14話
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
ポンコツ社畜アラフォー女子♪日常こそネタ祭り! - 14話
本文
「こんにちは。長月さん。その後如何ですか?」
「はい。最初こそ自分の体調を理解出来ず無理を重ねて寝込んだりしましたが、今は少しずつ自分の行いと向き合うことが出来てきていると思います」
空が此処に通うようになってから一ヶ月が経っていた。
「本当一時は郵送頂いている封筒や会社の人に似た方を見ただけで、えずいたりもしましたが。それも無くなってきた今は回復してきたのかなと」
「そうですか。では次はもう少し行動を広げてみましょう。生活リズムや体調は安定している、よろしいですね?」
「はい。しようとした事はとても大きいですが、それを考えれば自分にしては良く此処まで来られたなと」
「そうですね。頑張りを認められるようになった事も前進ですよ、長月さん。これからはより復職を意識した生活に整えていきましょう」
「はい。今までは割と自由にさせてもらってましたが次は何を?」
「空さんは起床時間、就寝時間等から判断しますと既に【第二段階 生活リズムの改善・建て直し】の段階に入っている様です。行動内容を次の段階へ進めます。具体的には活動内容をより復職に向け~~」
指示に従うなら次は、今やれている事そのままに環境を変える。図書館や公園等を利用し、人が居ても居なくても活動を維持出来るようになるのが目的だ。
そう。従うならば。
心理士としての資格も経験も豊富な前田は気づいたのだろうか。或いは其の上で敢えて見逃してくれたのか。
観客である皆様の中に、この予想は果たして有っただろうか。
空はずっと外に出ていない。
休職してからずっと、会社の人間に会う以外に一歩も出歩いていない。
「家事・掃除は母がやってくれていたので結構苦労しますね。本人にも伝えましたが、ありがたいです」
ははっと笑う空に家事の経験は一切合切無い。
只の暴露となるが懺悔でもある。
休職復職を繰り返すが、やたらと生真面目な空はその何れも復職訓練に真剣に取り組む事は無かった。
別にサボりが無意識化で行われて、空の記憶と異なるという訳では無い。
罪悪感を抱きながらも平気で嘘を重ねる。
息をするように嘘をつく、なんて言葉が有るが空の場合は
【吐く息に少しずつ違うを載せていく】様な感じだ。
未来の話を混ぜてしまい申し訳ないが、
・詐欺師に向いてる
・噺家かと思った
・先生と呼ばれる職に就いている?
等の言葉をもらう事になるその技は何処で手に入れたのだろう。
他人大好き人間な空は悪事を考えもしないが、少しずつ載せられていく違和は毒となんら変わらない。
だって此れは遅効性の毒そのものとなるのだから。
そして発見や発現が遅れれば遅れる程、威力は絶大となるのが多くの摂理。
自分のポーカーフェイスが張りぼてではなく根幹や起源に近いモノだという真実に気づくまで要した六年と五ヶ月は当時弐拾八、弐拾九の空に対して猛毒に違いない。
因みに空が私たちと再会する迄の日数でもある。
空が弐拾弐歳の頃に椿、夏樹、秋葉、冬馬、タツハ、コトラ、鵺、そして”彼女達”と出逢い、その六年五ヶ月後に再会する。
酷な事を追記すると私達を知らぬ時期が穏やかで居られた唯一の孤独だったとも言える。
彼女空のポーカーフェイスの種明かし迄、掛かる話数は”彼女達神々”の気まぐれ次第。私夏樹は物語るのみ。
”彼女達神々”はいつも物語の続きをせがむのだ。
舞台のハプニングすらも”彼女達神々”は全て楽しんでいる。
この物語舞台は"彼女達観客"を満足させる事が出来るだろうか。
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