで真病神様にお仕えするためならばなんでもします。そのためにこの神殿を作ったのですから。(何の変哲もないマンションを眺め)」

百合子「私、料理なら出来るわ。ここのキッチンを使っていいかしら?(微笑む)貴方の助けになってあげたいのよ。私に何か出来ることあるかしら?何でも言ってね!貴方の為に頑張るから!!(張り切る)さあ、何をすればいいの!?教えてちょうだい!(目を輝かせる)私は何をしたらいいの?」

安宿「…え?私のために…ですか?…貴方は真病神様のために、尽くしてくれればそれでいいです。貴方は真病神様の巫女であり、花嫁ですから。」

百合子「え?巫女?花嫁?……私が……真病神さんの……?(驚く)えっ!?一体どういう事なの!?意味がわからないわ!なんで私がこんな事をしなきゃいけないの!?どうしてなのよぉっ!?教えてよ!!ねぇ、安宿さん!!答えなさいよっ!!(怒鳴りつける)」

安宿「貴方は真病神様に仕えるためにここに招いたのです。真病神様に料理を作り、真病神様の身辺を美しくして、真病神様の子供を産みなさい。」

百合子「子供ですって!?私まだ高校生よ!そんな馬鹿な真似出来るわけないじゃない!!ふざけないでよっ!!冗談じゃないわっ!!私は帰るわよっ!!(玄関へ向かって走る)助けてぇっ!!こんな所に居たくないわぁっ!!ここから出してよぉーっ!!うわああぁぁんっ……!!ひぐっ……」

安宿「(百合子の前に立つ。)…貴方も駄目でしたか。(ナイフを構えて百合子を刺そうとする)死ね。」

百合子「う、嘘でしょう!?やめてぇっ!!死にたくないわっ!!お願いだから許してぇっ!!(怯える)わ、わかったわよ!私、真病神さんの巫女になるからっ!子供だって産んであげるからぁっ!!(泣き叫ぶ)殺さないでぇーっ!!」

安宿「ふぅ…ならば、良し。貴方はこのマンションを出ては行けませんよ?真病神様に仕えてこのマンションで一生を終えるのです。」

百合子「そんなの嫌よ!!お願いだから帰してぇっ!私、まだやりたいことがあるのよぉぉーっ!!(泣き叫ぶ)ああっ……ああぁぁーんっ……!(絶望の余り気絶する)」

それから百合子は結局マンションから出れないまま真病神と名乗る青年と安宿と過ごしました。真病神は百合子を辱め、犯し、暴力を振るいました。そして毎夜二人はお互いを求め合っていました。まるで愛し合っているかのように見えたのです……が。しかし、そんな事が続くはずもなくある日の事でした。ある日の夜についに百合子は暴れ出し必死に抵抗しました。

百合子「嫌っ!離してぇーっ!!(真病神に押さえつけられている)きゃああっ……!誰かぁっ!!助けてぇぇー……ぎゃあぁぁあぁんっ……!!痛いぃっ……!血が出てりゅぅっ……ひっぐぅぅんっ……ひぎいぃぃっ……!お、お願いだから許してぇっ!!」

真病神「うるさいっ!黙れよ!!お前が悪いんだろ!?俺が優しくしてやってるのに、抵抗しやがってよぉっ!(百合子を殴り続ける)ああっ、もうマジでムカつくぜ、このクソ女っ!!死ねよっ!!死んじまえぇっ!!(さらに激しく殴り続ける)もっと苦しめよぉぉーっ!!」

安宿「真病神様、百合子、何をしているのですか?」

百合子「あ、安宿さん!た、助けてっ……!真病神が私を無理矢理犯したのよぉっ……!!ひぐっ……ひっくぅっ……!(泣く)私、もう帰りたいの……家に帰りたいのよっ!!お願いだから帰らせてぇっ!!お願いよぉぉーっ!!うわああぁぁんっ……!」

安宿「…百合子さん、プリン食べませんか?(プリンを差し出す)」

百合子「えっ!?プ、プリン……?(戸惑う)わ、私……プリンなんて食べたことないし……(顔が赤くなる)で、でも……食べたいな……。あ、ありがとう……!(嬉しそうに受け取る)わあ♡美味しそう!いただきます!ぱくりっ!お、美味しいぃーっ!!」

安宿「プリン食べた事無いんですか?(本当こいつ扱いやすいな…。)…あ、真病神、大丈夫ですか?」

真病神「いや、駄目だ……。俺はもう、この女を殺すしかないんだ……っ!!(ナイフを手に持ち構える)真病神の巫女なんて要らないんだよ!いらないんだああぁぁーっ!!死ねぇっ!!死ねぇええぇぇーっ!!(プリンを食べている百合子を襲う)」

百合子「ひいいぃぃーんっ!?やだぁっ!来ないでぇっ!!(逃げようとする)きゃああぁぁっ!やめてぇーっ!!離してえぇーっ!!(真病神に捕まってしまう)や、やめ……て……!お願いだから離してくださいぃいぃっ……!!」

安宿「真病神様、真病神様はプリンいらないのですか?」

真病神「……食べる。(プリンを食べる)」

安宿「(今回は長続きするかなあ。早く子供を作って欲しいんだが。)」

そして真病神と百合子、そして安宿は奇妙な共同生活を送り始めた。真病神は百合子に料理を作らせ、百合子を無理矢理犯し、そして時に暴力を振るった。それでも百合子は逃げ出そうと必死に抵抗しましたが結局は真病神に捕まり酷い目に遭わされるのでした。やがて半年が経ちました……ある日の事です。

安宿「…百合子、どうかしましたか?」

百合子「ねえ、安宿さん……。私、そろそろ限界なの……(泣きそうな声で)もう、耐えられそうに無いの………私どうしたら良いのかわからなくて……!(泣き崩れる)うっうっ……!助けてぇーっ!!助けてぇっ……!!うわああぁぁんっ……!!」

安宿「…わかりました。じゃあ、百合子さん。貴方が真病神様の子供を産んだら家に帰してあげますよ。」

百合子「えっ!?ほ、本当に……!?(嬉しそうに微笑む)じゃあ、私頑張るわっ!真病神の赤ちゃんを産むわぁっ!!だから、お願いっ!約束守ってよねっ!?絶対に私を帰してよ?ね?お願いよぉーっ!!うわああぁぁんっ……!ひっぐ……ひぐぅぅっ……!!」

安宿「ええ、約束です…。」

それからそんな約束を安宿と交わした百合子は毎日必死に真病神の子供を産もうとしました。しかし、中々子供は生まれません。それでも百合子は諦めませんでした。

一方の真病神は…。

真病神「(布団に包まり)……。(暗い顔でカーテンの向こうの窓を眺めている。窓の向こうでは夜空が見えている。)……また、明日も来るのか?あの女は一体いつまで俺に付きまとうつもりだよ……(うんざりした表情を浮かべる)はああぁぁ……もう嫌になってきたな……。俺は一体何をやってるんだ……?こんな生活続ける意味なんてあるのか……?くそっ……!もう嫌だぜ!俺は帰りたいんだよぉっ!!」

安宿「何処へ?何処へ帰りたいのですか?」

真病神「あっ!?安宿……。(驚く)いや、それは……その……っ!えっとだな……!あの、俺はこの世界から帰りたいんだよ!!元の世界に戻りたいんだよっ!!(必死に叫ぶ)なんでわかってくれないんだよぉぉっ!!」

安宿「貴方がいた世界はどんな世界たったんですか?どんな世界で生きてたんですか?教えてください。貴方はなぜこの世界に来てしまったのですか?教えてください、真病神様。(興味深げに聞く)貴方の話はとても興味深いです。……ほら、話してみてください。何が貴方を悩ませているのか。さあ、お聞かせくださいな。私は貴方の悩みが知りたいのです!」

真病神「え?(動揺する)俺が…俺が生きてた世界は……(言葉に詰まる)え、えっとだな……っ!その、なんていうか………あれ?俺が生きてた…幸せだった世界は…どこだったっけ……?あれ?おかしいぞ……(混乱し始める)思い出せない……!なんでだ!?どうして……っ!俺は誰なんだ!?ここはどこだっ!?うわああぁぁっ!!俺は誰だああぁぁーっ!!誰か助けてくれええぇぇぇーっ!!ああぁーっ!!(叫びながらどこかへ走っていく)」

安宿「ま、真病神様!!?」

ここは2LDKのマンションだ。

真病神はマンションの外へ出ると、走った。がむしゃらに走り続けた。そして真病神は疲れ果て、倒れてしまう。するとそこに1人の少女が現れたのだ……彼女は真病神を心配して声を掛けてきた。その少女は百合子だった。

百合子「真病神…さま…(怪訝そうな顔)大丈夫ですか…。」

真病神「お、お前は誰だ……?(警戒する)俺に何の用だ……!俺をどうするつもりだ!答えろっ!!さもなくば殺すぞっ!!(ナイフを構える)さあ、俺の質問に答えるんだ!!早くしろっ!さもなければこのナイフでお前を殺してやるからなっ!!(怒鳴るように叫ぶ)」

百合子「え…!?(怯む)えっと……私、百合子です。貴方と同じ真病神なんですが……。何か御用ですか?何かあったんですか……?落ち着いてください、真病神様……。どうかされましたか?……私に出来ることがあれば何でもしますよ?だから安心してくださいな……ね?(優しく微笑みかける)」

真病神「…百合子…。(ホッとした表情になり、涙を流す)助けて……くれ……俺を……ここから出してくれよぉっ……!もう嫌なんだよぉっ……!俺は帰りたいんだぁぁっ!!うわああぁぁんっ……!!どうして俺は帰れないんだよぉぉっ!?誰か助けてくれぇっ!俺を助けてええぇぇーっ!!ひぐっ……ぐすっ……!」

百合子「何処へ帰りたいの?貴方はこのマンションで暮らしてるんでしょ?」

真病神「違うんだよぉ……俺はこんな所に居たく無いんだよぉっ……!帰りたいんだよぉーっ!!うぅぅっ……!!うわあぁぁんっ……!!ひぐっ……ぐすっ……うっうっ……!!(号泣し始める)助けてくれぇー……誰かぁっ!俺をここから出してくれええぇぇっ……ううぅっ……!!うわああぁぁーん……!!」

百合子「…貴方もここから出たいの?一体貴方は何者なの?」

真病神「俺は……もう、こんな場所に居たくないんだよぉ……っ!俺を殺してくれえぇぇっ……!頼むぅぅーっ!!殺してくれええぇぇーっ……!!うわああぁぁんっ……!!殺してくれよおぉぉー……っ!!(泣き叫ぶ)誰か来てくれよおおぉぉーっ!!俺を助けてくれぇえっ……!!ひぐっ……」

安宿「彼は真病神。真に病める神。病んでいるのです。彼は何処へも行けません、誰も彼の暴走を止める事はできません……(笑いながら)さあ百合子さん、貴方が彼を癒やしてあげるんです。貴方にしか出来ないのですよ?頑張ってくださいね!私はここで見てますから!(ワクワクした表情で言う)」

百合子「真病神……。可哀想に……!貴方はずっとここで苦しんでたんだね……!!辛かったよね?苦しかったよね?(真病神の頭を撫でながら慰める)大丈夫だよ、私がいるから!さあ、おいで!一緒に遊ぼうか!?楽しいこといっぱいあるよ!ほら、おいで!(明るく振る舞う)」

真病神「百合子……。(嬉しそうだ)本当か!?本当に一緒に居てくれるのか?俺を助けてくれるんだな!?ありがとう、嬉しいぜ!俺、お前が好きだ!!大好きさっ!愛してるぜ…!(抱きつく)」

それから、百合子は真病神と一緒に遊びました。トランプやオセロ、将棋、ビリヤードをしたり、歌を歌ったり……。真病神は楽しそうでした。彼は百合子との時間を楽しみながら次第に元気を取り戻していきました。そしてある日の事です。

百合子は真病神の子供を妊娠しました。

安宿は待望の真病神の子供の誕生に大喜びしました。百合子もとても幸せそうでしたが、真病神は子供が生まれた事に絶望していました。彼は自分の子供が可愛いと思えなくなっていたのです。子供は毎日彼を怖がっていました。それでも彼は子供を愛そうと努力しましたが上手くいきませんでした。そんなある日の事です。

三年後、真病神は24歳。百合子は19歳になり、二人の息子は3歳になりました。

息子の名前は野神(のがみ)。真病神は二人に愛情を注ぎましたが、息子の野神は怖がっていました。しかし百合子は毎日子供達を可愛がって育てていました。そしてある日の事です……。ついに真病神が限界を迎えたのです。彼はマンションから飛び出しどこかへ走っていきました……。

安宿「…真病神様…いや、大和…。どこへ行くつもりなんだい?まさか……逃げる気かい?(呆れながら言う)困った子だねぇ……君は……本当に……。(ため息をつく)仕方がないなあ。私が行くしかないか……まったく世話の焼ける神様だよね、大和はさ!(笑)さあ、行くよ!!待ってろよーっ!」

百合子「え?!ちょ、ど…何処へ行くの!?私と野神はどうなるの!?」

安宿「マンションは既に管理費も払ってますし、支払いもしてるから貴方に任せますよ。好きに暮らしてください。約束通り自由に過ごせばいいさ。野神は私が連れて行く。」

百合子「なんで!?そんなの酷いじゃない!!無責任すぎるわ!お願いだから息子を返してよ……っ!私と真病神の息子なのよ?私達の大切な子供なの……!返してちょうだい……お願いします……お願いします……!(泣きながら懇願する)私から奪わないでよぉーっ!!うわああぁぁーん……!!誰か助けてぇー!!」

安宿「元々、キミは野神を産むために連れてきた存在なんだ。野神を産んだらキミは用済みだ。やっと自由になれるんたからいいだろう?家族にも会えるぞ。」

百合子「野神は……私の子よ!どうして勝手に決めるの!?私は真病神の妻なの……!!彼の側に居ないと生きていけないのよっ!!お願いだから返してよぉぉっ!!(泣き叫ぶ)うわああぁぁーん……っ!!わあああぁぁーんっ……ひぐっ……!ひぐうぅっ……!!」

安宿「さよなら、百合子。…さあ、野神、おいで?(3歳の野神を抱っこする)」

野神「あすかー?…?(よくわからないまま安宿に抱っこされる)まーま?ばいばーい?」

百合子「待って!行かないでぇっ!私を捨てないでぇーっ……!貴方達がいなくなったら

私はどうしたら良いの?ああ……っ!誰か助けてええぇぇっ……!!(号泣する)うわああぁぁーんっ……!!ひぐぅぅっ……ぐすっ……ひっく……うぅっ……!ううっ……」

そして百合子は一人マンションに取り残され、三年間会っていなかった両親と再会する事になります。彼女は喜びました。家族との再会が彼女を救ったのです……。真病神と野神の事を思い、涙を流す百合子でしたが彼女の新しい人生は始まったばかりです……。百合子は高校へ行き直して卒業した後、働き始めました。彼女は真病神と野神が恋しいと思いながらも、懸命に生きていきました。しかしある日の事です……。百合子は久しぶりに真病神の様子を見にマンションへ行きましたが……そこは既に誰も住んでいない廃墟でした……。彼女は驚きましたが同時に安心しました。

真病神や野神の事は心配でしたがこれで平穏な日々が送れる…。

そう思った彼女は喜びました。そして新しい生活が始まりました……。

一方その頃、行方不明になった真病神を探すために真病神と百合子の息子、野神を連れて旅を始めた安宿は……。ある街で真病神を見かける事になるのでした……。

安宿は驚きながらも声をかけました……すると彼は答えました。

真病神「俺ですか?俺は真病神ですよ!あれぇ~?おかしいですねえ~!」

真病神は完全に狂っていました。

自分が真病神である事から逃れられなかったのです。

粕壁大和を真病神にした張本人である安宿は穏やかに微笑みました。

安宿「…真病神様、新天地に行きましょう。私達の神域を新たに作るのです。」

真病神「え?(驚く)ああ……そうだな。分かったよ、行こう。(笑う)安宿さん、貴方のおかげだ。感謝してるよ!貴方は俺の恩人だ……!俺は貴方の為なら何でもするよ。これからも宜しく頼むね、安宿さん……!(嬉しそうに笑う)ははっ……!!あははっ!!」

それから真病神と安宿は田舎町の小さな一軒家を借り、二人で野神を育て始めました。

野神はすくすくと育ちやがて10歳の礼儀正しい子になりました。

自分は神の子であり、この世界の人々に制裁を与える存在になるのだと…。

野神「父上、安宿…。俺はこの世界の人々に制裁を与える為に生まれてきた存在なんだ!安宿…俺、この世界を滅ぼしたいです!!この手で全てを終わらせたいんだ……!(興奮しながら話す)ああ……!!楽しみだなぁ……!どんな顔をするんだろう……?人々が怯えて泣き叫ぶ声を想像するだけで興奮するよ……!」

安宿「ふふ、楽しみですね、野神様……!貴方ならきっと出来ます。何故なら貴方は真病神の息子なのだから…!!(嬉しそうに笑う)」

野神「はい……!頑張ります!安宿、父上!!見ててね……俺がこの世界を滅ぼしてやるよ!ふふっ、あははっ!楽しみだなぁ~!(狂気に満ちた笑顔で笑う)あはっ!!あははっ!!あははっ……!!あはははっっ!!ははっ……ふふっ……!あははははっっ!!ああもう我慢できないっ!!」

真病神「(布団に包まり、暗い部屋の中で独り言を言う)……俺は真病神、俺は真病神、唯一、真に病める神、真病神、真病神、真病神……。(ぶつぶつと繰り返しつぶやく)俺はまだ俺でいられているかな……?本当の俺もいつか消えてしまうのだろうか……?そんな事は嫌だ……そんなのは絶対に嫌だ……!!俺はもう狂ってしまったんだ……!ああ、誰か助けてくれ……!俺を救ってくれっ!!苦しいよぉぉおーっ!!」

安宿「苦しいか?大和。」

真病神「誰だ!?お前は……どうしてここに居るんだ?!やめろぉっ!止めてくれぇっ!!」

安宿「粕壁大和(かすかべやまと)。それがお前の本来の名だった。そして俺は大道寺飛鳥(だいどうじあすか)。俺はお前の幼馴染だ。お前は家族からも見放され、虐められ、そして自殺を謀ったが死ねなかった。そしてお前は自分は神だと思うようになった真に病める神、真病神。俺はお前の語る神の話が設定だったとしても魅入られた。だから、お前を教祖にした新興宗教を立ち上げた。だが、お前の教義を理解する奴らは居なかった。それどころかお前を危険視する奴らまで…だから、俺は決めた。この世界をお前の教義で支配し、この世界を破滅に導くと…。」

真病神「やめろっ!何を言っているんだ?!俺はそんな事は望んでいない!!お前は間違っているぞ!!目を覚ませ、飛鳥ぁぁーっっ……ぐうっ……?!ああっ……!頭が痛いっ……!何かが頭の中に入ってくるぅうぅっ……!!うぐっ……!苦しいぃっ……!!(頭を抱えながら悶絶する)あ"ああぁぁーっ!!」

安宿「俺はお前の食事に薬物を混ぜている。お前は常に幻覚で苦しんでいる…だが、それでいい。お前は真病神。真に病める神なんだからな。お前の子である野神が生まれた今、お前と野神がいればきっと何とかなる。野神は学校に行かせずお前の思想を生まれた頃から植え付けているから、一人でもきっとこの世界を破滅に導いてくれるだろう。」

真病神「やめろおおぉぉーっっ!!俺は真病神なんかじゃないっ!!違うんだあぁっ!助けてくれえぇぇええっ!!誰かあぁぁああぁぁっっ……うぐぅぅっ……!!(頭を抱えて苦しむ)あ"ああぁああぁぁーっ……!頭が痛いぃいぃっ……!!うぅっ……んっ……!」

安宿「よしよし。もう寝てしまえ。今日はゆっくり眠れ。ホットミルクを用意しようか?(布団に寝かせる)」

真病神「ああ……ありがとう。助かるよ……(布団を被る)はぁ……俺は…真病神…真病神なのか…?」

安宿「そうだ。お前は真病神。真に病める神だ。そして俺はお前の幼馴染であり、親友である大道寺飛鳥(だいどうじあすか)だ。心配しなくていい。俺がずっと側にいるからな……おやすみ、大和(頭をポンポンと撫で布団をかける)。良い夢を見てくれ……」

真病神「……ああ…そうだったな…。真病神とはこの現代に蘇った、真に病める神。その権能は世界に終焉と再生をもたらすもの……。俺は真病神、粕壁大和(かすかべやまと)……そうだ……俺は真病神だ……!!あははっ!!あははっっ!!あははっっ!!はははっ!ははははーっ!はははーっ!はーはっはっはっはっ……!」

安宿「……まだ寝ないのですか?真病神様。でしたら、真病の神話について語ってください。この日本と真病神の関係について。」

真病神「そうだ、まだ眠れそうにないからな……。では語ろうか。真病神の神話を……!(本を読み上げる)昔々あるところに美しい女王が居た。彼女の名前はクレハという。彼女はとても美しく聡明であったので国民達から愛されていた。しかし彼女には誰にも言えない秘密があったのです……。それは、実父と人知れず肉体関係を結ばされていた事だった。父親は彼女がまだ幼いうちに手篭めにし、自分の欲望の捌け口にしていたのだ。しかもその行為を彼女は受け入れていた……何故ならそれが愛情表現だと思っていたから。そしてある日、父親である国王は彼女を呼び出し、目の前で自殺しました。そして彼女に言いました。「このあばずれ。」それ以来彼女は心に闇を抱えて女王として振る舞っていた時、ある晩、彼女は夢を見たのです。それはおぞましい悪夢でした。彼女が見たのは血の海で息絶えた国王と複数の男達が彼女を無理やり犯している光景でした。それから毎晩その夢を見るようになりました……。彼女は叫びました!お願い!私を助けて!その瞬間、一人の男が夢の中に現れました。その男は真病神と名乗りました。真病神は彼女に告げます。貴女の望みを叶えてあげましょうと。彼女は喜び、そして願いました。私を救ってほしいと……すると彼女は別人のような優しい笑みを浮かべ言いました。私は幸せです、貴方のおかげですと。その瞬間、彼女の世界は変わりました。」

安宿「真病神はクレハの病を受け入れられるようにしたのですよね?彼女は精神病だった。それを真病神が取り憑いたと昔の人は表現した。そして女王クレハこそが、この日本国の最初の女王で将軍家や現在まで続く皇室は実は女王クレハが蘇った姿だという説もあります。では真病神はこの国にとってなんなのでしょうか?それとも貴方にとっては、真病神は何なのでしょうか?教えてください。真病神様。(ニヤリと笑う)さてとそろそろ寝ましょうか?お部屋まで案内いたしますよ。おやすみなさい、真病神様……」

真病神「ああ、おやすみ。(自室に戻る)真病神は俺だ……俺は真病神なんだ……!!ああっ……!頭が痛いっ!苦しいぃっ!!ああっ!!でも大丈夫だ。俺は真病神、負けるものかぁっ!!うぐぅっ……!!ううっ……!くっ……!ああっ……!!うぐっ……!」

それから、真病神と飛鳥、そして野神は三人で暮らし、野神は14歳になった。

野神は安宿の教育でこの日本に破滅という制裁を齎すために日々自身を鍛え、学び続けた。最初は抵抗のあった真病神もこの歪な暮らしに充実感を得ていたが、それからしばらくして真病神は自分自身の中で複雑な感情が入り混じって行くのを感じるようになった。しかし彼はその感情を認める事は出来なかった……。そんなある日の事である……。

安宿「真病神様、お食事をお持ち致しました。そして身も清めせて頂きます。」

真病神「……(無表情のまま黙っている)。ありがとう、安宿(微笑む)。お前だけが真病神である俺の事を理解してくれている……。」

安宿「はい、その通りです。私は真病神様を理解しています。…ですが、どうしたのですか?今日はやたらと素直ですね?」

真病神「いや、ただ……俺は真病神様である事を受け入れている。そしてそれが俺の使命だと……そう思っているのだが、時々分からなくなってくるんだ。俺は本当は何者なんだろうな?(寂しそうに笑う)……なんてくだらない事を考えただけだ!忘れてくれ……!さあ、風呂に入りたいんだ。用意してくれ……」

安宿「貴方は真病神です。この世界で唯一、真に病める神。それ以外には何もありません。…さあ、お風呂に入りましょう。(真病神を風呂に入れてからリビングに向かい本を読む野神に声をかける。)野神様、今夜のお食事はいかが致しましょう?」

野神「ああ、いつもと同じ様に頼むぞ。味噌汁と卵焼きとアジの干物に白米だ。あと漬け物があれば出しておいてくれると助かるかな。(そう言いチラッと横目で見る)ところで最近何をお考えなのですか、父上は?」

安宿「真病神様はご自分の存在意義について悩んでいらっしゃるのですよ。大丈夫です。私がいますから。では、行って参ります……。(部屋を出る)私はただ、真病神様にお使えできればそれで良いのです……。それが私の存在価値だから……。(独り言を呟く)」

野神はこの世界に制裁と破滅を齎すために日々鍛錬に勤しんでいたが…。

安宿との食事中、野神は訊ねる。

野神「なあ、安宿。…俺はいつになったらこの世界に破滅を齎す事が出来るんだ?そろそろだろ?」

安宿「いえ。まだその時ではありません。破滅を齎す時は、まだ先で御座います。お手元の書物をよくご覧くださいまし。ここにあるのは予言書ですよ?今はまだ、破滅の時ではありません。落ち着きなさいませ、野神様。それより早く食事を終わらせてくださいませ。(少しきつめの口調で)」

野神「分かった。すまなかったな、安宿……。そうだな!破滅の予言書と文字が書かれたこの書物はとても重要だよな!」

そして野神はそれからも来るべき破滅の日に備えて予言の書を何度も読み、その記された破滅が迫っている事実を確かめ続けた。それから何年後だろうか、予言の日が訪れた時……事件は起こることになる……。

野神「…安宿…!?父上…!?」

安宿は真病神の前に倒れていた。

真病神はその手にナイフを握っていた。彼は震える手で野神の心臓にその刃物を突き立てようとしていた……!彼のその姿を見た時、野神は自身の怒りが溢れ出すのを感じた!無意識に真病神の元に近づき攻撃しようとしたその時!

安宿「…の、がみ…野神様…良いのです…これで…良かったのです…(血まみれで震えながら野神の足首を掴む)」

野神「あ、安宿!」

安宿「私は…真病神様にお仕えし…真病神様こそが……真の王になられ、この国を統べる事が出来ると信じておりました……(吐血する)さぁ、これをお使い下さい。これが鍵です。これを真病神の権能で破壊してくださいまし……!そうすれば私は真の王に成った真病神様に仕えることができますわ……!」

野神「え……?」

安宿が差し出した鍵と呼ばれるものは黒く不気味な形相をしていた。

よくわからないままナイフを持って立ち尽くす真病神に差し出した。

野神「ち、父上…これを…(鍵を差し出す)」

真病神「俺は真病神だ……俺は真に病気を正すもの……。真の王になるのだ!それが俺の運命なんだっ!!うおおぉっー!!はああぁぁーっっーーっ!!」

だが、何も起こらない。

…何故なら真病神は、粕壁大和というただの人間なのだから。

大和は真病神ではない、人間だ。

それに安宿が渡した鍵も今まで巫女と言って殺して来た女の指のミイラだ。

真病神話等は大和がほざいた妄言なのだ……。真病神なんて物はこの世に存在しない……大和の世迷言でしかない……アレは大和が読んだ本の中の言葉で作った意味のない創作だ。

野神「ち、父上…?いかがなさったのですか…?」

真病神「(震えながらナイフを落とす)ぐっ……!?があぁぁ!……何故だ!?何故俺の邪魔をする……!なぜだぁぁっ!!うぅぅっー!ああっ……!うわああっーー!助けろぉぉおーー!頼むううぅっっー!俺は……俺はあぁっ……!!ぐぎゃぁあーーっ!!嫌だっ!」

野神「父上!?お、落ち着いてください!!ち、父上……!?俺は父上を何が有っても絶対にお守り致します!私は真病神の神子にして、大地の神、野神!!真に病める神の許に常に共にあり!(暴れる真病神を抑える)」

父上「あっ…ああ…安宿…安宿……飛鳥…飛鳥あぁぁっ…!!!!くそっ……!くそおおっーーっ!?待ってくれぇぇ……俺も行くぞ……必ず行くからなっ!必ずいくからっ……うわああぁっーああぁーぁっ!あああーっ!」

安宿、…大道寺飛鳥は血に塗れて死んだ。

そして野神は悟る。今こそ破滅の時なのだと。

真病神を信じなかった人類に破滅と言う名の制裁を与える時なのだと。

野神は安宿が用意してくれた日本刀や拳銃、ナイフなどを用意して玄関へ向かう。

生まれて初めて自宅の外へと出るのだ。

野神「父上、行って参ります。」

真病神「お、おお……野神……あの巨大な穢れを打ち消せるのはお前だけだ……!頼んだぞ……必ず殺せ……不死の巫女共を!皆殺しにしろぉぉっ!!いっひひひひぃー〜いひっひっっひっ!かははぁっ!」

野神「はい、行って参ります。」

そして野神は初めて、21歳で自宅の外へと出た。

初めて出た外は閑散としていた。急いでコンビニに向かいそこで貯金を全て下ろし武装した。それから大急ぎで駅に向かいネットや安宿に教えて貰った通りに切符を買い、電車やバスを駆使してようやく目的の地へ向かう……そして彼がとある大きな駅で降りた時だった……。

野神は銃を乱射し周囲の人間を無差別に殺傷、場合によっては巫女と思われる存在達を殺害する。辺り一面はまるで地獄のような光景だった。地が赤く染まり多くの血痕と悲鳴が巻き起こる。その現場となった場所もまた真っ赤に染まっていた。血まみれになって倒れている巫女らしき女達は皆、身体中を銃弾によって撃ち抜かれていた。

野神「我が名は野神ィィ!!!真の王に仕えし神にして、人類に破滅と言う名の制裁を下す者!我が怒りを思い知れェッッーーっ!はあっー!!喰らえぇぇーー!(野神は巫女と思われる少女を撃つ。)ぐはぁぁーっ!死ねええぇぇっっーっ!」

少女「きゃあああーーーーっ!?うああっー!?いたいですうぅぅっー!おねがい……っもう……もうやめっーぎゃあ゛あぁぁっーーっー!?!?……(物言わぬ屍となる)」

母「あ、あんたぁぁっ!やめてぇ……娘を殺さないで……殺さないでぇぇぇーーーっっー!!お願いだっからっあっぁー!?うぅうっ!!ひぎぃぃいーーっっ!どっひいいぃーっ!!ああっー!ああぁーっ!」

ホーム内で銃を乱射しまくった後日本刀で人々を斬りつけて駅を降り、そのまま真っ直ぐ近くの幹線道路まで向かう。野神は走りながら、街の人々を殺していく……!

さらに街中に手榴弾を投げて辺りを火の海にしながら叫び続ける……!やがて警察から逃れて辿り着いたのは誰も寄り付かない廃屋の教会だ。野神の目的はその奥にある部屋に鎮座する小さな像である。それはボタン型のコンピューターからゲーム機のような本体部へと続く円系のベルトのようなもので構成されており、壁際に棚が備え付けてあった。

野神「ここ…は…?」

その謎の装置に近づくと野神は電気が走ったかの様な鋭い激痛が走り倒れこんでしまう。そしてその装置を守る様に巫女と思われる少女達が現れる……!白いドレスを身にまとって眼に不死を表すバツマークがあった。人間ではないことは見た目にも明らかだ。

野神「うわああああああああーーーーーーーッッッッ!!!!!」

気がつくと野神は山奥のラブホテルに逃げ込んでおり、埃臭い中で一人佇んでいた。

野神「警察は…ここまでは来ないだろう…。俺が捕まったら父上まで捕まるかも知れない…。俺はここで暮らそう…そうすれば、敵に攻撃されないかも知れない……。もう一度この世界に破滅をもたらすのだ!」

このラブホテルには老人を中心としたホームレスが沢山居り、彼らを殴りつけ、拷問し、奴隷にして、よく働く者には金を与えて……。そんな生活を続けていたらやがて彼らは野神を神として崇めるようになったのだ……!!だが、それでも彼の心にはまだ、迷いがあった。それは破滅をもたらす事を躊躇う心の弱さが生み出した迷いであったのだ……!!野神はホテルの一室で苦悩するのだった……!。そしてついに25歳になった野神は決断し行動を開始する……!!

野神「(手の中にあるナイフを投げ放ち)狂ってしまえ……異世界の人間共……!!我々神の力を思い知るが良い!!この世から貴様等をお救い致しましょう!!はーははっはっ!アホめーぇっッ!!」

そして野神はホームレス数十名を引き連れて、再び都市へ向かい人々を殺害し始める。

武器は人を殺し集めた金で調達し、ホームレス達にも訓練を施した。

そして野神とホームレスは罪も無い人々を襲い続ける……!

駆けつけた警察と軍隊はその余りの強さに震え上がった……。一方的な殺戮に終わり都市は崩壊……、地獄と化した……!!それから数ヶ月後、野神はホームレス達に指示を与える!!それは異世界へと渡り神として君臨する事だった……!!!神を名乗り人々を導くのだ……!

野神「お前達に渡り神としての名を与える!お前はイクイドゥイ!意味は生ける者!(ホームレスに一人ずつ名前を与え始める)お前の名はプリゲッサ!意味は手紙!(ホームレスに名前を与える)お前はオドラクレト!意味は地図!(ホームレス達に新しい名前を次々と授けていく)」

イクイドゥイ「ありがたきお言葉でございますーっ!!我等に名前を与え給うなど、真の王たる貴方に出会えて我等は幸福でございますーッー!!ははーーっっ!!(感涙)……(野神を王として敬い始める)これから我々は貴方様をお守り致しまするーっ!」

プリゲッサ「うははっーっ!やっと神の信仰者として蘇れるとは……永き眠りから、まさか再び御身の役に立つ事が出来ようとは……!(感涙)我ら一同は心より王のお力に成りたいと考えておりますー!!命を賭けると致しましょうぞ……王よっっっーー!」

オドラレクト「ははっ!真の王としてその力、我々の為お使いください!我等に盾となる誉れをっーーっ!!必ずや貴方様のお心のままになりましょうっーーっっ!(感涙)……(野神に命と忠誠を捧げ始める)我等の命をどうか王の為にーッ!」

そして野神は一度、4年ぶりに真病神の元へ帰る事にした。

かつて一緒に暮らしていた家を訪ねると真病神はそこに居らず、家は廃墟になっていた。

野神「ち、父上…一体何処に…!?」

野上は混乱した。まさか、神の世界へ戻ったと言うのだろうか?

ならば自分はどうすれば良いと言うのだろう…。

……時間は四年前に遡る。

野神の手で安宿が押し入れの奥の奥に葬られた後、野神も旅立ち、真病神は一人になった。

マンションの中、誰も世話してくれる者も居らず、食事も寝具も無い殺風景な真病神の世界を前に真病神の心にも暗い不安が過ぎって行くのだった。

そしてそんな日々が続いたある日、冷蔵庫の中の食糧も尽き、薬も無くなり別室の押し入れからは腐敗臭が薄ら漂う中、自分の神殿が朽ちていくのを感じていた。

真病神「もう……我慢出来るかーッッ!!これはイカレちまっとるっっ!ほれぇいィっ〜!(クローゼットから一人ずつ人形を放り出し始める。)うはははーっはははっ……あんぐっうっ……ぐえっへぇっ……あひぇへぇーーっ!」

真病神は薬も切れ、食事も出来ず完全に狂ってしまっていた。

このままでは自分は死んでしまう、そう考えて小さな一軒家を半狂乱で出て行くと、そこには荒れた草木が広がる道が広がっておりそこを駆けていく。

しかし周囲に聳える石造の壁が、行く手を阻んでいた。真病神は戻れないかも知れない覚悟を決めて壁に近づこうとすると声が聞こえてきた。

それは人の声では無かったのだが不思議と理解できるもの悲しげな女性の声であった。彼女の声は何か良くないモノを倒さないと世界は終わると言った。

真病神「ああ…、知ってるとも。世界を終わらせるものはこの俺だろうよぉっ!(この世界の破滅を予言されて狂った真病神の笑い声が響いた瞬間だった……)

……ん?なんだあれは?壁か?この先に何かがあるのか?いや、しかし……これはもう壁だ……!ならば壊してやる!!」

真病神はその石壁を傍にあった鉄パイプで破壊すると奥には穴が空いており、その先には地下へと続く階段があった。そうして真病神は階段を降りていく。

最下層には神殿があって更にはその床の中央から道が伸びている様だった。きっとこれは新しい人類を生み出す為の何かしらだ。そしてこの先に……。

真病神「…………この奥だな。良いか俺の邪魔をする奴は生かしては置けぬ!!ハアッハッハッー!行くぞ我が王国へっ……!

真神の支配する世界はここから始まるのだァァアァアァーッッ!ひィィーーッャハアアアアァアーッ!?」

……真病神は必死に道を駆けていく。駆けて、駆けて、駆けて、駆けて、走った先にあったものは巨大な、高さ10メートルは超えるだろう時計の塔だった。

そしてそこは扉が1つしか存在しなかったのだ……!真病神はただそこに突入せざるを得なかった。それはまるで突風の如く塔を駆け上がる!

そして全てを目に収めようとするかの如く666段を一気にかけ上がるッッ!!……そして、頂上に辿り着いて見えた光景は。己にとって途方も無いものだった!!

遥かに見える下界では沢山の人間が寛ぐ街々が広がっていて!縦横無尽に広がる風景や障害物の数々が、どうしようもなく悲しい気持ちを駆り立てるのだった。

それはまるで住人達の国そのものの様で自分が完全なる部外者である事を痛感させられてしまう。

真病神「ああ、そうか。俺はいつも一人だった。人の輪の中に入れず、人に愛される事も、愛する事も無く、空想の世界に耽って、一人閉じこもっていた。

やっぱり俺の居場所は何処に行っても無いのかもしれない。一体俺が間違っていたのだろうか……?そもそも正義ってなんだ?正しい事とは??

誰にも言えない戯言かもしれない……だけれども俺は本当は救われる様な愛を求めていたのかもしれないな。そうだよなぁ、そうさ俺は報われたかっただけだ……。

時計塔の下の世界の人々を眺め続けた。そうしていればほんの少し気が楽になると思ったからだった。だが、一時の夢を見て満足して生きていける程、自分は強くは無かったのだ……。

そう思うと世界が壊れて無くなる事が祝福の様に思えたのだった!!

真病神「そうだ。この世界を、壊そう。それこそが、祝福だ。だって、この世界は俺を受け入れなかったじゃないか!俺を愛してくれなかったじゃないか!

だから、こんなもの……壊してやるんだ!!」

そして真病神は666階の時計塔から見える街の景色を全て崩壊させようと手を伸ばそうとして……息絶えたのだった。その姿は赤子と同じで、無力で儚いものだった……。

……実際の真病神は家から出る事も出来ないまま、自分の部屋で死んでいた。これは真病神の深層心理を色濃く表した夢でしか無かった…。

それから真病神と安宿、野神が暮らしていたこの家は役所の人間達が調査にやって来て、その異様な光景に驚嘆しつつ売りに出されて朽ちてしまったのだった…。

そんな事は知らず、四年経ち家の前で呆然と立ち尽くしていた野神だったが。

野神「……父上、いえ、真病神。俺は…俺は…貴方の代わりにこの国の王となります。女王クレハに代わり、俺こそがこの国の王になるんです。」

自身の住処であるラブホテルへと戻り、この国を支配するための準備を始めていた。その目は暗く冷たい……しかし、覚悟と希望に満ちた目だった……。

それから真病神は神の名を与えたホームレス達を引き連れてさらに山奥に来てそこで自給自足する村を作った。

ここで時折女を拉致し犯して子供を産ませ、さらには孤児や不良を集めて彼等を兵隊にした。

全ては人類を破滅と言う名の制裁を齎すため。野神自身がこの世の王になるため。そして……地獄と言う名の墓場を造り上げたのだった……。

最初こそ彼等は戸惑っていたがいつしか真病神を神として崇拝し、野神を王として敬い身を尽くすようになったのだ……。

野神「お前達、今日も息災か。」

村の少年兵「はっ、我々の忠義に曇りなしっ!全身全霊を持って王と共に国を作り上げていきたく思いまーすッッ!うひょほぉーーぃ!!(狂喜乱舞)あああっ……はあああァァッ!?アァ〜〜♥……ホオッおぉおォオオー〜ーッ!」

野神「うむ、それで良い。」

そして次第にこの村は拡大し、野神は日本で最も危険な思想犯に成り果ててしまったのだ……。

神の子と地獄の使者達の為に安全と安定を維持し続け、善良でかつ個性的な守護者達の想いと野心が影落とす悪と闇の帝国を作り上げて行く事となる。

一方その頃、48歳になった野神の母であった百合子は高校卒業後に事務員として働き、それからはある男性と結ばれ、二児の子供を作り幸せな家庭を築いていた。

心の片隅に息子である野神を想っていた時、TVでニュースを見た。

……野神だった。成長していたが、自分が最初に産んだ子供だと一目見て解った。

百合子は迷った。もう、野神達には関わるべきじゃない。自分には家族が居るのだから…、それでも百合子は心が揺れ動いていた……。

画面越しとはいえ息子が見ている真実がどんなものか知るべきではないだろうか……?

と。その結果、百合子は家族に相談してみる事にしたのだが。そうとなると気が重くて堪らなかった。

(16歳の時に子供を産んで、しかもその子が殺人を犯した大罪人だなんて知れたら……家族に何と説明したら良いのでしょう……?)

だが、勇気を出してまずは夫に相談した。すると夫は…

夫「百合子…、そう…か…。にわかには信じがたいし信じたくはないが…百合子はあの、野神の母親だったのか…。百合子は…どうしたいんだ?」

百合子「私は……、野神の母である前に貴方の妻であり花蓮と凌也の母……だけど、ごめんなさい。私、確かめたいの。どうしてあげる事が正解かを……知りたいわ。もちろん野神からきちんと話を聞いて納得した上で接する……つもりよ。」

夫「そうか、そうだよな。うん、百合子の信じるままにやってみれば良いと俺は思うよ。それで嫌になったら戻って来ても良いしね。」

百合子「貴方……!ごめんなさい、貴方に辛い思いをさせてしまうって解っていたのに私は自分の望みを優先させてしまう……。本当に駄目な妻ね……でも、必ず帰ってあの人や娘をこれから沢山幸せにしてあげてみせるからねっ!貴方!いつもありがとう!」

そして百合子は、まずは警察に行き野神の出自について、自分が32年前の高校一年生の頃に安宿と真病神と言う男にされた事等について語った。

警察「なるほど……調べた所、貴方が監禁されていたマンションに住んでいたのは大道寺飛鳥と言う青年。そして、貴方の言う真病神…と呼ばれていた、粕壁大和と言う青年ですが、彼は大道寺飛鳥の幼馴染です。彼等は一度、とある町に引っ越しをしており、粕壁大和と思われる人物は既に死亡しており、大道寺飛鳥も同じ家で死んでいます。」

百合子「そう、ですか……やっぱり事実は変えようがないのよね。真病神は常に自分の存在に迷い苦しんで、闇に埋もれたこの世界で何か得体の知れない神秘や真実、宇宙の真相の様なものでも見たのかもしれませんね。夢なのか幻なのか、まるで寓話の様にしか、私には思えないけれどね……」

そして百合子は警察の力を借りて、野神の住む村へと潜入する事にした。

野神が作った村は内向きにしか作っていないものが主流となっており、例え特権があっても子供を産むのが難しい25歳以下の女がここに来る事はルール違反というものだった。

7回訪問しても追い返された。そして九回目の後だった……百合子はここを支配する守護者、遂に野神の母だと名乗る事が出来たのだった。

そして、野神は自分の母だと名乗る百合子を前にしても特に思う事がなさそうだった。

だが、百合子はここに来たかったのだ。たとえどんな状況であっても……自分の息子の為なら何だってしようとする意志だけが存在していたのだから!

百合子「野神、ごめんなさい。私も貴方を引き取りたかった。でも、安宿は許してくれなかったわ。そのせいで、貴方は今…こんな事に…。」

野神「何を言ってる。これが俺の使命だ。真病神を信じず受け入れない人々に破滅と言う名の制裁を与えるために俺は生きている。

この腐った世界を変える為に俺は戦い続ける。それに俺は元々アンタを母とも思っていない。だから、俺に関わるな……」

百合子「野神……今は受け入れてくれなくても良いわ……きっといつか私は貴方に母だと認めさせてみせるから……!!貴方を心から愛しています。

だから、…私は貴方と戦うわ。貴方は間違った方向に行っている。人を殺し、破滅に導くだなんて……あってはならない事。私は貴方の母だから、貴方を止めます。」

野神「ならば俺は誰にも手を抜かない。親であろうが子孫であろうとも全て壊してみせる。母さん、いや、百合子、後悔しても知らないぞ……。」

すると百合子の周りを武装した老人が囲み始めると百合子はスマホを取り出し、スイッチを押す。

……百合子は正義を尊び、慈悲の心と共にある心優しき母、慈母だ。

スイッチを押すと村の周りに隠れていた自衛隊や警察、村に長年潜入していた先入観が一斉に村を襲撃し、大々的な暴動に至ったのであった!

……それでも野神は無表情のまま拳を構え、建物の中にてさえ押し寄せようとする警察達を一掃して行った……!!しかしその武闘さに暴徒たちが怯んだ時。

今まで口を開いていなかった屈強な老人達……野神の側近が立ち上がった!

イクイドゥイ「野神様!この、老いぼれのイクイは貴方様に全てを捧げました。この命も、魂も身体も何もかも貴方様に捧げる所存ですぞぉぉッ!!!うほオォおオオーーーッ!!!(狂喜)」

プリゲッサ「イクイドゥイの意見に賛同しましょう、このプリゲッサめはそうおっしゃると思っていましたから……私は戦う事が出来るようになりたい、いなくならないで下さいっ!お願いですから!私がこれからも必要とされる為の絶対条件だからああァああッ!!(哀)本当……本当ですからぁぁああ〜ッッッ!!!」

オドラレクト「我オドラレクトもまた、我が身を喰らいて糧にしてきた歴史ある故に野神よ、運命を切り開き生きようとそう、一度は闇の底に落ちてきた者は欲してしまったから求めるものよな〜……(しみじみ)さすれば儂がお主に協力しようではないかァァああ!!」

老人達は鬼神の如く野神と共に立ち上がり……暴徒となって迫りくる警察官、兵士を相手に激しい戦闘を繰り広げていく……!!

それは勇猛かつ、あまりに怒りと憎しみが強いが故に、激しく殺したり死なせたりして殺していった!

百合子は駆け付けた警官や潜入官によって保護され、間一髪で助かっていた……。そして現場からは怒声と怨念が強く伝わってくるようだった……。

そこには悲惨な犠牲を出した長い戦いが紡がれる中で野神は日本刀と銃を振るい警官や兵士を薙ぎ倒しながらもその目はどこか空虚で、何も感じていなかった。

そして百合子や自衛隊の兵士達に保護されながらパトカーで離れた所へと向かう。

百合子「(野神……。)」

一方その頃、野神はイクイドゥイ、プリゲッサ、オドラレクトを中心に村人達を鼓舞しながら警官、裏切者の潜入官、自衛隊達と交戦を繰り広げていた。

野神軍のその武の粋な猛撃に、警官、自衛隊、潜入官は劣勢を強いられた……!!

警官A「クソッ……、こんなに強いなんて聞いてねえぞ……!化け物めっ!何が英雄だ、ふざけやがって!オラアッ!!(拳銃を放つ)死ねぇえぇぇーーッ!!(パァンッッ!!!)アアー!?弾切れっ?クッソォオオーーーッッ!!」

自衛隊「ひ、怯むなっ!!弾の補給を急げ!!(弾丸を装填)……ッ?!な、何だ……あれは……!何なんだこの化物はァッ!?(戦慄)うおおおおォオオオーーッッ!!(突撃)くたばれぇぇえええ〜〜〜ッッッッ!!!!」

潜入官「イクイドゥイ、プリゲッサ、オドラレクトには気を付けろ!!あのジジイ共は村では渡り神と呼ばれていて、地獄の使者だ……!

決して動揺するなッ!いいな……ぐああああーーーっ(頭を撃ち抜かれる)く……そぉぉおおお…………!!(死亡する。)」

そして、野神軍は警察や自衛隊と戦い抜き、その結果村は壊滅…。

戦車まで一台持ってきた自衛隊によりなす術もなく敗北して行くのだった……。それでも野神軍の執念は凄まじかったが結局一矢報いる事も出来ずに、散り散りになっていくのであった……。こうしてようやく平和が戻ったのである……!

野神は逮捕され、刑務所へと連れて行かれる。

……だが、野神はこんな所では終わらないだろう。野神にはまだ彼に従う多くの者達がいるのだ。

必ずまた、立ち上がり反旗を翻す日が来るに違いない……!その時は今度こそ破滅の時が訪れるのか……?それとも、更なる崩壊を招くのか……?!それはまだ誰にも解らないのである……!!おしまい!!

そして野神が逮捕され、百合子は愛する夫と子供がいる家へと戻ってきたが…。

百合子「野神…私は、諦めないわ。貴方が人間に戻るまでずっと、いつまでも……。絶対に貴方の事を追い続けるからね……!!(泣)うぅっ、ううっ……!!(嗚咽家の中に入り、仏壇の前に座り手を合わせながら涙を流す。そしてふと写真立てを見るとそこには真病神と安宿の写真があった)真病神…私は一瞬でも貴方を愛した時があったわ…安宿…貴方は全ての黒幕だったけど、それでも貴方が私に見せていたあの姿は真実だったと信じたいわ。貴方達は私に何を求めていたのかしらね……?本当にただの子供を産む道具だったのかしら?私はいったい……どうすれば良かったの……?教えて下さぁぁいッ!!うぅっ……!」

そして、真病神こと粕壁大和は気づくと真っ白い空間にいた。

そこには一人の男が立っていた。

その男の姿は髪は銀髪に、顔は中性的で整っていた。服装は貴族の様なもの……そして、神々しさを感じさせた。彼は真病神にとって縁の深い人物であったのだ……。

男「やあ、お疲れさん。粕壁大和。」

粕壁大和「……アンタは、誰だ?」

真病神「あはは!君も知っての通り、真病神だよ!」

粕壁大和「ま、真病神!?本物の真病神…!?」

真病神「その通り!俺は君が創作した神、真病神で間違いないよ。……にしても君はよく頑張ったね。本当に素晴らしい!

野神を産んで、あそこまで成長させる事が出来た!

いやあ、感動したよ!!君の事ちょっと見直したよ〜!」

粕壁大和「……俺は、もう嫌だ。こんなはずじゃなかったんだ…。」

真病神「じゃあ、やり直せ。」

粕壁大和「そもそもお前がどうすれば良かったのか…。俺はお前から生まれて来たから俺が生まれる以前の時間には戻らないが、あのマンションで暮らしていた頃までには戻れる!…さあ、行ってこい!」

粕壁大和「えっ…ええええええ!!!!!」

真病神「そして、今度は…「真病神」としてではなく、粕壁大和として大道寺飛鳥に接するんだ…。」

そして大和はあの頃に戻る……。

粕壁大和「………。(マンションの一室で布団に包まり閉じこもっている。)」

大道寺飛鳥「真病神様、大丈夫ですか?何か食べたい物は御座いますか?そろそろ巫女がやってくる頃ですが。」

粕壁大和「いや、いい。放っておいてくれ……(布団から少しだけ顔を出して言う)。俺はもう疲れたんだ、このまま消える。さよならだ……飛鳥よ、今までありがとうな……じゃあな!(布団から飛び出して窓から飛び降りようとする)おいッ!?飛鳥!!何故止める?」

大道寺飛鳥「ま、真病神様!!お止め下さい!!貴方には生き続けて頂きたいのです!だから、どうか私の命で良ければ捧げますから……どうかお願いします!!(泣きながら土下座する)私を一人にしないで下さい……!お願いします……!ううっ……うぅっ!」

粕壁大和「ッ!?……飛鳥、何故そこまでして俺を助けようとするのだ?お前は一体何者なんだ……?(呆然としながら聞く)。お前は俺の味方なのか?……それとも敵か……?また、死ぬ運命を与えるのか?……どっちなんだッ!?言ってみろッ!はっきりしろっ!!…どうしてお前は、高校の頃虐められてた俺の友達になってくれたんだ!?お前だけは俺を庇ってくれたんだ!?」

大道寺飛鳥「……!!!……真病神様、いや…大和…。俺はあの頃、片親でさ、母親に殴られて暮らして来たんだよ…。学校もつまらない薄っぺらい奴らばかりで…人生にも青春にも絶望していたその時にお前から聞いた真病神の神話はどれも退廃的で…どこか惹かれていたんだ。そして、真病神に変身する大和を見て俺は感動して……お前と友達になりたかったんだ!!だから俺は、お前の味方だよ……!俺を救ってくれた事への恩返しとして……お前を死なせたりしない……!例えお前がそれを望んでなくても、俺がお前を守り抜く!そして、お前を完全な真病神にする!お前は真病神だ!この世界に破滅と言う制裁を齎す日本国の真の王なんだ!!」

粕壁大和「そ、そうか……。飛鳥が俺を守ってくれるなら、俺は安心して暮らせる……!ありがとうな……でも、俺は真病神じゃない。真病神は、作り話だ。

世界の全てを憎んだ俺が作った、現実逃避の神話なんだ…。」

大道寺飛鳥「いや、違うぞ!お前は真病神だ……!お前がその神話を真実にするんだ……!お前なら出来る!お前こそ真病神なんだ……。(飛鳥は涙を拭いてニコッと笑い手を握る)俺は信じている、だから一緒に頑張ろうぜ……!俺も力になるからさ!」

粕壁大和「…飛鳥、目を覚せ……!俺は真病神じゃない、人間だ……。真病神は幻想なんだ……!現実の社会は甘くない、力がなければ生き残れないんだ……!それでも俺は飛鳥が望むならそばにいるよ。この世界を人間として戦うよ。…飛鳥、俺と今度こそ、本当の親友になろう。真病神と安宿と言う崇拝の関係ではなく、粕壁大和と大道寺飛鳥と言う親友になろう……!もう、俺を独りにしないでくれ……頼むよ、飛鳥……。(泣き崩れる)もう俺には誰もいないんだ!!誰も信じられなくなってしまっているんだ!!それでも、俺はお前の味方だッ!」

大道寺飛鳥「真病神、いや大和……!俺もお前と親友になりたい!そして、共に戦おう!!(大和の手を握る)……俺達は仲間だ!!俺達ならきっと上手く行くさ!だから頑張ろうぜ……。(飛鳥はニコッと笑う)そうだな!俺たちはもう仲間だよなっ!!」

粕壁大和「ああ、そうだ!俺達はもう仲間だ……!(二人は抱き合い、涙を流しながら笑い合う)……俺は今まで誰にも理解されなかった。友達もいなかったし、ずっと独りだった。だがこれからは違うんだッ!飛鳥という最高の相棒がいるッ!飛鳥がいれば俺はどんな事だって出来る気がするよ……!」

そして、大和はマンションに引き篭もっていた生活を辞めて、警察に自首してしっかりと刑を償ってから就職した。

大和の罪は暴行罪、傷害罪、監禁幇助罪だったが精神的な病気と飛鳥の教唆、洗脳による所が大きかったので病院での治療を終え、実質無罪に終わった。

そして飛鳥は巫女として大和に捧げた女達を殺した罪を償うために自首をして警察で裁かれることになった……。飛鳥は罪を認めたので刑は軽くなった。懲役7年と社会奉仕活動1年という事になったのである。そして、大和は更生して真面目に働き、普通の社会人として生きていく事になったのだった……。

それから7年後、大和は立派な社会人として働いていた。彼は人間として生きていくと決めたのだ。

そして、今日は飛鳥の出所の日。

飛鳥を刑務所から迎えに来た。

粕壁大和「……飛鳥!!」

大道寺飛鳥「……!……大和ぉ!!俺、出所したんだ!(涙ぐみながら抱きつく)俺を迎えに来てくれたのか……!?本当にありがとう!お前とまた会えて嬉しいよ!!」

粕壁大和「俺も嬉しいよ……。飛鳥、これからは俺が君を支えるから、安心してくれ。二人で頑張ろうぜ……!(涙ぐみながら飛鳥を抱き締める)俺もお前と会えて幸せだよ……っ!(涙を流す)ずっと会いたかったんだ……!もう離さないからなッ!(強く抱き寄せる)絶対になッ!!」

それから釈放された飛鳥は大和と共に生活を始めた。

飛鳥の就職先は、元々の前職を活かしてスーパーの正社員として採用された。二人は同棲する事になり、そして、結婚もした。

同性という事もあり結婚式は内輪だけで行われたがとても和やかな雰囲気で執り行われた。これから二人は幸せな人生を送る事になるのだろう……。物語はここで終わる……。

真病神を巡る大和と飛鳥の因縁の物語はこれで幕を閉じるのである……!

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トナカイ太郎Z

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