ブリーフ一丁で走る露出狂の男が、警察に捕まりそうになったら異世界に飛ばされて透明人間になる

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/6/7 📝 2,096文字 ✅ 全年齢

あらすじ

<p>その男の名は田島健吾、三十二歳。</p><p> 世間から見れば、ごく普通の会社員だった。平日は営業職として働き、休日はコンビニで新作スイーツを買って帰る。だが彼には、誰にも言えない奇妙な趣味があった。</p><p> 走ることだ。</p>

本文

その男の名は田島健吾、三十二歳。

 世間から見れば、ごく普通の会社員だった。平日は営業職として働き、休日はコンビニで新作スイーツを買って帰る。だが彼には、誰にも言えない奇妙な趣味があった。

 走ることだ。

 ただし、ブリーフ一丁で。

 白いブリーフだけを身につけ、夜明け前の人気のない河川敷を全力疾走する。それが彼にとって、何ものにも代えがたい解放感だった。

「風だ……俺は風になる!」

 その日も健吾は叫びながら走っていた。

 しかし運が悪かった。

 河川敷で早朝パトロールをしていた警察官二人に見つかってしまったのだ。

「そこの人! 止まりなさい!」

「服を着なさい!」

 健吾は顔を青くした。

「まずい!」

 全力で逃げる。

 だが相手も本気だった。

 無線が飛び交い、前方からも警官が現れる。

「包囲されてる!」

 橋の下に追い込まれた健吾は絶望した。

 人生終わった。

 会社もクビかもしれない。

 親になんて説明すればいい。

 そんなことを考えた瞬間だった。

 空が紫色に裂けた。

 まるで巨大な目が開くように、空間そのものがひび割れる。

「え?」

 警官たちも固まった。

 次の瞬間、裂け目から眩い光が降り注ぎ、健吾の身体を包み込んだ。

「うわああああ!」

 世界が回転した。

 そして――。

 気がつくと、彼は草原に倒れていた。

「ここ……どこだ?」

 見渡す限りの大平原。

 遠くには巨大な城壁都市。

 空には二つの月。

「夢か?」

 頬をつねる。

 痛い。

 夢ではない。

 そのとき、耳元で声がした。

『異世界アストラルへようこそ』

「誰だ!?」

『あなたは召喚事故に巻き込まれました』

 姿は見えない。

 声だけが響く。

『補償として特殊能力を授けます』

「特殊能力?」

『透明化能力です』

「おお!」

 健吾は思わず喜んだ。

 だが次の瞬間、自分の腕が消えた。

「え?」

 胸も消えた。

 足も消えた。

 ブリーフだけがぽつんと浮いている。

「ちょっと待て!」

『完全透明化です』

「解除は!?」

『ありません』

「ないの!?」

 声はそこで途切れた。

 健吾は草原でしばらく叫んだ。

 しかし何も起こらない。

 どうやら本当に透明人間になってしまったらしい。

 しかも服を着ても、服ごと透明になる。

 便利なのか不便なのか分からない。

 数日後。

 健吾は能力を活用し始めた。

 魔物に見つからない。

 盗賊にも襲われない。

 城門の検問も素通り。

 透明人間は思った以上に強かった。

 だが問題もあった。

「誰も俺を信用しない……」

 声だけが聞こえる男。

 怪しすぎる。

 宿屋へ行っても追い出される。

 市場で買い物をしても悲鳴を上げられる。

 透明であることは孤独だった。

 そんなある日。

 健吾は森で魔物に襲われている少女を見つけた。

 巨大な狼型の魔物だった。

「助けて!」

 少女が叫ぶ。

 健吾は考えるより先に飛び出した。

「おりゃあ!」

 透明な拳が魔物の鼻を殴る。

 魔物は驚いて後退した。

 見えない敵に混乱している。

「こっちだ!」

 健吾は石を投げ、木を揺らし、魔物を翻弄した。

 やがて狼は恐怖に耐えられなくなり、森の奥へ逃げていった。

 少女は目を丸くした。

「あなた……誰?」

「ただの通りすがりだ」

「姿が見えないけど」

「いろいろ事情があってな」

 少女はしばらく黙った後、笑った。

「変な人」

 その笑顔を見て、健吾は久しぶりに胸が温かくなるのを感じた。

 少女の名はリリア。

 駆け出しの魔法使いだった。

 彼女は健吾を恐れなかった。

 毎日話しかけてきた。

 姿が見えなくても、そこにいると信じてくれた。

「健吾さんって元の世界では何してたの?」

「ブリーフ一丁で走ってた」

「意味が分からない」

「俺も今となってはそう思う」

 二人は笑った。

 それから数年。

 透明人間の冒険者として、健吾の名は知られるようになった。

 いや、正確には名前だけが知られた。

 誰も姿を見たことがない伝説の英雄。

 魔王軍の暗殺者を退け、竜の巣から王子を救い、数々の功績を立てた。

 そしてついに魔王との決戦の日が来た。

 魔王は巨大だった。

 山のような体躯を持つ怪物。

「人間どもめ!」

 だが健吾は笑った。

「残念だな」

「何?」

「俺が見えない」

 魔王は周囲を見回した。

 どこにもいない。

 その瞬間。

 見えない拳が魔王の顎を打ち抜いた。

 続いて腹。

 膝。

 首。

 透明な連撃が嵐のように降り注ぐ。

「どこだあああ!」

 魔王は最後まで健吾を見つけられなかった。

 そして倒れた。

 世界は救われた。

 祝賀会が開かれた。

 人々は英雄を称えた。

 しかし姿は見えない。

 王が言った。

「ぜひ英雄殿のお姿を」

 健吾は苦笑した。

「それは無理です」

 会場が笑いに包まれる。

 そのときリリアが隣に立った。

 誰も見えない場所へ向かって、そっと手を伸ばす。

 健吾も手を差し出した。

 透明な手と、少女の手が触れる。

「帰りたい?」

 リリアが聞いた。

 健吾は少し考えた。

 警察に追われていた朝。

 あの情けない自分。

 孤独だった日々。

 そして今。

「いや」

 彼は静かに答えた。

「ここも悪くない」

 姿は見えない。

 けれど確かに存在している。

 かつてブリーフ一丁で走っていた男は、異世界で透明な英雄となったのだった

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作者について

秋山優一

秋山優一

破滅派というウエーブ文芸で小説を書いている者です。 ここではaiを利用してただ自分の卑猥なアイデアを垂れ流しにして、ai に小説を書いてもらうことにします。 とにかくaiに作文頑張って貰って自分...

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