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誘う

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/7/26 📚 シリーズ: イケメンにも恋の病は必要だよね! 📝 2,019文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

大学2年生の橘ひなたは、ごく普通の女子大生。ある日、学校一のイケメンと噂される林武蓮と同じゼミになったことで、自然と彼を意識するようになる。 しかし蓮は恋愛に全く興味がなく、女の子から告白されても断り続けるクールな男。ひなたが話しかけても素っ気ない態度ばかり。 それでも一緒にいる時間が増えるうちに、ひなたは彼の不器用な優しさに少しずつ惹かれていく。 恋愛に無関心なイケメンが、初めて「恋の病」にかかるまでのドキドキラブコメ!

本文

三月に入った頃、さくらがひなたに旅館の話を持ちかけてきた。

「ねえ、春休みに温泉行かない?ちょっと調べてたら、いい感じの旅館見つけて」

スマートフォンを見せてもらうと、山の中にある小さな旅館だった。露天風呂があって、料理が美味しそうで、値段もそこまで高くない。写真を見ているだけで、ゆったりとした気分になった。

「いいじゃん、行こう行こう」

「でしょ?春休みの中頃はどう?」

「平気。バイトのシフト調整すればいけると思う」

二人で日程を決めかけていたところで、さくらのスマートフォンが鳴った。画面を見たさくらが、少し困った顔をした。

「あ、お母さんから。ちょっと待って」

さくらが電話に出て、廊下に出ていった。しばらくして戻ってきた顔が、申し訳なさそうだった。

「ひなた、ごめん。その日、おばあちゃんたちが帰ってくるって。忘れてた」

「あ、そっか。仕方ないね」

「せっかく決めたのに。ひなただけでも行ってきなよ、予約キャンセル料かかるから」

「一人で旅館はさすがに寂しいよ」

「誰か他に誘えば?」

さくらがにやりとした。その顔に、ひなたはすぐに察した。

「……さくら、今絶対何か考えてるでしょ」

「考えてないよ。ただ、誘える人いるんじゃないかなって」

「誰を」

「さあ、誰だろうね」

ひなたはため息をついた。さくらの言いたいことはわかっていた。わかっていたけれど、林武を旅館に誘う、というのはさすがにハードルが高かった。

「旅館だよ?泊まりだよ?」

「だから何」

「さすがに誘いにくいんだけど」

「クリスマスに家に呼んで、家まで送って、コンビニ行って、マンションまでついてったのに?」

「それとこれとは話が違う」

「どう違うの」

ひなたは答えられなかった。確かに、振り返ってみれば色々とハードルを越えてきた気がする。でも、旅館はまた別の話だ。

「……でも、あの後も心配してて」

「林くんのこと?」

「うん。お母さんと会ってから、なんか気になってて。春休みに実家帰るって言ってたし、息抜きになるかなって」

さくらが少し表情を和らげた。

「それ、ひなたらしいね」

「どういう意味」

「好きな人を心配してる、ってちゃんと言えばいいのに、息抜きって言葉でくるむところ」

ひなたは黙った。図星だった。林武のお母さんと会った日から、ずっと気になっていた。あの固い表情。春休みに帰るという言葉。実家に帰ったら、また同じような空気の中に戻るのかと思うと、なんとなく心配だった。

だから、その前に少し気分転換になればいいと思っていた。それは本当のことだった。

「……誘ってみようかな」

「うん、誘いなよ」

「断られたら?」

「その時はその時」

さくらがあっさりと言った。ひなたは深呼吸をして、スマートフォンを取り出した。

林武とのトーク画面を開いて、しばらく画面を見つめた。どう切り出すか。また例によって、あれこれ考え始めそうだったので、ひなたは思い切って打ち込んだ。

『春休みに温泉旅館行かない?さくらが行けなくなって、一緒に行ける人探してて』

さくらが行けなくなった、というのは本当のことだ。嘘はついていない。送信してから、ひなたはスマートフォンをテーブルに置いた。

「送った」

「はやっ」

「考えてたら送れなくなるから」

さくらが笑った。ひなたは落ち着かない気持ちで、画面を眺めた。既読がついたのは、数分後だった。

返信まで、少し時間がかかった。

『……旅館』

『そう。温泉あって、料理美味しそうで。一泊なんだけど』

また少し間があった。

『……男女で泊まるのか』

『部屋は別々だよ。旅館だから』

『……そうか』

『嫌だったら断っていいよ。無理に誘ってるわけじゃないから』

しばらく既読のままだった。ひなたはソワソワしながら待った。さくらが隣でじっと画面を覗き込もうとしているので、「見ないで」と肘で押した。

「気になるんだもん」

「うるさい」

そのとき、返信が来た。

『……わかった。行く』

ひなたは思わず声が出そうになって、口を押さえた。さくらがすかさず画面を覗き込んだ。

「来た!行くって!」

「見てたじゃん」

「だって気になるんだもん。よかったじゃん、ひなた」

「……うん」

ひなたは小さく笑いながら、返信を打った。

『ありがとう。日程とか詳しくはまた連絡する』

『……ああ』

スマートフォンを置いて、ひなたはため息をついた。嬉しいのか緊張しているのか、自分でもよくわからなかった。

「ひなた、顔赤いよ」とさくらが笑った。

「うるさい」

「旅館かあ。いいなあ」

「さくらが行けなくなったんでしょ」

「それはそうだけど。でも、ひなたと林くんの二人旅行、なんかいいじゃん」

「旅行って言わないでよ、息抜きだから」

「はいはい、息抜きね」

さくらがにやにやしながら言った。ひなたは視線を逸らして、旅館の写真をもう一度眺めた。

露天風呂。山の景色。静かな夜。

林武が少しでも気分転換できたらいい。それが一番の理由だ。それ以外の理由は、今は考えないことにした。

考え始めたら、緊張して眠れなくなりそうだったから。

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作者について

たかの岳

毎日1話投稿! AI連載作品をたくさん出したいなと思います!

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