初めてつくってみた!w

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/6/13 📚 シリーズ: 初めてつくってみた!w 📝 2,572文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

第1話:午前零時の亡霊 【本話の登場人物】 汐(主演)、結衣(ゲスト/回想)、なぬりん(伏線)、あざみん(伏線)

本文

第1話:午前零時の亡霊

【本話の登場人物】

汐(主演)、結衣(ゲスト/回想)、なぬりん(伏線)、あざみん(伏線)

深夜のコンビニ。

レジ横の肉まんの匂いが、やけに胃を刺激する。

いつも同じ銘柄の缶コーヒーと、安くなった幕の内弁当を買う。店員に顔を覚えられたくなくて、わざと毎日少しずつ時間をずらしている。

だけど結局、いつもあの無愛想な金髪のアルバイトと目が合う。彼もきっと「またこの地味な女か」と思っているに違いない。

「……はぁ」

ため息が白い息になって、冷たい夜の空気に溶けた。

スマホが震える。画面を見ると、会社の同期である結衣からのLINEだった。

『汐ちゃん、お疲れ! 今度こそ金曜の夜、飲みに行かない? 美味しい焼き鳥屋見つけたの!』

画面を見つめたまま、足が止まる。

結衣はいい子だ。仕事もできるし、気配りも完璧。

でも、私は画面をそっとスワイプして、通知を消した。

誰かと関われば、いつか必ず失う。

その痛みを、私は5年前に嫌というほど味わったから。

ワンルームの自室は、暖房を点けていないせいで外より寒く感じた。

テーブルの上に弁当を放り投げる。コートも脱がず、ベッドの横に置かれた古いノートパソコンに手を伸ばした。

電源ボタンを押す。

ファンが苦しそうに唸り声を上げた。もう何年も使っていない、大学時代のお下がり。今の仕事で使っている最新のスペックに比べたら、化石みたいな代物だ。

今日は、2025年10月10日。

私が中学生の時、あのチャットルームを作ってからちょうど10年。

そして、あざみんさんが消えてから、5年目の日。

ブラウザを立ち上げ、ブックマークの奥底に眠っているURLをクリックする。

画面が切り替わる。真っ黒な背景に、簡素な白い文字。

「初めてつくってみた!w」

当時の自分がつけた、あまりにも痛々しいタイトル。

右端の「オンライン」リストには、私の名前だけが表示されている。

当たり前だ。

5年前のあの日から、ここは誰も訪れないデジタルの墓場なのだから。

キーボードに指を置く。

打つ言葉なんてない。ただ、ここに自分がいたという痕跡を確かめたいだけ。

『汐:……誰もいないよね。うん、知ってた』

画面に自分の文字が表示される。

10周年。誰も覚えていない。誰も祝わない。

『汐:ごめんなさい、あざみんさん。私がこんな場所を作らなければ』

あざみんさんは、私たちの「保護者」だった。

顔も本名も知らない。ただのネットの繋がり。それでも、親や学校の先生よりも、ずっと私たちのことを見てくれていた。

5年前の今日。彼が最後に残した言葉。

『俺を殺した犯人が、この中にいる。逃げられると思うなよ』

そのログを最後に、彼の接続は途絶えた。

警察にも行った。でも、ネットのハンドルネームしか知らない中学生の言葉なんて、誰もまともに聞いてくれなかった。

チャットルームは疑心暗鬼に包まれ、來夢とは大喧嘩になり、他のメンバーも次々と姿を消した。

私が作った居場所は、私の手で崩壊した。

――ピロン♪

静まり返った部屋に、間の抜けた電子音が響いた。

心臓が跳ね上がる。

ブラウザのタブが点滅している。

オンラインリストの数字が「2」に変わっていた。

『なぬりん:そんなに自分を責めないでよ』

画面に表示された名前に、息を呑む。

なぬりん。

チャット開設の数日後にふらりと現れた、素性不明のメンバー。

事件の後、一番最初に姿を消したはずなのに。

『汐:えっ!? なぬりん? どうして……まだログインできたの?』

指が震える。タイプミスを直す余裕すらない。

『なぬりん:10周年おめでとう、汐。ずっと待ってたんだよ』

『汐:待ってたって、何を? みんなは? 來夢やりーは元気なの?』

『なぬりん:さあね。でも、今日なら「彼」も来れるから』

『汐:彼?』

全身の毛穴が開くような悪寒がした。

次の瞬間、チャットの入室ログが赤文字で画面に割り込んでくる。

【SYSTEM WARNING: UNAUTHORIZED USER DETECTED】

見たことのない警告文。私が組んだプログラムに、こんな機能はない。

リストの数字が「3」になる。

『あざみん:見つけた』

呼吸が止まった。

あざみん。

凍結されたはずのアカウント。パスワードを知っているのは、5年前に消えた彼だけだ。

『汐:……誰? 悪ふざけならやめて! 彼はもういないのに!』

『あざみん:いない? 俺はここにいるよ。ずっとこの暗闇の中にいた』

文字が、異常な速度で流れていく。

『あざみん:汐ちゃん。大きくなったね。今の会社、結構ブラックらしいじゃないか』

どうして知っている。

私の今の生活を。誰も知らないはずの現在を。

『あざみん:約束通り、デバッグ(修正)の時間だ。世界のね』

ディスプレイから、ありえないほどの強い光が溢れ出した。

「えっ……!?」

手で顔を覆う。光は収まらない。それどころか、部屋の景色が歪み始めた。

壁のポスターが波打ち、弁当の容器がノイズのようにブレて消える。

耳鳴り。激しいめまい。

重力がなくなり、真っ逆さまに落ちていく感覚。

『あざみん:行ってこい。俺たちが、まだ生きていたあの頃へ』

声が聞こえた。

チャットの文字ではなく、直接脳内に響くような、懐かしい男の人の声。

意識が、真っ白に塗りつぶされる。

――……。

「……よし、アップロード完了!」

自分の声でハッとして目を開けた。

手には、少し分厚いマウス。

目の前には、分厚いベゼルの古い液晶モニター。

「え?」

窓の外は明るい。土曜日の昼下がり。

壁には、中学生の頃にハマっていたアニメのポスター。

エアコンの効いていない、少し蒸し暑い実家の自室。

私は、自分の手を見た。

小さくて、マニキュアも塗っていない、子どもの手。

カレンダーには、赤いペンで丸がつけられている。

『2015年10月10日』

「戻って、きた……?」

24歳の記憶を持ったまま、私は14歳のあの日に立っていた。

モニターの中では、たった今私が立ち上げたばかりの、真新しいチャットルームが動いている。

『あざみん:お、一番乗り。はじめまして、管理人さん』

画面の向こうから、彼が話しかけてくる。

すべてが始まった、最初の言葉。

涙が溢れて、キーボードに落ちた。

これは夢だ。悪趣味な幻覚だ。

でも、もし本当にやり直せるなら。

あざみんさんが消える運命を、この手で変えられるなら。

私は震える指で、最初の返信を打ち込んだ。

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爆裂疲れてる

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