第9章 減っていくの表紙画像

第9章 減っていく

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/5/7 📚 シリーズ: 首都、出雲に移転します 📝 986文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

突如発表された「首都機能の出雲移転」。 日本中が混乱する中、それは遠いニュースのはずだった——地方の小さな町に暮らす遥にとっては。 しかし、カフェで働く日常の中に、少しずつ“変化”が入り込む。 移転関係者が現れ、人が動き出し、町の空気が変わっていく。 「選べる」という言葉に揺さぶられながらも、遥はまだ決断できずにいた。 やがて、周囲の人々が次々と出雲へ向かい、ついには店の店主・真琴までもが何も告げず去る。 残された遥は、初めて自分の意思で「行く」ことを選ぶ。 出雲で待っていたのは、“何もない場所”と、過酷な現実。 未完成の国家プロジェクトの最前線で、遥は肉体を削りながら現場に立つことになる。 そこで出会ったのは、過去の災害によってすべてを失い、「形に残すこと」に執着する現場責任者・真白。 彼女の背中に導かれるように、遥は“作る側”へと変わっていく。 しかしある日、現場事故が発生。 真白は他人を救い、その代わりに命を落とす。 悲劇の直後、それでも現場は止まらない。 「止めればすべてが止まる」という現実の中で、遥は問いを突きつけられる——逃げるのか、続けるのか。 そして遥は、再び立ち上がる。 真白の意志を引き継ぎ、自らが現場を回す側へと変わっていく。 一方その頃、東京でも静かに人材流出が進み、国家の重心そのものが移り始めていた。 これは、国家の転換点の物語であると同時に、 「選ばなかった人生」から「自分で選ぶ人生」へと踏み出す、一人の人間の物語である。

本文

※本作はAI生成を含みます。

変化は、静かに始まる。気づいた時には、もう進んでいる。

カフェ《灯》。昼過ぎ。いつもの時間。少し違う。

客が少ない。「……あれ?」遥が呟く。昨日より、明らかに少ない。たまたまかもしれない——そう思う。違和感は残る。

夕方。さらに少ない。常連の顔が、いくつかない。「今日、静かですね」遥が言う。真琴は少しだけ考える。「そうだね」気づいている。同じ違和感。

「なんか、減ってません?」遥が続ける。真琴はすぐには答えない。コーヒーを淹れながら、少しだけ考える。「減ってるかもね」はっきりとは言わない。否定もしない。その曖昧さが、逆に現実的だった。

翌日。同じ時間。やはり少ない。もう、偶然ではない。「……行ってるんですかね」遥が言う。どこへかは、言わなくても分かる。真琴は小さく頷く。「かもしれないね」——止めようのない流れ。

外。通りを見る。人はいる。見慣れた顔が減って、見慣れない顔が増えている。入れ替わっている。静かに。着実に。

午後。常連の一人が来る。久しぶりの顔に、少しだけ安心する。「こんにちは」遥が言う。男は少し疲れた顔で座る。「どうも」いつもの調子ではない。

「最近、来てなかったですね」遥が言う。男は少しだけ笑う。「バレるか。行ってきたよ」

遥は、すぐに理解する。「出雲ですか」男は頷く。「見てきた」

「どうでした?」

「何もなかった。人はいた。動いてた」

「……じゃあ」遥が言いかける。男は先に言う。「行くか迷ってる」正直だった。まだ決めていない。完全に外ではない。中に入りかけている。

「みんなそんな感じですよね」遥が言う。男は頷く。「そうだな。でもな——」声を落とす。「迷ってるうちに、席なくなる気がする」

その言葉。空気が変わる。席——限りあるもの。

「早い者勝ちってことですか」遥が言う。男は少しだけ笑う。「そんな感じだな。後からでも行けると思うけど——いい場所は、もう埋まる」

現実的な話。夢ではない。競争。それも始まっている。

遥は何も言えない。頭の中で、何かが変わる。〝いつか〟ではない。〝今〟の話になる。選ばないことも、選択になる。そして、その結果が出る。

男は立ち上がる。「また来るよ」扉が閉まる。——チリン

減っていく——人が。席が。時間が。すべてが、少しずつ。

「……どうする」声に出た。もう、考えるだけでは足りない。決める必要がある。近いうちに。

ジャンル・タグ

, , , , , , , ,

作品統計

👁️ 閲覧数: 1 👍 いいね: 0 📚 本棚登録: 0

作者について

sola

sola

地方を題材とした社会派ストーリーテラー

👥 フォロワー: 1人

作者ページを見る