15話 目隠し鬼の表紙画像

15話 目隠し鬼

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/7/27 📚 シリーズ: 長月 空という人生について 📝 2,667文字 ✅ 全年齢

あらすじ

ポンコツ社畜アラフォー女子♪日常こそネタ祭り! - 15話 目隠し鬼

本文

(また夢を…)

 良く寝て、食べて良く寝てしかしなかった空は夢を良く視た。

 起きてからもしばらく覚えていて、繰り返し同じモノを見続ければ、睡眠学習や洗脳と変わらないし、実際に空はその通りだった。

 後に空は繰り返される休職の折、悲痛な言葉を残している。

【過去の私が私に追いつく前に、今の私を助けてください】

 この時の彼女の不安は如何程か、空にも計れないに違いない。

(今回は目隠し鬼か…悲しい話なのに、何故か惹かれる)

 目隠し鬼。

 小さい頃は氷鬼やドロケイの方ばかり流行ったから、やったのは数回程度かな。と夢を振り返る。

 視界は塞がれているが、恐怖は無い。

 迷いも、無い。

 周りで皆が待っている。

 呼ぶ声も聴こえる。笑い声だって。

 この私がその肌に触れるのを待ってくれている。

 躊躇いが有るとすれば、それは

【この私醜い存在が其れ等に触れることで汚すのでは、傷つけてしまうのでは無いか】という懸念だけ。

 勇気は皆がくれた。踏み出すまで後、少し。

 少しだけ大きめに息を吸った。声も取り込みたかったのかも。

 今度は息を止める、意を決する。もう、大丈夫。私は進める。

 全てを織り交ぜた息を吐き出しながら、目を覆っていた布を外す。

 少しの、間。

 理解が追い付かない。

 みんな、いない?

 さっき迄居た。声も聴こえてた。確かに直ぐ其処に居た。

 気配だって間違いようがない。

 トーマは相変わらず私をバカにしながらも、こっちへと呼んだ。

 秋葉だって普段声出すのも恥ずかしがるシャイなのに呼んだ。

 夏樹さんも、声はしなかったけど優しく微笑んで居た。

 私椿は彼らに向かって一歩踏み出せば良い。だけ、だったのに…

 何故、此処に、誰も居ないの?

 私は独り、だよ。

 そうだ!空、空!彼女は?

 ……

 空、も居ない、の?

 ねぇ皆!私は此処に居るよ?

 独りにしないで。

 あ、れ……?

 私いつもこうじゃ?。

 私が好きになったモノは皆、私から離れて行ってしまう。

 私が望んだモノはどうやっても絶対に叶わない。

 初めに

 あきら

 もうきっと会えない。

 フルネームも何処にいるかも分からないのに

 楽しかった日々と、逢いたい想いだけが募って苦しい。

 ほたる

 彼女は鏡合わせですら難しく、夢にも出ては来ない。

 全てに諦め、私に託した。故の傍観者であり一番の観客。

 冬馬

 彼は私の罪も何もかもを笑って受けて、吹き飛ばしてくれる。

 トーマ。何でこんな時に居てくれないの?

 空

 貴方は私達とは根本的に違う。私達全ての終着点がきっと、愛されキャラの電話応対№1。生まれは特殊でも名前はほたるから。

 そして。

 あの子

 貴女は私の全てだった。貴女が居れば何も恐れるモノなんて無く、是と言えば是。否と言えば私には否。歪な関係なのは互いに気づいていたけど…

 出会いから別れまで全て言えるのに、不思議だね。

 あんなに好きだったのに、あんなに一緒だったのに…

 別れを選んだのは私から。彼女は私なんて、そんなには。

 ほたるが表に出なくなったのは、私のせいで。

 生理の知識も共有できていると私が勘違いしたまま、ソレを彼女に体験させてしまった事。

 ごめんなさい。

 貴方は誰より自由に、誰より優しく、ずっと太陽のように周りを照らしていたハズだったのに。私がそれを奪った。

 親であり、友であり、かつての想い人でも有り、ライバルでもあって、疎ましいなんて感情は無いけど、一言で表すなら神様。

 ううん。多分人の想像を超えているから其の括りも多分誤り。

 貴方は、日向ぼっこしながら、夏樹さんの物語る空や私達の物語を夢見ているんだもんね。

 分かっている。けど、時折。

 時折どうしようもなく、貴方に甘えたいよ。

 貴方ならどう動くか考えるけど、理解るけど無理。

 きっと貴方が主人公なら、独りでも笑って進むのでしょう。

 独りでも、何が有ろうとも続けた先に、皆が待っているのを

 楽しみにして。

 独りに、しないで。もう、独りぼっちは

「いやだよ。か。どういうことなのかな。何となくは分かるけど。

多分、椿って子が独りになって、それが辛い、分かる。けど彼女から出てくる名前の殆どは知らない。

あきらくんは引っ越す前の家で良く遊んだ男の子。今も好き。

ほたる、は驚いた。私の名前じゃん。諦めて、託した?椿さんに?

ここで普通に暮らしているけど……

冬馬くん。そういう存在が居れば助かるけど、居たかも知んないけど冬馬の名前に聞き覚えは無いな。

 そして、一番引っかかるのが空。空って?愛されキャラも電話応対№1も会社で慕ってる先輩から私が言われた言葉そのまま。空?いやいや、ほたるですけど?名前はほたるから?

 んで、あの子っていうのは彼女だよね。小学校~21歳辺りまでずっと一緒だった私の大切な--駄目だこの先考えたら涙が。

 夢の最後は私ほたるへの呼びかけで終わる。

血が苦手、太陽の様で、日向ぼっこが大好きで何より自由。5歳くらいまでの私は確かにそんな感じだったかな。なんせ七五三にブーツ選ぶわ、可愛いと言われると服に腹が立ってその場で脱いで二度と着ないから、近所の人がカッコいいねって言ってくれるようになった位だし。嫌を嫌と言える子だったな。その後引っ越して、名前で虐められて、家では今も自分の事、ほたるっていうし、外では当然私。学生の時も確かこんな感じで、今もそのまま」

 名前を与えた?

 前に読んだ空の境界の式や織みたいな感じ?

 それともMADLAXのマドラックスやマーガレット?

 2重人格、解離性同一性障害。

 ははは、まさか。

 実際の症例として有るのは知っているし、私も少し何となくカッコイイと思って中2全開の頃は演じた事も有るけど。

 あくまで私の意志だし。

 椿さんね。会ってみたいとは思うけど所詮、夢の住人。

 私の何かが形になって夢に現れたんだろうけど、其れ以下でも以上でも無し。

 気になるから、今度久しぶりに解離性障害とか二重人格について調べてみよ〜

「おはよ〜母ちゃん。今日も良く寝たぁよ〜お目玉はいつも通り半熟のプルプルをよろ〜」

 そうして、自身をほたると勘違いした空の人生は終わりの後、始まりを迎える。

名は【空】

意は【今は空っぽ。自身を保ちつつ全て受け入れられる様に。

   やがて大空へ羽ばたけるような大きな存在に成りなさい】

とわたしが名を与えたのがその暫くした後の11月。即ち霜月。

そう。この物語の今の主人公は、

長月 空でも

神無月 椿でも

師走 冬馬でも

無い。

【霜月 空】なのである!

長月 空の名は長月が誕生月のわたしが彼女に願った名なのだ。

今は霜月も長月もましてや空の名前すら知らない。

知らないわたしを識るその時、空は一度消える。

そして彼女は帰ってきた。故に名を望んだ。

だから彼女は、この物語のラストは【長月 空】

 その時が来る迄、後、僅か。

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作者について

長月 空

長月 空

ポンコツ社畜です。不登校、休職&復職、精神障害を複数経験している「自称:ハードモード人生を縛りプレイで楽しむ狂人(笑)」。人としても作曲家としても敬愛してるのは梶浦由記さん

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