春
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
美しく、息苦しい日々
本文
私は四月が嫌いだ。
物事が大きく変化するからである。
人間や生活のすべてが、まるで別のものに生まれ変わるように変化していく。
普遍を求める身には、それがどうにも落ち着かない。
だが存外、世界はそうでもないらしい。
桜は一斉に咲き、人はそれを当然のように眺めている。
まるで変わることの方が、初めから決まっているかのように。
その輪の中に、私はいない。
乗り遅れているというより、最初からそこへ入る気がないのだ。
ただ昨日と同じ今日を望んでいるだけなのに、それは少数であるらしい。
世界が変わっているのか、それとも自分が変わっているのか。
その区別は、いつの間にか曖昧になっている。
私は同じ場所に立ち続けている。
立ち続けているというより、動けないままそこにいると言った方が正しいのかもしれない。
私は私が嫌いである。
作品統計
👁️ 閲覧数: 20
👍 いいね: 0
📚 本棚登録: 0
📚 本を探すなら「よみどき」(あいぺんが運営する本の発見サイト)
130万冊を超えるコミック・小説・書籍の順位と値段を毎日みて、いま読むものを決められます。