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その後の異世顛末記~勢雄と杉田~

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/4/26 📚 シリーズ: 當世流行異世顛末生 📝 1,358文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

佐東仁美、五十歳。 いい歳のばばあ───仕事も家庭も、もうやり直せないと思っていた。 そんなある日。 目を覚ますと、見知らぬ、だけど“自分にひどく優しすぎる”場所にいた。 その優しさの奥に、ゆるやかに絡み合う別の景色── 剣も魔法も陰謀もない異世界。 静かな日常と、人との縁がすべてを動かす物語です。 恋愛もありますが、騒がしい恋ではありません。 多層的な視点で描く、 少し変わった異世界「恋愛」顛末譚。

本文

──夜の帳が下りた街。

窓の外には、虫の点す灯りにも似た火が、辺りに漂っている。

その静寂に放たれた矢のような鋭い嘶き。

心臓の鼓動が胸の奥で低く響いた。

一歩、また一歩と未知の足音が近づいてくる。

そこに現れたのは、黒銀の髪を肩に揺らす男。

黒曜の石に彩られた装飾を襟にまとい、

緑の瞳をいたずらっぽく光らせている。

「……ここまで辿り着くとは、驚いたよ」

彼は名乗りを省き、ただゆらゆらと微笑んだ。

「ああ、自己紹介はいらない。君のことは全部知っている」

その瞬間、静かなピアノの旋律が、

壮大なオーケストラへと変調し空気を揺さぶった。

視界いっぱいに広がる白光の中、

六つの影が並び立つ。

サファイア

メノウ

シトリン

アメジスト

ガーネット

エメラルド

様々な装飾品に形を変え、

私の手に収まる。

その中心に、あり得ない存在感を纏う

――黒曜石の化身、クリストファー。

「彼ら全員と紡ぐ物語の先に、まだ見ぬ真実が待っている」

やわらかで、印象的な低い声が告げる。

そして目の前には、

淡く輝く《選ばれし者の証》が浮かび上がった。

・すべての顛末を受け止め、なお歩む者

・時の環に落ちた“欠片”を拾い集めし者

・語られぬ記憶に触れ、忘却の門を開きし者

「……さあ、行こうか。君の望む未来へ」

緑の瞳が真っ直ぐに射抜く。

白光が扉のように開き、

その先に新たな世界が広がっていた。

─────

「……さあ、行こうか。君の望む未来へ」

「どわあっ!びっくりした!耳元は卑怯です!」

「…お嬢ちゃん、ホントに好きな?それ」

「だって、勢雄さんですよ?!好きですよ!」

「……ま、いっか」

「で、勢雄さんはまた一人で寂しく談話室ですか」

「…お嬢ちゃんもだろ?」

「あたしにはクリス様がいます!」

「そ、そうか。じゃあ心配ないか。退院が決まったよ」

「…あ、そ、そうなんですね。これで、お仕事バリバリ出来ますね!何から始めるんですか?アニメ?ゲーム?それともお芝居?テレビとか?映画とか?あ、ハリウッドとか?」

「……泣きながら言ってんじゃねーよ…」

◆◇◆◇◆

 祝福の、鐘が鳴る。

 祝福の、花が舞う。

 祝福の、鳥が飛ぶ。

 祝福の…、

 …祝福の…、

───祝福…。

「なんて顔してんだ」

 「別に、何でもないですよ」

 「折角の晴れの日だって云うのに、仏頂面はよせ」

 「泣くの堪えてるだけです。お化粧剥げちゃう」

 「泣きたいのか?」

 「ダメですか?」

 「いや、別に」

いつもの軽口。

いつもの笑顔。

そう、いつもの。

今日は、私の結婚式だ。

幸せ、だ。

 「じゃあ、後でな」

そう言って、扉を出ていく勢雄さん。

思えば、長い付き合いになったな。

あれから───

 退院したら、直ぐに夏休みになって。

 遅れた勉強を取り戻すのは、至難の業だった。

 夏休みは補修で終わった。

 でも、それからは高校生活はそれなりに楽しくて。

 あっという間に大学に行って。

 勢雄さんの舞台やら観に行って。

 ゲーム屋さんの伝手で、入社して。

 時々、勢雄さんと仕事して。

 ご飯行って。

そっか…十年か…

「それにしても、芸能人と知り合いなんて、びっくりしたよ」

私の隣で、微笑む彼。

「スゴいでしょ?」

無理矢理、微笑む私。

────初恋は、厳重に蓋をして、

でも、キレイなリボンを掛けて、

胸の奥に仕舞っておこう。

そう決めたのに、笑うんじゃねえよ。

挫けそうになるじゃん。

……ばーか。

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作者について

有城 砂生

有城 砂生

理であそび 律にあやつる せつなゆたう はざま ワタシはログ。 律であそび 理をあやつる

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