クスリグリーフ

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/6/9 📝 15,866文字 ✅ 全年齢

あらすじ

仕事のストレスに病む真紀子は、恋人の勧めで「幸せになる薬」に溺れていく。彼女が辿り着くのは、愛か破滅か。

本文

田中眞紀子「…はぁ…今日も眠れなかった…。」

俺「真紀子さん大丈夫?俺がそばにいるからね。」

田中眞紀子「うん…キミがいると安心するわ。アタシを1人にしないでね?」

俺「勿論。ところで仕事はどうだった?」

田中眞紀子「…………」

俺「どうしたの?最悪だった?」

田中眞紀子「……もう嫌だ!会社辞めたい!」

俺「そう。嫌なことあったんだね。何か食べる?」

田中眞紀子「うーん、食欲ないや。お酒飲みたい……」

俺「お酒はほどほどにしなきゃ。」

田中眞紀子「分かってるけど飲まなきゃやってられないよぉ……」

俺「真紀子さん、大変なんだね。俺はいつでも真紀子さんの味方ですよ。」

田中眞紀子「ありがとう。ねぇ、キスしていい?」

俺「え?まあいいですけど…。」

田中眞紀子「やったぁ♡チュッ♡」

俺「ははは、その元気があるなら明日も会社行けますね。頑張りましょう。」

田中眞紀子「そうだね。また明日も頑張ってみるよ。でも辛いことがあったら助けて欲しいかも……」

俺「いつでも助けになりますよ。真紀子さんのためならね!」

田中眞紀子「嬉しい♡じゃあ今日も一緒に寝てくれる?」

俺「ええ、勿論。じゃあもう寝ましょう。明日は朝ごはんたっぷり作りますよ。和食がいいですか?」

田中眞紀子「うん。ありがとう」

俺「おやすみなさい。真紀子さん。」

田中眞紀子「おやすみ。ダーリン♡」

そして翌日の夜。

俺「おかえりなさい。真紀子さん、仕事はどうでした?」

田中眞紀子「ただいま。仕事は相変わらずキツかったよ〜。でも昨日も言ったようにアンタがいると思うと耐えられるのよね〜」

俺「そうですか?それはよかったです。俺も真紀子さんがいるから毎日幸せですよ。」

田中眞紀子「ふふっ、ありがと♡ねぇ、ギュってしてくれる?」

俺「ええ勿論。真紀子さんは頑張ってますからね。(ぎゅっと抱き締める)」

田中眞紀子「あぁ、癒されるぅ……♡」

俺「真紀子さん、でももっと幸せになりたくないですか?」

田中眞紀子「えぇ?これ以上幸せになったらバチ当たるんじゃない?」

俺「それが、あるんですよ。幸せになる方法。これです。クスリです。(白い粉を渡す)」

田中眞紀子「あはは、何言ってんのよ!そんなもんに頼ったら終わりだよ!」

俺「そうですか?でも、毎日キツくないですか?これは全てを忘れさせてくれて、全てを解決させます。真紀子さんと俺がこれをキメたらもっと幸せになりますよ。」

田中眞紀子「確かに楽しそうだね……ちょっとやってみようかな……」

俺「素直な真紀子さんも可愛くて好きですよ。さあ、これを鼻から吸って…。(クスリの白い粉を吸わせる)」」

田中眞紀子「スーハースーハー……あれれ、なんだか頭がボーッとしてきたよぉ……あれ…なんか…(虹色の光が見える)」

俺「ふふふ…純度の良いものを買ったので…(少量吸ってよだれまみれで白目を剥く)へぁあ…」

田中眞紀子「……あ、アタシにも効いてきたみたい……なんだか楽しい気分になってきちゃったぁ♡…あ…なんか、綺麗な白いお城…が…あれ…?マリア像に変わった…?」

俺「凄く面白いですね…。真紀子さんが何を見てるか知りたい…。」

田中眞紀子「えっとね、……今見てるのは、会社の屋上にあるマリア様よ。ほら、こんなにはっきり見えるわ。綺麗だねぇ……あっ!?嫌だっ!こわいっ!!海が!青い海が襲って来るううう!!!!」

俺「それは美しそうですね……ああ、落ち着いて。真紀子さん。(背中をさする)大丈夫ですよ。」

田中眞紀子「怖いよぉ。なんであんなものがみえるんだろ……アタシもうだめかもしれない……おげっ…おえぇぇェェ!!!(嘔吐する)」

俺「真紀子さん、大丈夫ですよ。真紀子さんは誰よりも幸せになれます。」

田中眞紀子「そうなの?じゃあもっと幸せになりたいな……。(虚な目で壁を見つめる。)ぐふ…なんかねぇ…、ピンク色のバタークリームのお花畑…が…あれ?村人かな?話しかけたい…。」

俺「幸せそうですね。」

田中眞紀子「うん。皆、笑ってる。すごく楽しそうだね。でもおかしいな。なんでみんな私に気づかないんだろう……?(キョロキョロ周りを見る)」

田中眞紀子「あ、目が合った!でも、無視された……」

俺「それは真紀子さんがきれいだからみんな恥ずかしがってるんですよ。」

田中眞紀子「あはは、嬉しいなあ。…うぁ…うわー……なんか、世界中がゼリーに変わっていく…私はゼリーに包まれて赤ちゃんになってやり直したい…のに…このゼリー…あっ…あああ!!!気持ち悪い!!」

俺「どうしたの真紀子さん。」

田中眞紀子「ごめんなさい。アタシ、やっぱりダメだったみたい……吐いてもいい?」

俺「バッドトリップかな。いいよ。(背中を摩る)俺はずっと真紀子さんの味方だよ。」

田中眞紀子「うぅ……うえ……オエッ……ゲボッ……ゴホッ……グフゥ……ウプッ……ウッ……ハァ……はぁ……はぁ……」

俺「全部吐いていいよ。大丈夫、俺がついてるよ。」

田中眞紀子「ありがとう……。ねぇ、キスしてくれない?」

俺「ゲロ吐いた後はちょっと…口ゆすいで来て?」

田中眞紀子「分かった。(洗面所に行く)ペッ!ペッ!うっ!(また吐く)」

俺「真紀子さん、今日はもう寝ようか?寝られる?」

田中眞紀子「……うん」

俺「おやすみ。真紀子さん。(頬にチュッとキスをする。)」

田中眞紀子「……おやすみ。ダーリン♡」

そして翌日

俺「真紀子さん、よく寝られた?」

田中眞紀子「……うん」

俺「あんまり寝られなかったみたいだね。今日会社休む?」

田中眞紀子「……行く。休んでも何も変わらないもん」

俺「そっか。食欲はある?」

田中眞紀子「ないけど食べる」

俺「えらいね。会社にも行けてご飯もちゃんと食べようとする真紀子さんはえらいよ。」

田中眞紀子「ありがと。でも、仕事はしなきゃ」

俺「そうだね。野菜スープなら食べられるかな?あとサラダもね。」

田中眞紀子「うん。(朝食を食べて出勤)」

その日の夜

俺「おかえりかさい。真紀子さん、今日はどうだった?」

田中眞紀子「ただいま。いつも通りだよ。(疲れた顔で)ねぇ、ギュッとして」

俺「はい。(ぎゅっと抱き締める)好きだよ、真紀子さん。」

田中眞紀子「アタシも好き♡…もうやだよ…クソ上司もぶりっ子部下も…つらい…。」

俺「そっか。大変だったね。俺だけが真紀子さんの味方だよ。」

田中眞紀子「……アタシ、幸せになりたいの」

俺「…じゃあ、今夜もクスリ、しますか?」

田中眞紀子「クスリ……クスリがあればアタシ幸せになれるの?」

俺「勿論。実際体験してみて素晴らしい世界があったでしょう?あそこには不幸も憎しみもない。(クスリを渡す)」

田中眞紀子「……うん。(白い粉を吸って白目を剥きながら微笑む)あぁ……きもちぃ……」

俺「俺も吸っていい?」

田中眞紀子「いいよぉ……一緒に飛ぼうよ…。」

俺「(白い粉を吸う)あーーー…やっぱりいいね…真紀子さんは何が見えてるの…?」

田中眞紀子「……綺麗なお城が見えるよぉ……天使もいる……ピンクと水色と白のお花畑…あっ……虹色の光…虹色の光があぁぁぁー!!!あはは!!」

俺「素敵だね!他には何が見える?」

田中眞紀子「うふふ……(虚な目で笑う)村人がいるよ……皆笑ってる……」

俺「村人に声をかけて…」

田中眞紀子「うん……話しかけたいのに皆私に気づかないの……あはは!なんでだろう!?」

俺「殴りなよ!真紀子さんを無視する村人なんて殴っちゃえ!!」

田中眞紀子「あはは!!あははははは!!!おらっ!おらぁ!!!(壁を殴る。拳に血が出ても殴り続ける!)」

俺「村人、真紀子さんに気づいた?」

田中眞紀子「気づいてないみたい……でも、皆笑ってるから嬉しい……」

俺「本当にそれでいいの?真紀子さんには気づいてないんだよ?気づくまで殴ろうよ!叫び続けようよ!」

田中眞紀子「うるせぇ!!気づけよ!!オラァ!!おらおらおらぁ!!死ねよ!!お前ら全員ぶっ殺すぞ!!!」

俺「あはは!そうですよ!眞紀子さんを不幸にする連中はくたばればいい!」

田中眞紀子「はぁ……はぁ……(床に倒れ込む)ダーリン……ダーリン……お願い……キスして……」

俺「(真紀子に顔を近づけてキスする)愛してるよ。真紀子さん。」

田中眞紀子「……アタシも大好き……。」

俺「今日はもう寝る?それともまだクスリキメる?」

田中眞紀子「……今日はもう寝る……(眠そうに)明日はちゃんと起きれるかな……?」

俺「俺が起こすから心配しないで。おやすみ。(布団をかける)」

田中眞紀子「うん……おやすみなさい……ダーリン……(眠る)」

翌日

俺「おはよう真紀子さん。朝ごはん何がいい?サンドイッチ?」

田中眞紀子「……うん」

俺「元気ないね。会社休む?」

田中眞紀子「行く」

俺「本当に大丈夫?」

田中眞紀子「大丈夫だから」

俺「わかった。真紀子さんはえらいね。(ぎゅっと抱き締める)」

田中眞紀子「……ありがとう。(出勤。会社に着く。)」

その日の夜

俺「おかえり!今日は仕事どうだった?」

田中眞紀子「……いつも通りだよ」

俺「そっか。お疲れ様。愚痴なら聞くからね。」

田中眞紀子「……うん。ありがと」

俺「今日はとんかつにしたんだけど食べれる?」

田中眞紀子「うん。(食べてお風呂に入る)」

俺「真紀子さん、今日はクスリやる?」

田中眞紀子「……今日はいい」

俺「そうなの?なんで?」

田中眞紀子「……なんか、気分じゃない」

俺「そっか。そう言う日もあるよね。おやすみ。真紀子さん。(布団に寝かせる)」

田中眞紀子「うん。(眠りにつく。)ぐふ……ぅ……グフッ……オェッ……」

俺「真紀子さん!?大丈夫!?」

田中眞紀子「うっ……ゲボッ……ウッ……ハァ……はぁ……うっ……ううっ……(吐く)」

俺「真紀子さん、しっかりして!全部吐いて!」

田中眞紀子「……はぁ……はぁ……うっ……ううっ……うぷっ……うえっ……ゴホッ……はぁ……はぁ……はぁ……」

俺「大丈夫?やっぱり明日は会社休もう。」

田中眞紀子「……うん。(次の日の朝)……いってきます」

俺「真紀子さん!会社休もうよ!」

田中眞紀子「……アタシ行ってくる」

俺「…そっか。いってらっしゃい。」

田中眞紀子「……行ってきまーす(出社して仕事を始める)ぐへ……うげ……おえぇぇ……おぇぇぇ……(吐き始める)ウッ……」

上司「おい田中ァァ!!何やってんだテメェ!!臭ぇんだよ!!」

田中眞紀子「……すいません」

俺「さっさと掃除して仕事再開しろ!!あ、これ追加な。(大量の仕事をどさどさと田中眞紀子のデスクに置く)」

田中眞紀子「はい……」

その日の夜

俺「お帰りなさい!真紀子さん…会社どうでした?」

田中眞紀子「……最悪だった」

俺「え!?何があったの!?」

田中眞紀子「……(泣き出す)」

俺「真紀子さん…!(ぎゅっと抱きしめて)何があったか教えてください…。」

田中眞紀子「……あのクソ上司が、アタシの仕事のミスをネチネチと責めてきたの……。それだけじゃなくて、アタシの体型とか容姿のことまで馬鹿にしてきて……!」

俺「真紀子さん、真紀子さんは誰よりも美しいですよ。俺が保証します。」

田中眞紀子「グスッグスッ……ありがとう……ダーリン♡(キスする)」

俺「(こちらからもキスする)…真紀子さん、愛してますよ…。今日はクスリしますか?」

田中眞紀子「……今日はいい。ダーリンと一緒にいたい」

俺「俺と一緒にクスリをするのはどうですか?」

田中眞紀子「なら、そうする。(クスリを鼻から吸い込み)…あーー…やっぱり…いいね、これはぁ…気持ちいい…ん…あー…何これ…ビル…?すごい高いビル…私も体が伸びる…。」

俺「すごい幻覚ですね。他に何が見えますか?」

田中眞紀子「……天使が見える……綺麗……あ……虹色の光…ビルの先に行きたい!行きたいのに…あはは!!あはは!!あはは!!」

田中眞紀子「あはは!!あはは!!もっと吸わせて!!ねぇ!!もっとぉ!!(白い粉を渡す)」

俺「はいはい。(相手の鼻と口に白い粉を詰める)どうです?何が見えます?」

田中眞紀子「あーーーーーッッッ!!!!!ぎもぢいいいい!!!私風になった!!風になったあぁぁぁぁぁ!!!!!かみさまが、いる?」

俺「ほう、神様はどんな姿をしてますか?」

田中眞紀子「えっとね、ピンクと水色と白のお花畑があって、そこに天使がいるの。それでね、皆笑ってるの」

俺「幸せそうな世界ですね。眞紀子さんは幸せですか?」

田中眞紀子「うん。私は、しあわ、せ」

俺「本当に幸せですか?笑ってるのは眞紀子さん以外ですよね?」

田中眞紀子「ちが、う、わ、た、し、は、ひ、あ、り、だ、け、の、ひ、あ、お、ば、ら、く、す、み」

俺「…眞紀子さん、大丈夫ですか?」

田中眞紀子「だい、じょ、うぶ」

俺「俺は誰よりも眞紀子さんに幸せになってほしい。いつも誰かの幸せを願う眞紀子さんが不幸なのはおかしい。(手を繋ぐ)」

田中眞紀子「うふふ……(虚な目で笑う)」

俺「眞紀子さん、貴方は本当に幸せですか?」

田中眞紀子「しあわせ」

俺「本当に?」

田中眞紀子「しあわせだよ」

俺「良かった。でも辛い時は俺に言ってくださいね。俺は誰よりも眞紀子さんを愛してるから。親よりも友達より眞紀子さんを愛してる。」

田中眞紀子「うふふ……うれしいなぁ……」

俺「明日仕事ですね。頑張れそう?」

田中眞紀子「うん。がんばる」

俺「じゃあ今日は寝ましょう。おやすみなさい。」

田中眞紀子「おやすみなさい」

翌日

俺「おはようございます!今日は和食にしました!食べられそうですか?」

田中眞紀子「うん。(食べて会社に向かう。)ぐへ……うげ……おえぇぇ……おぇぇ……(吐き始める)ウッ……」

電車内でざわつく

OL「きゃああっ!!!あの人吐いてる!!」

男子高校生「うわくっせ…。」

女子高生「サイテー…。」

サラリーマン「きったねえ!!死ねや!!」

田中眞紀子「ごめんなさい……(会社に着く)……おえぇぇ……おぇぇ……」

上司「おいお前まだ気分悪いのか?仕事は大量にあるんだぞ?(田中眞紀子の机に大量に仕事を置く)死ぬのは仕事やってからにしてくれよw」

田中眞紀子「……はい」

上司「どうせお前みたいなブスはどれいみたいに働く以外に生きる道はないんだからなw」

田中眞紀子「……はい」

上司「あ?はい、はいってわかってんのか?テメェ。」

田中眞紀子「すいません」

上司「誠意を見せろ。土下座しろや。」

田中眞紀子「はい」

上司「土下座しろや!!俺の目の前でよぉ!!!」

田中眞紀子「はい…。(虚な目で土下座する)」

上司「ぎゃはは!!!情けねーな!!ブス女!!」

田中眞紀子「(頭を下げる)」

その日の夜

俺「眞紀子さん!お帰りなさい!」

田中眞紀子「……ただいま」

俺「お仕事どうでした?今日はパエリアですよ!」

田中眞紀子「……楽しかった」

俺「本当に楽しかったんですか?」

田中眞紀子「……うん。(泣き出す)」

俺「ま、眞紀子さん!泣かないで!!一体何があったんですか?」

田中眞紀子「あのクソ上司がアタシに土下座させたの!それでね!皆の前で馬鹿にして!!許せない!!」

俺「…眞紀子さん、辛かったんですね…仕事休みますか?」

田中眞紀子「ううん。行く」

俺「どうしてそこまでして仕事に行くんですか?」

田中眞紀子「だって……アタシにはこれしかないから……これしかできないから……だから行かなきゃ……」

俺「そっか…。頑張る眞紀子さん、本当に素敵だよ。(ぎゅっと抱き締める)」

田中眞紀子「ダーリン♡ありがとう。大好き♡(キスする)」

俺「明日も仕事?」

田中眞紀子「うん」

俺「そっか。つらいね。でも応援してる。頑張ってね?」

田中眞紀子「うん。頑張るね」

俺「俺にして欲しい事、他にある?」

田中眞紀子「……一緒に寝て欲しい」

俺「うん!勿論だよ。眞紀子さん。さあ、お布団入って?(ぽんぽんと布団を叩く)」

田中眞紀子「うん…。(布団の中に入り幸せそうに微笑む。)アタシにはキミしかいないんだ…。」

俺「うん。俺だけは真紀子さんの味方だからね。おやすみ。」

田中眞紀子「おやすみ」

翌日

俺「おはよう!良く眠れた?」

田中眞紀子「うん。おはよう。(起き上がる)あれ……なんか……体が軽い……?」

俺「あれ?今日は調子いいのかな?」

田中眞紀子「(鏡を見る)……うわっ……酷い顔……!こんなにクマできてたんだ……!(急いで顔を洗う)」

俺「……眞紀子さん、大丈夫?落ち着いて?眞紀子さんはいつも綺麗だよ。」

田中眞紀子「……ありがと……(涙を流す)」

俺「ほら、眞紀子さんは笑顔の方が素敵だよ?(涙を拭う)ほら、早くご飯食べて仕事行きなよ。今日はハムエッグだよ。」

田中眞紀子「うん。いただきます」

俺「さあ、めしあがれ!」

田中眞紀子「おいしい」

俺「ふふ、良かった!」

そして出勤…。

上司「おい、テメェまだ資料出来てねぇのか?あ!?」

田中眞紀子「……すいません」

上司「この出来損ないがよ!!さっさとやれや!!クソブスが!!」

田中眞紀子「(泣きながら)ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」

上司「は?泣いたら許されると思ってんの?おら、謝罪しろ!!俺のこの職場にいる全員に謝罪しろ!!自分は出来損ないのブスだってなあ!!」

田中眞紀子「ごめんなさい……ごめんなさい……」

上司「あー、もういいわ。さっさと仕事しろやクソブス。」

田中眞紀子「(泣きながら)はい……」

その夜。

俺「お帰りなさい!眞紀子さん!今日はカレーにしたよ!」

田中眞紀子「……ただいま」

俺「今日はどうだった?」

田中眞紀子「……最悪……上司に散々怒鳴られて、ミスした部下の分まで全部押し付けられた……(虚な目でぶつぶつ言う)……死にたい……死んじゃいたい……」

俺「眞紀子さん…!(ぎゅっと抱き締める)眞紀子さん…、眞紀子さんが死んだら俺悲しいよ…!!そんな事言わないで!」

田中眞紀子「ダーリン……!(ぎゅっと抱き締め返す)」

俺「眞紀子さん、仕事休みなよ。」

田中眞紀子「……うん。でも行かなきゃ」

俺「本当に大丈夫…?」

田中眞紀子「うん」

俺「俺、眞紀子さんが心配だよ。でも、俺は眞紀子さんの助けになれない…。応援するだけなんだよな…。(悲しむ)」

田中眞紀子「ダーリン、アタシの事好き?」

俺「うん、愛してるよ。眞紀子さん。(真っ直ぐ見つめる)」

田中眞紀子「……アタシも、ダーリンを愛してる。アタシが辛い時はいつでも側に居てくれるよね……?」

俺「勿論、そばにいる。約束するよ。」

田中眞紀子「ありがとう。嬉しい。アタシ、頑張るね」

俺「よし、じゃあ今夜もクスリキメようか!きっと少しは楽になれるから!(白い粉を渡す)」

田中眞紀子「ありがとう。(受け取って鼻から吸う)はーーーァァ…あ…見えてきた…なんだここ…水槽の中…?なんか気持ち悪いな…魚?人間が泳いでる…。」

俺「水の中にいるのは気持ちよさそうだけど…そうでもない?(眞紀子の手を繋ぐ)」

田中眞紀子「(手をぎゅっと握る)ああ……なんか落ち着く……。ここは……どこなんだろう……」

俺「その水槽の中には何がいるのかな?」

田中眞紀子「……人……人間……?あれ……みんな……死んでる……?皆……溺れて……?(恐怖で震え始める)」

俺「眞紀子さん、大丈夫。俺がついてるよ…。(抱き締める)」

田中眞紀子「(抱き締め返し)こわい……」

俺「大丈夫。大丈夫。楽しい事思い浮かべて…。眞紀子さんの好きなものは何?」

田中眞紀子「……ダーリン……(即答)」

俺「あははっ!俺も眞紀子さんが一番好き!可愛いね!(ちゅっとおでこにキスをする)じゃあ俺の事だけ考えてごらん。」

田中眞紀子「(うっとりしながら目を瞑り、彼の事を考える)ダーリン……ダーリン……♡…あ…気持ちよくなって…来た…あ…あぁ…!!(眩い光に包まれる)」

俺「眞紀子さんっ!気持ちいい!?」

田中眞紀子「あぁんっ!!あっ!あっ!きもちいっ!(激しい快感に体を震わせて絶頂する)ああんっ!!あーーーッ!!!」

俺「ふう…眞紀子さん可愛かったね!」

田中眞紀子「あぅ……はぁ……はぁ……(虚な目で息を整えている)……ねえ……もっと……」

俺「ふふ、わかったよ。(田中眞紀子に白い粉を吸わせる)」

田中眞紀子「はあ……あ……あ……あ……あ……(薬の効果でトランス状態に入る)あ……?……なにこれ……?……水が……?……え?……???」

俺「水?どうしたの?何が見える?」

田中眞紀子「……水……沢山の水……あ……くる……?……あーーーーー!!!」

俺「眞紀子さん!?眞紀子さん!?何が見えてるの!?何が来るの!?」

田中眞紀子「(苦しげな声)……たすけ……助けて……あ……あ……苦しい……あ……あ……(水の中で藻掻き苦しみ始める)」

俺「眞紀子さん!大丈夫だよ!ゆっくり呼吸して!そこは水の中じゃない!もっと綺麗で気持ちいい場所だよ!!」

田中眞紀子「(泣きながら)ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……(必死に謝っている)ごめんなさい……許して……もうやめて……」

俺「眞紀子さん、謝らなくていいんだよ!眞紀子さんは悪くないから!(強く眞紀子を抱き締める)」

田中眞紀子「(泣きながら)アタシ……もうダメなんです……アタシ……死ぬしか……ないんだ……」

俺「死ぬとか言わないで!俺は眞紀子さんを愛してる!眞紀子さんが辛い時にはそばにいるよ!!」

田中眞紀子「(泣きじゃくりながら)ありがとう……ダーリン……(ぎゅっと抱きつく)ダーリンが居てくれればアタシは生きていける気がします……」

俺「気がする、じゃなくて生きるんだよ!眞紀子!」

田中眞紀子「(号泣)ダーリン……ダーリン……(ぎゅっと抱きつき、子供のようにわんわん泣く)」

俺「眞紀子、愛してるよ…(優しく抱き締める)」

田中眞紀子「ダーリン……ダーリン……ダーリン……(ぎゅっと抱きついたまま離れず、ひたすら名前を呼ぶ)」

それから翌朝…。

俺「眞紀子さん…おはよう、朝だよ。今日は仕事だっけ?」

田中眞紀子「(ぼんやりと起き上がる)……うん」

俺「仕事行けそう?」

田中眞紀子「うん」

俺「そっか!じゃあいってらっしゃい!」

そして出勤、職場。

上司の怒鳴り声。部下のミスの尻拭いで残業。夜遅くまでかかってやっと終電に間に合った。クタクタになって帰宅。玄関には見知らぬ靴。

俺「本当アイツメンヘラでうざいんだよな!ブスのくせに!(ベッドで女と裸で戯れる)」

女「きゃはは!大変だねー!でももう少しなんだよね?(俺に全裸で抱きつく)」

俺「おう。後もう少しで眞紀子から金騙し取るわ!」

女「きゃー!楽しみー!」

田中眞紀子「(真っ青な顔でフラフラしながら部屋に入って来る)ただいま帰りました……。ダーリン……?ダーリン?どこ?ダーリン?」

俺「えっ…。(裸で女を抱きながら)」

女「え!?もしかして彼女さん!?まだ残業で帰ってこないんじゃないの!?」

田中眞紀子「(よろめくように歩きながら)ダーリン……ダーリン……どこにいるの……?」

俺「俺「え…?気づいてない…?…ま、眞紀子さん…?(寝室で女とベッドで裸で抱き合っている)」」

田中眞紀子「(虚ろな目)……ダーリン?……(ハッとして辺りを見回す)……あ……あぁ……!!(絶叫し気絶する)」

俺「お、おい!!とりあえず帰れ!!」

女「ちょ…ちょっと…!!」

俺「いいから帰れ!!」

浮気女を返した後、気絶した眞紀子を解放する

俺「眞紀子さん…大丈夫…?」

田中眞紀子「(虚な目で天井を見ながら)……ダーリン……ごめんなさい……」

俺「どうしたの?なんで謝るの?」

田中眞紀子「(虚な目で虚空を見て)アタシ……もうダメなんです……本当にダメなんです……アタシ……死にます……」

俺「どうしてそんな事言うんだよ!俺は眞紀子がいないと生きていけないんだよ!?なんで死にたいの?」

田中眞紀子「(虚な目)……アタシ……もう生きたくない……死なせて下さい……」

俺「なんで死にたいのか教えてよ」

田中眞紀子「(虚な目)……アタシ……生きてる価値がないんです……生きてても意味が無いんです……生きてるだけで迷惑かけるだけの存在だから……」

俺「眞紀子、愛してる。」

田中眞紀子「(泣き出す)」

俺「眞紀子さん、貴方を愛してる。だから生きる価値が無いなんて言わないで。」

田中眞紀子「(泣きじゃくりながら)……アタシ……アタシは……ダーリンに愛されてもいい人間ですか……?」

俺「勿論だよ!俺はキミを愛してる。」

田中眞紀子「(泣きじゃくる)ありがとう……嬉しい……(ぎゅっと抱きつく)」

俺「さあ、眞紀子さん、クスリでもキメて寝よう!(クスリを渡す)」

田中眞紀子「(受け取り、震える手で白い粉を口に含む)……はあ……ダーリン……アタシは……アタシは……(薬の効果でトランス状態に入る)……ああ……あ……?」

俺「何が見える?」

田中眞紀子「……水……沢山の水……溺れて……沈んで……苦しい……助けて……誰か……」

俺「大丈夫だよ、俺がいるよ。眞紀子には、俺だけがいる。」

田中眞紀子「(虚な目)……ダーリン……ダーリン……ダーリン……(俺に抱きついて、ひたすら名前を呼ぶ)」

俺「(抱き寄せる)大好きだよ、眞紀子さん…。」

田中眞紀子「(泣きじゃくっている)……ごめんなさい……ごめんなさい……許して……(うわ言のようにひたすら謝罪の言葉を繰り返す)」

翌日

俺「おはよう、眞紀子さん。今日も一日頑張ってね!」

田中眞紀子「(虚な目)……おはようございます……頑張ります……(ふらつきながら出勤する)」

出勤、職場にて

同僚女性「眞紀子さん、ちょっといい?」

田中眞紀子「はい、何でしょう?」

同僚女性「貴方に対する上司さんのパワハラ、さすがにやりすぎだから私告発しようと思うの…。貴方はどう思ってる?」

田中眞紀子「そうですね。上司に悪い所があるなら直すべきですし」

同僚女性「……本当にそう思ってる?貴方、全てを受け入れてない?貴方が気にしてないって言うなら、やめるけど。」

田中眞紀子「(困った顔で)ええと……私は別に……」

同僚女性「ええと、じゃない!貴方の事でしょう!?…て言うか、貴方プライベートで相談出来る相手とかいないの?」

田中眞紀子「(苦笑)ええと……まあ、一応います……」

同僚女性「(イライラしつつ)誰?友達?恋人?その人には仕事の事話してる?」

田中眞紀子「(更に困った顔で)ええと……ダーリン……かな……」

同僚女性「ダーリンって恋人?その人は貴方のパワハラについてなんて言ってるの?解決してくれそうなの?」

田中眞紀子「(困惑した様子で)ダーリンは……ダーリンは何も言いません……何も……(黙り込む)……でも、クスリをくれるんです。私を幸せにしてくれるクスリ…。」

同僚女性「…は?」

田中眞紀子「ダーリンのくれたクスリを飲むと幸せな気分になれるんです。クスリを飲んでるとダーリンの声も聞こえる気がするんです。クスリを飲まないと生きていけないんです」

同僚女性「それって貴方をクスリ漬けにしてるだけじゃない!!!しかも何も助けてくれないんでしょ!!最低男よ!!別れなさい!!」

田中眞紀子「(涙ぐむ)……そんな……そんな酷い事言わないで下さい……アタシの大事なダーリンなのに……(泣きじゃくる)」

同僚女性「貴方現実が見えてない。貴方は現実逃避してるだけよ。いつかその男あんたのこと捨てるわよ。」

田中眞紀子「(泣きじゃくりながら)そんな事ありません……ダーリンはずーっとアタシと一緒にいるんです……」

同僚女性「もういい。貴方が助かりたいと本気で思ったら、その時は私に声をかけて。…じゃあね。」

田中眞紀子「(泣きじゃくる)…………どうしてそんな事言うの……?」

その夜

俺「おかえり!眞紀子さん!会社大丈夫だった?」

田中眞紀子「(虚な目)ただいま帰りました……大丈夫……ですよ……」

俺「え?大丈夫?なんかいつもより元気ないけど…!!」

田中眞紀子「(虚な目)大丈夫……アタシは……大丈夫……(ブツブツ呟いている)」

俺「眞紀子さん…、今日はゆっくり休もう?(ぎゅっと抱き締める)」

田中眞紀子「(抱きつく)ダーリン……アタシは……アタシは……ダーリンがいればいいの……。ダーリンさえいれば……他に何もいらない……」

俺「俺もそうだよ。眞紀子さんさえいれば何もいらない。愛してる。」

田中眞紀子「アタシも愛しています……。アタシ達はずーっと一緒にいましょうね。ずっと一緒。離れる事はない」

俺「うん。そうだね。ところでさ、眞紀子さん。…お願いがあるんだ。」

田中眞紀子「(虚な目)何……?」

俺「俺、友達と一緒に事業を起こそうと思うんだ。そしたら眞紀子さんにも楽させてあげられると思うし!…それで、お金貸して欲しいんだ。500万。」

田中眞紀子「(虚な目)……ダーリンのお友だちならきっと素敵な方なんだろうね。分かりました。お貸しします」

俺「有難う!(ぎゅっと抱き締めて)愛してる!絶対幸せにするよ!眞紀子さん!!」

田中眞紀子「(虚な目)……はい……ダーリン……」

俺「今から口座にお金振り込める?」

田中眞紀子「(虚な目)……はい……」

そして口座にお金が振り込まれた翌日

俺「おはよう!眞紀子さんっ!昨日は有難う!」

田中眞紀子「(虚な目)おはようご……ダーリン……(ふらつきながら出勤する)」

俺「うん!いってらっしゃい!バイバイ!」

出勤、職場

上司「おいクソブス!!遅ぇんだよカスが!!さっさと仕事しろや!!」

田中眞紀子「(怯えながら)は、はいっ……すみません……」

上司「たくっ、使えねえ女だな!(さらに大量の仕事を田中眞紀子のデスクに置く)」

田中眞紀子「(震えながら仕事を始める)」

上司「そーいやお前って彼氏いんの?いても出来損ないのクズなんだろうなw」

田中眞紀子「(ビクビクしながら)……い、いえ……」

上司「へー、やっぱり彼氏いないんだなw俺がなってやろうか?公私共に出来損ないのブスのお前の管理してやるよw」

田中眞紀子「(真っ青になってガタガタ震え出す)……は、はい……よろしくお願いします……」

同僚女性「ちょっと待って、田中さん!貴方彼氏いるんじゃないの?」

田中眞紀子「え……?」

同僚女性「ダーリンって言ってる彼氏がいたじゃない!別れたの?」

田中眞紀子「(虚な目)ダーリンは……ダーリンは……(ブツブツ言い始める)……ダーリンは……アタシの……ダーリンは……(泣きじゃくる)」

上司「は?なんだ?キモッ!」

田中眞紀子「(泣きじゃくる)ダーリンは……ダーリンは……アタシのダーリンは……(虚な目)アタシのダーリン……(ブツブツ言い続ける)」

上司「もういいわ。仕事やれよ。」

田中眞紀子「(虚な目)……はい……(仕事を続ける)」

同僚女性「やっぱり私、あの上司告発するわ。貴方は病院に行った方がいいわよ。」

田中眞紀子「(虚な目)……はい……ありがとうございます……(虚な目)……でも……クスリが……」

同僚女性「病院行きなさい!!このままだと貴方死んじゃうわよ!」

田中眞紀子「(虚な目)……はい……(虚な目)……でも……アタシは……クスリが……ないと……」

同僚女性「(田中真紀子の肩を抱き)とにかく病院は行きなさい。いいわね?」

田中眞紀子「(虚な目)……はい……(虚な目)……ダーリン……アタシ……ダーリンに会いたい……」

その夜。

既にアパートにダーリンは居なかった。

置手紙も無く、その日から田中眞紀子は一人ぼっちになった。

それでも彼女はクスリを辞める事はなかった。クスリを飲まないと生きていけない。

クスリを飲む事でダーリンの声を聞くことが出来る。クスリがないと死んでしまう。アタシにはダーリンしかいない。

その日から眞紀子はダーリンの幻覚を見るためのクスリを買うために働く事にしたのだった。

彼女の人生はもう、終わっていた。クスリを飲んでは眠る日々。ただそれだけ。クスリをくれる人がいる限り、眞紀子の人生は続いていく。

たとえそれがどんな人生であっても。

俺「眞紀子さん!おかえりなさい!今日のご飯は何が良いですか?」

田中眞紀子「(虚な目)……ダーリンの作ってくれるものなら何でも良いよ。」

俺「ふふ、解ったよ。愛してる、眞紀子さん。(化物の様な姿になる)」

田中眞紀子「(虚な目)うん……アタシも……ダーリンの事愛してる……」

俺「眞紀子さんは、俺がこんな姿でも愛してくれる?(ドロドロの化物の様な姿で)」

田中眞紀子「(虚な目)勿論だよ……。だってダーリンだもの……」

俺「ふふ、嬉しいな。有難う。……じゃあ……。」

田中眞紀子「(虚な目)うん……頂戴……ダーリンの体液……(キスをする)」

上司「俺がこうなってもお前は愛してくれるんだろうなぁ?あ?(乱暴なディープキスをする)」

田中眞紀子「(虚な目)は、はい……勿論です……(虚な目)……愛しています……」

上司「お前さあ、結局構ってくれるなら誰でも良いんだろ?ブスで馬鹿でモテねぇもんなぁ!!!(乱暴に押し倒す)」

田中眞紀子「(虚な目)そんな事……ありません……」

上司「あ?テメェはブスで惨めな俺の奴隷だろうが!!!(ビンタする)」

田中眞紀子「(頬を抑えながら)……はい……そうです……(虚な目)貴方の言う通り……アタシは貴方の奴隷……貴方だけのモノ……」

上司「ヒャハハハ!!!バーカ!これからずっとお前は俺に苦しめられ続けるんだよ!!!」

田中眞紀子「(虚な目)はい……アタシは……貴方の苦しみが……とても心地よい……(虚な目)」

それから田中眞紀子は現実と妄想と幻覚がごちゃごちゃになる奇妙な世界を見続けた。

クスリの副作用によって精神状態は悪化し、やがてクスリなしの生活は出来なくなった。

クスリが切れれば幻覚が見えなくなるのでクスリを飲み続けるしかなかった。

そしてある日…。

上司「おい!!田中ァ!!テメェとうとうやってくれたなぁ!!くだらないミスしやがって!!!!」

田中眞紀子「(虚な目)すみません……本当に申し訳ありませんでした……(虚な目)」

上司「謝って済むかボケが!!!(眞紀子をボコボコに殴る)」

田中眞紀子「(殴られて血を流しながら)す、すいませ……ん……(虚な目)」

とうとう眞紀子を殴った上司は流石に社員達に止められ、悪質なパワハラとして問題になりクビになった。

しかし、眞紀子はクスリを飲んで眠っていた為、何も覚えていなかった。クスリの飲み過ぎにより、記憶障害を引き起こしていたのだ。

田中眞紀子「…仕事、出来ました…上司さん…。」

同僚女性「田中さん!もう上司さんは居なくなったのよ!」

田中眞紀子「……え……?」

同僚女性「貴方を殴ってクビになったのよ!いい加減目覚めなさい!!しっかりして!!」

田中眞紀子「……はい……アタシは……貴方の……貴方だけ……の……(クスリを飲む)」

同僚女性「田中さん!!やめなさいッッ!!(クスリを奪う)」

田中眞紀子「返して!!ダーリンに会わせて!!お願い!!アタシにはもうクスリしかないの!!」

同僚女性「馬鹿ッッッ!!!!(ビンタする)」

田中眞紀子「(泣きじゃくる)」

同僚女性「貴方を愛してくれる人は必ずいるわ!!だから、だから、そんな事言わないでよ…!!もっと自分が幸せになりなさいよ…!!!」

田中眞紀子「……ダーリン……ダーリンに会いたい……(涙を流す)」

同僚女性「もうダーリンはいないの!!でも、新しいダーリンを探せば良いじゃない!!だから、こんなくだらないクスリはやめなさい!!」

田中眞紀子「……ダーリンは……ダーリンしかいないんです……(虚な目)」

同僚女性「馬鹿ッ!!(ビンタする)だったらずっとそうやって悲劇のヒロインになってりゃいいじゃない!もう私はあんたに関わらない!!」

田中眞紀子「(虚な目)……ダーリン……会いたい……ダーリン……ダーリン……ダーリン……ダーリン……ダーリン……ダーリン……ダーリン……ダーリン……ダーリン……」

それから田中眞紀子はまともに仕事も出来なくなってしまい会社をクビになった。それでも彼女はクスリをやめられなかった。クスリがないと生きていけない。クスリを飲まないと死んでしまう。クスリさえあれば、ダーリンがいる。

だから眞紀子は風俗で働く様になった。

そこの黒服と運命的な出会いを果たす。

彼はかつてのダーリンそっくりだったのだ。

俺「眞紀子さん。お疲れ様!」

田中眞紀子「(虚な目)……うん……ありがとう……」

俺「どう?嫌な事ない?嫌な事されてる客とかいたら言うんだよ?」

田中眞紀子「(虚な目)うん……」

俺「もし良かったら休みの日一緒にご飯でも食べない?」

田中眞紀子「(虚な目)うーん……」

俺「俺と出かけるのは嫌?」

田中眞紀子「(虚な目)……そんな事……ない……」

俺「良かった。じゃあ一緒にデートしようよ」

田中眞紀子「(虚な目)うん……」

彼は田中眞紀子に親切に接する様になり、そして眞紀子もまんざらでもなくなってきた。

そして二人は付き合うことになった。

俺「眞紀子さん、嬉しいな!一緒に暮らせるな!」

田中眞紀子「(虚な目)……そうだね……(クスリを飲み始める)」

田中眞紀子「(虚な目)……ふふっ……楽しいなぁ……(クスリを飲みながら笑う)」

俺「眞紀子さん、楽しそうだね〜。」

田中眞紀子「(虚な目)ねぇ、ダーリン、アタシ、今すごく幸せなんだぁ……(クスリを飲み続ける)」

俺「あはは、眞紀子さん派手なヤク中だなあ!でもそう言う所も好きだよ!ところで眞紀子さん、俺に小遣いはくれないの?」

田中眞紀子「(虚な目)……ごめんなさい……お金無いの……」

俺「え?仕事で稼いだ金あるでしょ?少しで良いんだ。」

田中眞紀子「(虚な目)ご、ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……(震える)」

俺「は?謝って欲しい訳じゃないんだけど?三万でいいよ。」

田中眞紀子「(虚な目)……本当に……本当に……本当に……本当に……本当に……本当に……本当に……本当に……本当に……本当に……本当に……本当に……本当に……本当に……本当に……本当に……本当に……」

俺「何言ってんだよッ!!早く金出せやッ!!(殴る)」

田中眞紀子「(殴られて血を流しながら)す、すいません……すいません……(虚な目)」

俺「ああ、ごめんね。酷い事しちゃったね?お金欲しいだけなんだよ。一万円でいいんだよ。」

田中眞紀子「(虚な目)いや……」

俺「あ?」

田中眞紀子「(虚な目)いや……いや……いや……いや……いや……いや……いや……いや……いや……いや……いや……」

俺「………はぁ~~。もういいわ。お前いらねえわ。そんなクスリ買う金が惜しいのか?クソブスのヤク中がよ。」

そして新たな恋人(ダーリン)は田中眞紀子の元を去った。

眞紀子は再び一人ぼっちになった。

風俗嬢となり身体を売る日々。クスリを飲んで幻覚を見る毎日。そんな生活に耐えられるはずがなかった。

そしてとうとう彼女は家の中で死んでいる所を大家に発見されるのであった。死因はクスリの飲み過ぎによるショック死だった。

田中眞紀子「ねえ、アタシの人生ってなんだったんだろう?」

俺「まあこれはこれで良かったんじゃないか?少なくともクスリ飲んでる時は幸せだったろ?」

田中眞紀子「そうだね。幸せだった」

俺「今まで有難う。どうか、安らかに。」

田中眞紀子「ダーリンと会えて良かった。アタシの彼氏になってくれてありがとう」

俺「じゃあ、最後に一言。」

田中眞紀子「大好きだよ。ダーリン」

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トナカイ太郎Z

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