果ての竜の物語
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あらすじ
最強の竜と美しきエルフの壮絶なる冒険の物語。
本文
果ての竜の物語
アレイク「(結婚式を迎えようとしたリリアを攫い、自分の巣へと連れて来た。アレイクは美しい人型の青年の姿から黒い巨大な竜の姿になり)愛している。結婚してくれ。」
リリア「うーん、駄目♡…でも、私あの人と結婚したくなかったし、姫って言う立場にも飽き飽きしていたから私の願いを叶えてくれるなら考えてあげてもいいわ?」
アレイク「リリアの願いとは何だ?(人型に戻りながら)私はリリアの為なら何でもしよう。だから言ってごらん(優しく微笑みながら)私は何をすればいい?愛しい君よ……さあ、私と結婚してくれ。永遠に愛し合おうじゃないか。幸せにしてあげよう」
リリア「私と一緒に冒険をして、私が認める最高の宝を手に入れたら結婚してあげるわ!だから、私はこれから冒険するの。貴方もついて来て。」
アレイク「ああ、いいとも。一緒に冒険をしよう。君とならどんな困難でも乗り越えられる気がするよ。さあ、行こう。二人で幸せになろう。(リリアの手を取り)愛しているよ。リリア……私の宝……(キスをすると)さあ、行こう!私たちの世界へ!!」
そしてリリアはアレイクの背中に乗って冒険を始める。
リリア「まずはこのウェディングドレスを何とかしたいわね。装備を整えなきゃ。アレイク、貴方お金は持ってる?」
アレイク「もちろん。リリアの為ならば何でも揃えてみせるよ。さあ、行こう!冒険に出発だ!!(二人は手を取り合い歩き始めます)私達の冒険が始まるのだ!!(嬉しそうな表情をしています)リリアが幸せになれますように……私が幸せにしてあげるからね……愛しているよ……私の宝……」
リリア「ええ、そうね?私達の冒険が始まるわ?(そう言いつつとある王国領の街へと向かい、アレイクの金で装備を整える。)一応私も魔法なら使えるから、サポートくらいはするわ。まあ、貴方一人で何とかなるかも知れないけど。(服装を整えつつ長いプラチナブロンドの髪をなびかせ)ねえ、髪が邪魔だから切りたいけど、やっぱりロングヘアの方が好き?」
アレイク「いや、リリアはどんな姿でも綺麗だよ。私はリリアが何をしようとも愛しているからね。さあ、準備が出来たら早速出発しよう。(街の外へ出ると大きなドラゴンへと変身し)さあ、行こう!新たな冒険へ!私達は無敵だ!!」
リリア「うふふ、有難う。(髪を切りセミロングにして髪を団子にして纏めてからアレイクの背中に乗り街の外へと。)ギルドで山のドラゴンを倒せって言う依頼を受けたから、倒して頂戴ね。…ほら、あそこ。(指を差す先には山のドラゴンがおり火を吹いて暴れている。)」
アレイク「承知した。(山のドラゴンを退治し)リリア!見ておくれ!倒したよ!!さあ、次はどこへ行くんだい?私はリリアの為ならばどこへでもついて行くよ。さあ、行こう。私達は永遠に一緒なんだ……(嬉しそうな表情をしています)愛しているよ……私の宝……。」
リリア「ふふ、ご苦労様。(愛してるとはこちらは言わずに微笑みで返し、ギルドへ向かいドラゴンの首を持って行き)報酬を頂戴!」
リリアは多額の報酬を貰うとその大金でアレイクが寝ている隙を突いて王族のパーティへと向かった。
着飾ったリリアは美しく、周囲の人々を釘付けにすると王子エリウスに見初められる。
エリウス「ああ、リリア。私と結婚してくださいませんか?貴女のことをお慕い申し上げているのです。(跪きプロポーズをしています)どうか、私の妻になって欲しい……(不安そうに)駄目でしょうか……?私にチャンスを与えてくれませんか?私は貴女に釣り合う素敵な夫になると約束しましょう。……愛していますよ……」
リリア「まあ、田舎の森のエルフに……本当に私で良いのですか…?その気持ちが本気なら、明日の夜に廃城の森の奥でお待ちしています。必ず来てくれると約束してくれますか?」
エリウス「勿論です。愛しい人……(リリアの手の甲にキスをし)必ずお伺いします。私の愛をお受け取りください……(立ち上がると去っていく)私は本気ですよ。リリア、貴女を愛していますから……ふふ、楽しみですね。どんな贈り物を用意しましょうかね?ふふ、ふふふふ……!あはははは!!」
そしてその次の日の夜…。
リリアは廃城の森の奥で妖しい笑みを浮かべ佇んでいた。
リリア「エリウス様、来てくださったのですね…。」
エリウス「約束通り来ましたよ……リリア。さあ、始めましょう……。私は貴女との愛の証が欲しいのです……(リリアを抱き締め)もう我慢出来ません……!さあ、私と愛し合いましょう!!愛しています!!私のものになりなさい……!(興奮した様子でキスしようとするが)」
リリア「きゃああああああああああ!!!!!!!助けてえぇぇぇっっ!!!!!!!アレイクッ!!!私を助けて!!!この男が私を、襲おうとしているの!!!!!!」
アレイク「リリアっ!!貴様っ!!俺の宝に何をするっ!!許さんぞっっ!!(アレイクが巨大化しながら現れ、エリウスに向かって口から炎を吐き出すと)燃え尽きてしまええぇぇっっーーっ!!(炎が直撃し、エリウスの体は燃え盛り灰となった。)くそっ!」
エリウス「ぎゃああああ!!熱いっ!!焼けるううぅぅっっーーっ!!リリア!(叫びながら灰となり消えていった。)リリア……リリアァッッ……!(嘆き悲しんでいますが、その姿は既に消えていて何も残っていませんでした)」
リリア「アレイクっ!(アレイクに抱き付き)この国の人達は私を無理矢理エリウス王子に嫁がせようとしたのっ…!ねえ、アレイク!私耐えられない…!この国を、滅ぼして…?(涙目で。)」
アレイク「ああ、リリア……。(悲しい顔をしてリリアにキスをすると)分かったよ。俺がこの国を滅ぼそう。そうすればもうこんな悲劇は起こらないだろうからね。さあ、行こう!俺達の世界へ……!愛しているよ、俺の宝……!!(二人揃って国を破壊する為に飛び立ちます)」
そしてアレイクはエリウスが住んでいたこの国を火の海にします。罪もない平民たちや子供の悲鳴があちこちで上がり、人々は逃げ惑います。
それから、焦土と化した国で残った宝石等の宝を持って、リリアは別の国へと向かいます。
購入した新たなドレスを着こなしてアレイクの前でひらりと舞います。
リリア「どうかしら?黒いドレスを着てみたかったの。(漆黒のドレスは背中と胸元が開いたセクシーなものだ。ブラックダイヤの耳飾りを揺らして)どお?」
アレイク「ああ、とても綺麗だよ……。リリアは本当に美しいね。君こそが私の宝だ……!(うっとりとした表情を浮かべ)さあ、行こうか!私達の冒険に!愛し合っているんだ!どんな困難でも乗り越えていけるだろう?」
リリア「うふふ、そうね?これからも貴方との冒険が楽しみだわ!」
それからまた、新たな国に向かいリリアは美しく着飾り、その国の王子を誘惑します。
第三王子のセエルです。
リリア「ふふ、可愛いですわ。王子…。」
セエル「ああ、リリア。君は本当に美しいよ……。君の為なら何だってするよ……(リリアを抱き締め)君を愛しているんだ。だから僕と結婚してくれ!大切にするよ……!お願いだ!!愛してるんだよ……!僕のものになって欲しいんだ!ねえ、良いだろう?君を幸せにしてあげるからさ……!!」
リリア「ふふ、…でしたら、明日の夜に城下町の広場までこっそり来て頂けるかしら?そしたら私、貴方の物になるわ?(耳元で囁き)」
セエル「ああ、分かったよ。必ず行くからね!君を手に入れるんだ……!愛してる……(嬉しそうに笑う)楽しみにしているよ……さあ、早く家に帰って明日の準備をしないとな……。もうこんな時間か……。(帰っていき)ふふ、楽しみだなあ……リリアが僕のものになるなんてね……?幸せだ……!」
そしてセエルは深夜の城下町へやって来るとそこにはリリアがいました。
リリア「ふふ…セエル様。来てくださったのですね…。嬉しいわ。」
セエル「やあ、リリア!会いたかったよ……!さあ、僕と一緒に行こう?二人で幸せになろうね?(リリアの手を取り)ああ……嬉しいなあ……。夢みたいだ……君と結ばれることが出来るなんて……!愛しているよ……!これからも一緒に居ようね?ふふ、早く結婚式を挙げたいなぁ……!ああ、楽しみだよ……!」
リリア「いやああああああああああああっっっ!!!!!!助けてアレイクッ!!!!!」
アレイク「俺のリリアに触るなっ!!(巨大化し)貴様のような奴に俺の宝を渡さないっ!!消え去れえええぇっっーーっ!!(炎を吐きセエルを焼き尽くすと灰となった。)リリア、大丈夫かい!?怪我はないか?何もされてないかい?」
セエル「ギャッ!熱い!!うわああっっ!!(燃えて灰となり消えていく)リリア……リリア……。僕が悪かったよ……許しておくれ……。君を幸せにしたかっただけなんだ……。僕は君を愛しているんだ……!!(泣き叫び)」
リリア「(灰と化したセエルを見向きもせず)アレイク…!私、この国の人にまで酷い事をされたの…!ねえ、こんな国、滅ぼして…辛いの…!(涙目で)」
アレイク「ああ、勿論だ……!さあ、行こう!俺達の世界へ……!愛し合っているんだ!どんな困難でも乗り越えていけるだろう?(二人揃って国を滅ぼす為に飛び立ち)これからはリリアとの二人きりの世界で生きていくんだよ……。愛しているよ……俺の宝……(耳元で囁き)もう離さないからね……」
そしてそれからもリリアはアレイクの力で国を滅ぼし残った金品を盗んでその金で別の国に入り込み、また王子や王を誘惑してアレイクを怒らせ、国を滅ぼすと言う行為を繰り返します。
エルフ特有の永遠の若さと美貌を保ちつつ旅を続けていますが、次第にリリアとアレイクは悪女と悪竜として世界中から忌み嫌われる存在になっていました。
やがて二人は討伐される事になりましたが……リリアはそこで、大国の王であるデヴォンに取り入りました。
リリア「デヴォン王…!私はずっと悪竜アレイクに脅されて、数々の殿方を手にかけてしまいました…!(涙する)こんな私が許されるはずないですわよね…?でも、あのアレイクだけは殺さねばなりません…!ですから、どうか、アレイクを殺すまではお傍においてはくれませんか…?(涙目で)」
デヴォン「おお、リリアよ……。君は被害者なのだな?可哀想に……辛かったのだね。分かった。君を許そう。これからも私に仕えておくれ。愛しい君には傍にいて欲しいからな(優しく微笑み)アレイク討伐の褒美も与えようではないか……。何が良いかね?」
リリア「…ふふ、では……デヴォン王。私を、貴方の遠縁であるエルフの小国であるレラード王国の王の養子にして欲しいのです。それなら私に会いたければこっそり会えるでしょ?」
デヴォン「おお、それは良い考えだな。勿論だとも!(嬉しそうに)これでリリアは私の親戚となるのだな……嬉しいぞ……!是非ともそうしようではないか!(幸せそうに笑い)では、この指輪を受け取っておくれ。これは王家の指輪だ。」
リリア「うふふ…私も嬉しいですわ…。(王家の指輪を嵌める。)」
一方その頃、アレイクは無数の騎士や竜騎士に囲まれ、矢を射たれたりと傷だらけになっていた。
アレイク「ああ……リリア……!愛しい俺の宝よ!どうしてこんな事をするんだ!?君を愛しているのに!!こんなにも愛しているのに!!君は何故俺を裏切るんだ?俺はただ君と幸せになりたかっただけなのに……。俺が君に何をしたと言うんだ……?(悲しげに呟く)」
騎士「撃てええええ!!!!!竜を殺せ!!!!(投石をしたり、矢を射る。)」
アレイク「グハッ……。(血を吐きながら)リリア…。君は俺を殺したいほど憎んでいたのか……?君を愛していたのに……(命からがら逃げ出して森の中へと紛れ込む。人型のままふらふらと森を彷徨い)リリア…リリア…私の宝…何故…どうして…。俺はただ、君を幸せにしたかっただけなのに……愛してるんだよ……?リリア……!(悲しげに呟き)ああ……もう駄目だ……意識が薄れていく……このまま死ぬのだろうな……リリアが私を殺すのか?だが何故だ?彼女は私の事を愛していたはずなのに……。私を助けてくれる者など誰もいないのだ……」
???「こんにちは。…助けてあげてもいいけど、どうするー?まだ生きたい?」
アレイク「……きみ…は……?」
ティシレィ「私はティシレィ。妖精姫。…貴方を助けてあげてもいいけど、どうする?まだ生きたい?あのリリアって女に復讐したい?」
アレイク「ああ……助けて欲しい……。復讐したい……!リリアに俺を裏切った罪を償わせたいんだ……!!(悔しそうに顔を歪め)あの憎い女め!!絶対に許さないからな……!ティシレィ、俺を助けてくれるか……?(涙目で見上げて)俺はまだ死にたくない……生きたいんだ……っ!頼む……!」
ティシレィ「いいよ。でも、その代わり私にその竜の姿を頂戴?貴方は人間になるけど、私の加護としてエルフを越える自然に愛される力と宝石の聖剣をあげる。…どうかしら?」
アレイク「構わない……!リリアに復讐する力を俺に与えてくれ……頼むから……!!(縋るような目)早くしてくれ!!時間がないんだ……!!もう力が尽きそうなんだ……っ!俺を助けてくれ……!!お願いだ……!」
ティシレィ「はーい!(アレイクの身体が光に包まれ、竜としての力を失っていく。」
アレイク「おお……。(竜ではなく人間へと変わっていき、傷が癒える。)
凄い……力が湧いてくる……。これが妖精の力か……!(感激したような顔をする)これでリリアに復讐が出来る……!ティシレィ、ありがとう……!この恩は忘れないよ……本当に有難う……!!(嬉しそうに笑い)さあ行こう!リリアの元へ!!」
そしてアレイクはリリアの元へと向かう。
リリアはレラード王国の養子になり、姫として暮らしていた。
アレイクは数年後、レッドと言う偽名を使い髪型を変え、騎士として忍び込んでやがてリリアの専属騎士となった。
リリア「……貴方、は…っ!(アレイクに気付き)……あ、貴方の様な粗暴な者は嫌いですわ。私を愛してくれる殿方でなくては……!さ、あっちへ行ってくださいまし!!(アレイクを睨みつけて冷たく突き放す)」
アレイク「……私はレラード王国の騎士レッド。姫、お名前を伺っても宜しいでしょうか?(優しく微笑む)貴女の事を誰よりも愛しているのですが……どうすれば信じて頂けますかね……?(悲しげに見つめて)」
リリア「……お互い駆け引きはやめにしましょう?貴方、竜をやめてまでどうしてここへ来たの?私を殺しに来たのかしら?」
アレイク「………。」
リリア「私を殺すなんて的外れよ。そもそも、貴方と旅をしていた時、私は貴方に愛してるなんて一言でも言ったかしら?そもそも私を攫う真似をした男、竜だろうが人間だろうが好きになると思うかしら?」
アレイク「ふふ、君のそういう所が好きなんだよ。私は君を愛しているんだ……。(リリアを抱き寄せる)もう離れないよ……ずっと一緒だ……!二度と離れたりしないからね……?私達は運命の赤い糸で結ばれているんだから……!(妖しく笑い)」
リリア「きゃああああああああッッッ!!!!!助けてええええええええ!!!!!!!レッドが…騎士レッドが私を襲おうとしているわ!!!!!!」
そうリリアが叫ぶと見張りの騎士が駆けつけ、アレイクは取り押さえられる。リリアは得意気に微笑みます。
アレイク「ああ……酷いじゃないか。私は君の為に来たというのに……!(悲しげに叫び)どうか私の愛を受け取っておくれ……!!(リリアに向かって手を伸ばす)さあ、こっちへおいで……?一緒に幸せに暮らそうじゃないか……っ!(叫ぶが騎士に押さえつけられて)離せ……ッ!私に触れるなっ!!」
リリア「ねえ、正直に答えて。そしたら一晩抱かれるくらいはしてあげる。……貴方、私を恨んでいるのでしょう?貴方を裏切って悪竜に仕立て上げた私を。」
アレイク「ああ、恨んでいるとも。だが、私はそれ以上に君を愛しているよ。……さあ、言ってごらん?君は本当は私をどう思っているんだい?(妖しく笑い)」
リリア「……そうね、少し興味が出たわ。じゃあ、そうね。またかつての様にこの国を滅ぼして見せて。出来るかしら?」
アレイク「ふふ……。勿論だよ……!私を誰だと思っているんだい?君の為なら何だって出来るんだ!(嬉しそうに笑い)さあ、私に任せておくれ……。愛しい姫よ、私の力を思い知らせてやるさ……。(にやりと妖しく笑う)今度こそ君を幸せにしてみせるよ……リリア(耳元に囁き)」
アレイクは自身を取り押さえていた騎士を精霊魔法と宝石剣の力を使ってバラバラにしていきます。騎士達は悲鳴を上げて逃げ惑います。リリアはその光景をうっとりと見つめ、微笑みます。
その微笑みを見たアレイクは喜びに打ち震えています。やはり、アレイクはリリアに憎悪以上の愛を抱いていたのです。
そして鮮血で染まった城の中で二人は相まみえます。
アレイク「愛とは、憎悪を重ねるとより深くなる…。それを君は教えてくれた。」
リリア「アレイク……!(歓喜の声を上げて)貴方は素晴らしいわ。…でも、私貴方を愛さないわよ?貴方は奴隷。竜だろうが人間だろうが、私に一生振り回されて?」
アレイク「ふふ。君になら何をされたって構わないさ……。君の為に国を滅ぼそうとも、私を奴隷のように扱おうとも、私は構わないよ。さあ、リリア!おいで!私の愛しい姫よ……!(妖艶に微笑み)今度こそ君を守るからね?安心してくれ、永遠に一緒だ……っ!」
リリア「ふふ、良い子ね。(優しくその頬に触れる。)」
アレイク「ああ…リリア…。(うっとりと。)…だが、一つだけ解らない。リリア、君は一体何を求めてるんだ?こんなに国を滅ぼして…私や沢山の男を振り回して…何が目的なんだ?」
リリア「私はただ幸せになりたいだけなの……。その為なら何でもするわ……!(悲しそうに微笑み)貴方達は本当に馬鹿な生き物ね。ただ幸せになりたいだけの私をこんなに受け入れ愛している。」
アレイク「私達は君が幸せならそれでいいんだ。他の事なんてどうでもいいのさ……。リリアが笑ってくれる事が私達にとって何よりも大切なんだよ。……さあ、一緒に行こう?(手を差し伸べ)新しい国を作って幸せに暮らそうじゃないか!私達二人で永遠に共に居よう……!愛しているよ、私の宝物……!!」
そしてリリアとアレイクは国を滅ぼし、新しい国で暮らし始めます。リリアは王となり、アレイクはその奴隷として仕えます。
リリアはアレイクを騎士として利用し、沢山の国を滅ぼしていきました。やがてその国はアレイク騎士団と呼ばれ、恐れられるようになりました。
そしてリリアはアレイクに新たな魔力を与えました。すると彼は竜の姿を取り戻し、より沢山の国を滅ぼせる力を手に入れます。
アレイクは妖精竜として二度目の転生を果たしリリアの奴隷として活躍しますが……そんなリリアを止めるために国々の騎士がリリアの国を責めに向かいます。
リリアは騎士との争いで深手を追い、アレイクに命令して騎士達を皆殺しにしますが…。
英雄騎士「魔女め。お前の悪行もここまでだ。(リリアを追い詰め剣を構える。)」
リリア「もう、懲り懲りね。……アレイク!やりなさい……!(苦しげに叫ぶ)私を愛しているなら、私の為に戦いなさい!!(悲しげな声で叫ぶ)さぁ、早くこいつを皆殺しにしてちょうだい……!!(憎しみを込めた目で睨む)貴方だけは私を裏切らないわよね……?」
アレイク「リリア……。ああ、勿論だ……!(ニヤリと妖しく笑い)さぁ、皆殺しにしてあげよう……。私が愛した姫の為ならば何だってするさ……!!(宝石剣を構える)さあ、覚悟しろッ!私の正義は絶対だッッ!!(叫び剣を一閃させる)」
英雄騎士「ぐあぁっ!!(アレイクの攻撃で倒れそうになるが何とか踏ん張り)……アレイクよ、貴殿は元々は誇り高き黒竜だった…!それなのに何故、あの様な魔女に心奪われ、姿形まで変えられて、それで何故付き従おうと言うのか…!?」
アレイク「ふっ……。(ニヤリと妖しく笑い)そんな事、決まっているだろう?私はリリアを愛しているんだ……!それが全てさ……!!(剣を振りかざしながら叫び)さあ、死んで貰おうか!!(アレイクの猛攻で騎士は倒れるが……既にそこにリリアは居なかった。)」
リリアはアレイクを置いて国の外である森の奥を歩いていた。
沢山の金品を持って…。
リリア「これでやっと自由だわ……。(満足げに微笑む)さあ、行こうかしらね?何処か遠くへ……私の愛した人達のいない場所へ……!(寂しそうに微笑み)
私は所詮魔女だもの、誰も私を知らない所へ逃げて幸せになるのよ……!!(叫ぶように叫び走り去ろうとした時だった。」
ティシレィ「待った。そうはいかないよ。…私は妖精姫ティシレィ。アレイクを人間として蘇生させ、加護と宝石剣を与えた妖精さ。」
リリア「……あら?そう。(興味無さそうに)何か用?」
ティシレィ「貴方の望みを叶えると言ったらどうする?(リリアの前に現れる)ふふ。私が妖精の国へ連れていってあげるわよ。そこでなら貴方は幸せに暮らせるわ。貴方が心から愛せる人達とね……?(にっこりと微笑むもののリリアは興味無さげに欠伸をしただけだった)……あら?嫌なのかしら?」
リリア「私、愛とか要らないのよね。それより私が欲しいのはスリル。そしてお金と美しい宝飾や服飾。さらには破壊、破滅を見る事。私の幸せはこの尽きない欲望を満たす事よ。」
ティシレィ「あら、そうなの。それは残念だわ……。でも、本当に大丈夫?貴方、これからもこの世界を自分の欲望のために破壊するんでしょう?私は人間や亜人の世界なんかどうでもいいけど、貴方、この世界を破壊し尽くしたら次はどうするの?」
リリア「勿論、違う世界に行くわ。私の求める宝とスリルが待っている世界にね……。私が興味があるのは欲望を満たすことだけよ……?(妖しく笑う)だから私に関わらないで頂戴?妖精さん」
ティシレィ「うーーーーーん、実に危険だ。貴方は危険だよ。リリア。…そうだなあ。貴方が世界を破滅させる事が出来ない様にする事は出来るんだよね。簡単な事さ。」
そう言うとティシレィはリリアに呪いをかける。
するとリリアは美しかった姿がどんどん変わっていき、醜い老婆の様な姿に変わっていく。
リリア「な、何よこれ……っ!?元に戻してッ!!(叫ぶ)貴方、何て事をするのよ……!その魔法を解除しなさいッ……!!さもないと貴方を殺してやるわよ……ッ!!」
ティシレィ「やーだよー♪これから一生その顔で生きていくんだねっ!アレイクや、貴方を愛した男達がその姿を見たら何ていうかなあ?(消えていく)」
リリア「待ちなさいッ!!ティシレィッッ!!(叫ぶ)あ、貴方……ッ!!許さないわっ!殺してやるッッ……!!絶対に殺してやるわああぁっ!!(怒りで顔を醜く歪ませながら叫び続ける。)はぁ……はぁ……はぁっ……!」
アレイク「(城から必死にリリアを探し、森の中でやっとリリアらしき姿を見付ける)……リリア……?」
リリア「……!!(アレイクの姿を見て後ずさりし)……違うわ。私、リリアじゃない……!(苦しげに言う)私は……私は……(美しかった面影等無い酷く醜い顔を歪ませる)」
アレイク「リリア……っ!?(驚きの声をあげる)どうして君がそんな姿に……?(悲しげな声で叫ぶと、リリアは更に後ずさりした。)」
リリア「(後ずさりしながらも怒りに顔を歪ませて)そもそもお前がッ!!お前が私に調子を乗らせたんだ!!お前が何でも私の言う事を聞くから私は…何でも上手くいくと思ったんだッ!!!お前だけは許さないッッ!!絶対に殺してやるううぅっっ……!!(叫ぶ。しかし、その醜い顔と声では迫力もなく滑稽だった。)……そうだわ。お前も私と同じ姿になってしまえば良いんだわっ!ふふ、あはははっ……!(アレイクに呪いをかけ醜い化物の姿にしてしまう)」
アレイク「うわっ!?リリア、一体どうしたというんだ……っ!!(醜い化物の姿になってしまい動揺する)な、何という事だ……ッ!この魔女めッ…!お前はリリアじゃない…ッ!!!!(怒る。しかし、その姿は醜い姿のせいで迫力が全くなかった。)」
リリア「ぎゃははははは!!!!アレイク、ざまぁっ!はははっ!!醜いねぇ……っ!本当に無様で滑稽だよッ!!(叫ぶと醜悪な顔を歪ませながら高笑いした。)ざまあみろってのよ!!きゃはははっっ!!(狂ったように笑うリリアの声は森中に響き渡った。)」
アレイク「リリア……違うんだ、私は君にこんな風になって欲しかった訳じゃない……!(悲しそうに言う)私はただ君を幸せにしたかっただけなんだ……!それなのにどうして私をこんな姿に……っ!!(怒りと悲しみが入り交じった声で叫ぶ。その姿もやはり醜い姿のせいで迫力がなかった。)……許さないぞッ……!!」
リリア「うるせええええええ!!!!!!!全部ッ!!!全部お前が悪いんだッ!!!!私はただ自由に生きていただけなのにッ!!!(醜い化物の姿になったアレイクを蹴り付ける。)ぎゃははは!!!お前のせいだ!お前のせいだ!!!お前が私を連れ去りさえしなければこんな事にならなかったんだ!!」
アレイク「ぐっ……がっ……!(苦しそうに呻く)リリア、落ち着いてくれ……!!(悲しそうに叫ぶ。しかし、それは迫力がなくやはり化物の姿のせいで迫力がなかった。)くそっ……!!お前は最初から醜かった!!!醜い最低の女だ!!(リリアを殴りつける)お前みたいな奴は誰からも愛されずに生きるしかないんだッ!!(泣き叫ぶ。その姿は滑稽で哀れでドロドロで汚い汁を排出する。)……すまない、リリア。私はお前を愛していたのに、私が間違っていたんだ……。もう君をこんな風にしたくはないのに、どうすれば良いのか分からないんだ……」
リリア「私に話しかけるなッ!!(汚い手でアレイクの顔を掴み)もうお前も醜い化物だッ!私とおんなじだッ!ざまあみろっ!!いい気味だっ……!!あははっ……(高笑いする。その姿はやはり滑稽で、見るに堪えない姿だった。)」
アレイク「…………。(黙ったまま悲しそうにリリアを見つめ)……もう、駄目だな……。(諦めたように呟き)お前がそうなってしまったなら仕方がない……。私はもう諦めるよ、リリア。所詮私はもう、ただの化物だ。お前に逆恨みで呪われた哀れな男でしかなかったのさ。お前を幸せに出来なかったのなら生きている意味はないしな……。」
リリア「そうだ!!死ね!!死んで詫びろ!!それとも何だ?こんな姿になった私を愛せるのかお前は!?(醜い老婆の様な顔、しわがれた声、ぶよぶよのだらしない身体に、異臭。それが今のリリアの姿だった。リリアは服を脱ぎ下品に腰を振り、鼻汁を噴き出しながら)いゃははははははは!!!この私を抱けるかァ!?」
アレイク「そんな姿で……(悲しげに俯くがすぐに勢い良く変わり果てたリリアを怒鳴りつけ)出来るわけないだろうっ!このクソババアッ!!(叫ぶと醜い化物の様な声で高笑いをした。その声はとても滑稽だった。)ははははっっ!!無様だなッ!!情けないなッ!!」
リリア「き、貴様っ……ッ!殺してやるっ!!(怒りで顔が歪む)絶対にお前を殺してやるからなッッ!!お前さえいなければ私は幸せだったんだッ!!許さないっ……!(渾身の魔法でアレイクに攻撃する。)」
アレイク「ぐわあああっ!!(吹き飛ばされ、醜い化物の様に地面をのたうち回る。)こ、殺す……ッ!殺してやるぞッ……!お前の様な醜い奴は死んで当然だ……っ!(怒りで顔を歪ませながら高笑いする。その姿は滑稽で醜い。)ははっ……はははっ……!死ねェ!!!(リリアへと突進する。まだ妖精の加護は残っており、宝石剣も振るえるため渾身の力でリリアを斬りつけ精霊魔法で攻撃する。)」
リリア「ぎゃあああッッ!!(斬り付けられ、魔法を浴びせられ苦しみながら)くそっ!何で私がこんな目に……っ!?(苦しむ。しかし、それは迫力がなくやはり滑稽だった。)アレイクめ……!どこまでも私を馬鹿にしてェッ………えぇ……(実力差は明らかであり次第にリリアは衰弱していき、命乞いを始めた)ゆ、許して……!お願いだからもう許して……っ!(醜悪な顔で泣き叫ぶ。その姿は見るに堪えないものだった。)なんでもするからぁっ……!!私の身体を使っていいし何でも差し出すからぁぁ!!(必死に懇願するがアレイクは鼻で笑っただけだった。)」
アレイク「黙れっ!醜いババアッ!!(そう叫ぶと、剣でリリアの首を斬りつけトドメを刺した。)……はぁ……。これでやっと終わったな……。さようなら、愛しいリリアよ……。(寂しげな声で呟き、そのまま姿を消した。)」
結局アレイクの呪いは解除されず、まるでリリアの怨念の様に纏わりつきかろうじて人型を留めているドロドロの醜い姿と異臭を放ち、アレイクは森を彷徨っていた。
するとそこにピンク色の髪をした妖精姫、ティシレィが現れた。
ティシレィ「久し振り、アレイク。また随分暴れたね。……リリアは死んだけど、これからどうするの?」
アレイク「どうもしないさ。……私は呪われているんだ、このままずっと醜く生きていくしかないだろう……(悲しげに俯く)今更どんな顔をして生きれば良いのかわからないんだ……。それにリリアがいなくなった今、生きる意味も分からないしね。ははっ……情けないだろう?こんな醜い化物の姿で生きていても仕方がないのにね……」
ティシレィ「うーん、その呪いを解く方法は無い訳でも無いけど難しいね。しかも唯一解除出来るはずのリリアを殺してしまったんだから、怨念が解けるまで待つか…或いは別の姿に変わるか、だね。」
アレイク「別の姿?」
ティシレィ「一応まだ君は私の加護が有効だから、この森と一体化して大樹にでも転生すればその姿からは解放されるだろう。この森からは離れられなくなるけど。」
アレイク「じゃあ、そうするしかないのか……。はぁ……醜いな、私という存在は……(悲しげに言う)でも仕方がないか。これも自業自得だ。私は彼女を愛するあまり自分を見失ってしまっていたんだし。なあ、ティシレィさんよ?」
ティシレィ「なんだい?」
アレイク「愛とは、なんだろう?」
ティシレィ「ふふっ、さぁね。人によって違うものだろう?君にとっては愛とはなんだったのさ?醜い姿のリリアを憎く思った瞬間があったんでしょ?その時自分がどんな感情を抱いたか考えてみたらどうだい?きっとそれが君の答えになるはずだよ(悪戯っぽく微笑む)さあてと、そろそろ私は行くよ」
アレイク「…そう、か…そうだな…。…あ、待ってくれ。ティシレィ。これは返すよ。(宝石剣を差し出し)加護は有難く頂戴するが、これはもう不要だから。」
ティシレィ「いいや、それは君に差し上げたものだから…。…そうだね、アレイク、君が本当に愛しあえる存在が現れたらその相手に譲るといい。」
アレイク「……ああ。…また、森に来てくれ。その時には俺も立派な大樹になっているはずだから。」
ティシレィ「ああ。楽しみにしているよ。」
アレイク「(ティシレィを見送った後)…ふう、さて……と……。(森の奥深くへその醜い姿を大木に変えていく。そして大樹になったアレイクは森の奥深くで眠り続ける)さようなら、私の愛したリリアよ……。もう私は永遠に貴女に会うことはないでしょう……。私は、私の旅路へ向かいます……。」
そしてアレイクは大樹として眠り続け、気付けば1000年の月日が経っており、いつの間にかその森は〝忘却の森〟と呼ばれていた。
気づけばアレイクは森の大精霊となり、大樹の傍で生き続ける存在になっていた。
アレイク「……ふう、今日も平和だな。まあ、平穏が一番だからな……。このまままた1000年くらい眠っていたいよ……(そう呟くと大欠伸をする)ふぁあ、眠いな……もうひと眠りするか……ぐぅ~(寝息を立て始める。その姿は醜い化物の姿ではなく美しい青年の姿だった)」
そんな時、とある人物がやって来る。
その人物の名はソフィアと言い、忘却の森の奥深くに迷い込んでしまった少女だ。そして偶然大樹を見つけると近づいて行き話しかけたのだった。
ソフィア「……貴方、は?」
アレイク「んー?私かい?私はアレイク。この大樹の精霊さ。君は、迷子?」
ソフィア「うん…。気が付いたらここにいて、帰り道が分からなくなってしまって……(不安そうに答える)どうしよう……怖いよぅ……ぐすっ……ぐすんっ!(泣き出してしまった。それを見たアレイクは慌てる)」
アレイク「ああ!泣かないでおくれ……!私が帰り道まで案内しよう。君は何処から来たんだい?」
ソフィア「それが、分からなくて……(泣きながら答える)気付いたら、この森に迷い込んでいたの。帰れるなら帰りたいけど……ぐすっ……帰り方も分からなくてっ……!ひくっ!ひくんっ!ひぐっ!!うう~~っっ!!(堪えきれず再び泣き出した)ふぇえぇぇんッッ……!!………あれ?(気付くと自分の暮らす町の近くに居て、振り返るとアレイクは居なかった。)……不思議な夢……だったのかしら……?でも、なんだか懐かしいような……?うーん……思い出せないわ……。まぁいっか!早く帰らないとママに怒られちゃう!急がなくちゃ!(駆け出す少女。)はぁ……やっと帰れるぅ~!よかったぁ~!(安堵のため息を漏らすのだった。)」
それからソフィアは時々忘却の森を訪れるようになった。その度にアレイクはソフィアに語りかけるのだ。すると不思議なことに、ソフィアもアレイクの声が聞こえるようになるのだった。そして次第に2人は仲良くなって行き、会う度に語り合ったり遊んだりする様になっていた。
アレイク「なあ、ソフィア。…ソフィアは、愛とは何だと思う?」
ソフィア「え~?いきなり言われても難しいよ~!(困った様に笑う)う~ん、そうだなぁ……。私はね、相手を大切に思う気持ちだと思うの!だから相手のことを思いやる気持ちが愛なんじゃないかなって。勿論家族とか友人でもそうだよ!」
アレイク「ふふ、そうか。それは素敵だな。…なあ、ソフィアの夢はなんだい?大人になったらやりたい事はあるか?」
ソフィア「夢かあ……うーん、私はね。お嫁さんになりたいかな!それで子供を作って幸せな家庭を築きたいんだ!そして家族で幸せに暮らすのが私の夢なんだ~!えへへ♪(無邪気な笑顔で言った)アレイクさんは何か夢ある?教えてよ~っ!(興味津々に聞く)」
アレイク「私は……私の夢は……………いや、やっぱり言えない……。ごめんよ。(悲しげな声で)これは私だけの秘密だから誰にも言ってはいけないんだ。すまないね、ソフィア。私は君が好きだよ、君の事を愛している。それだけは確かだ。君の夢、叶うといいな。」
ソフィア「…?……うんっ!」
それからソフィアは10歳、12歳と成長し、そして15歳になった。
15歳になったソフィアはアレイクに会うために忘却の森を訪れていた。そしていつも通り大樹の傍に行き話しかける。しかし、いつもと違いアレイクの姿は何処にも無かった……。
不安に駆られながら辺りを探し回るソフィアだったが結局見つからず途方に暮れて俯くとふと足元に何か落ちているのを見つけた。それは一輪の白い花だった。
その花の花言葉は___『深い絆』だった。ソフィアはその花を拾って大切に握りしめる……。そしてアレイクを探す為に森を出ようとした時、後ろから声が聞こえた気がした。
振り返るとそこには美しい青年が立っていた。そう、彼こそ森の大精霊アレイクであった。彼は優しく微笑んで言った。
アレイク「ソフィア、もうすぐ君は私が見えなくなるだろう。……だけどね、決めたんだ。これを、君にあげる。(美しく光り輝く宝石剣を差し出す。)」
ソフィア「えっ…!?剣!?これは…?」
アレイク「これは宝石剣と言って、妖精達に伝えられる聖剣だ。この剣の力は、私と私の大切な人達を護り導いてくれるだろう。……だからソフィアよ、貴女はこれから沢山の人や物と出会い、恋をして幸せになりなさい。きっとそれが私の願いだ。君に会えて良かった……ありがとう……!(涙を流しながら微笑む)さようなら、愛しい人……どうかいつまでもお幸せにね……!」
ソフィア「えっ!?どういう事なのアレイクさん!?ちょっと待って!行かないで……!私、まだ貴方と話したいことが沢山あるのに……!!(泣き叫ぶ。しかし、彼の姿は徐々に薄くなり消えていく……)そんなぁっ!!やだぁっ!!いやだよぉっ!!うわぁぁんっっ!!」
アレイクの姿はソフィアの前から消えた。
それから宝石剣の所持者になったソフィアは次々と色んな人達と出会い、やがて恋をした。だがそれも長くは続かずいつも別れることになるのだった……。
何故ならソフィアの周りでは次々に不幸が訪れるからだ。時には彼女自身が事故に遭いそうになったり、何者かに命を狙われたりした事もあるほどだった……。
それでも彼女は諦めなかった、自分の願いを叶えるために……!
ソフィア「どうして私には不幸が起きる様になったの…?どうして?アレイク…貴方に逢いたいよ……(涙を流しながら呟く)もっと、皆と仲良くなりたい。愛したい。私は愛されたいの……!誰か!助けて……!(悲痛な声で叫ぶ)お願いだから私を助けて下さいっ!!うぅっ……!ひくっ……!ひくんっ……!!うわぁぁんっっ……ッ!!」
そしてソフィアは宝石剣を持って旅に出ることにした。愛する人との再会の為に……自分の運命を変える為に……!彼女は歩き続けるのだった__。この剣の力は、私を護り導いてくれるだろうから……!絶対に諦めない!私の夢と希望を叶える為に……!!ソフィアは涙を拭い決意を固めると前を向いて歩き始めた……。
旅を続けたソフィアはやがて、とある国へと辿り着いた。そこは妖精の住む神秘的な森に囲まれた美しい国だった。この国の人達は皆優しくて親切であり、ソフィアはすぐに馴染むことが出来た。
そしてこの国では年に一度あるお祭りが開かれるのだと聞いて彼女は興味津々になった!一体どんな催しなのかと……そこで知り合ったのが人間の青年セオである。
セオ「ん?君は……旅人さんかい?へぇー、そうなんだね!この国は初めてかな?良かったら案内してあげようか?(にっこり微笑みながら手を差し伸べる)さぁ、おいでよ。楽しいこといっぱいあるからさ!ほらっ♪(手を掴むと引っ張るように歩き出す。ソフィアも嬉しそうに微笑んでついていくのだった……)」
ソフィア「この国は確か、数千年前に魔女リリアに滅ぼされたのよね?それから妖精達の楽園として生まれ変わったんでしょう?素敵よね。とても神秘的で幻想的な光景だわ!(目を輝かせながら辺りを見回す)こんなに綺麗な場所があるなんて知らなかったわ……!本当に素晴らしい所ね!感動したわ!!ありがとう、セオさん!連れてきてくれて嬉しいわっ♪(満面の笑みで言う)」
セオ「ふふ、喜んでもらえて良かったよ。僕も君の喜ぶ顔が見れて嬉しいな♪(にっこり微笑む)……あっ、そうだ!この後時間あるかい?もし良ければ一緒に街を散策しないかな?美味しいお店とか景色の良い場所とか案内するよ♪どうかな……?(少し照れくさそうに言う)」
ソフィア「ええ!勿論よ!」
そしてソフィアはセオに連れられて街の中を案内してもらった。途中、猫耳の生えた少女や妖精達と出会い彼女達はソフィアを歓迎してくれた。そして楽しい時間はあっという間に過ぎていった……。
気付けばもう夕暮れ時になっていたので帰る事にしたのだがソフィアは…。
セオ「……ねえ?俺の家に泊まらない?」
ソフィア「えっ?でも、私……宿屋で泊まろうと思っていたから今日は帰るわね。ごめんなさいね?折角誘ってくれたのに……(申し訳なさそうに言う)また今度遊びに来るわ!その時に泊まってもいいかな……?(上目遣いで見つめる)」
セオ「そんな事言うなよ。楽しかっただろ?(ぐっとソフィアの手首を掴み引っ張る)俺の家においでよ…。」
ソフィア「きゃっ!?(よろける)えっ!?ちょっ……!ちょっと!いきなり何するのよ!?痛いじゃない!離してよ!!放してってばぁ……っ!!(恐怖に怯え涙目になる。しかし、彼は容赦なく彼女を引っ張ると強引に連れて行こうとするのだった……。)嫌ぁっ!助けてぇっ……!!」
セオ「大丈夫、怖くないよ。俺を信じて……ほら、おいで?(ぐいっと引っ張るとその時…!)」
ティシレィ「女の子に乱暴はよくないな~。(ピンクの髪の美しい少女が空を飛んで降りてくる。)」
セオ「なっ…貴方は…妖精姫ティシレィ…ッ!?どうしてここに……!?(驚く)あ、貴方がいるなんて聞いてないぞ……!どういう事だっ……!?くそっ!一体どうなっているんだ……っ!?:(狼狽える。その時、ソフィアがティシレィに助けを求める様に叫んだ)」
ソフィア「ティシレィさん!助けて下さいっ……!!私、この人に襲われて……!」
ティシレィ「いいよお。助ける理由もあるし……ほら、嫌な思いしたくなかったらその娘を離しなよ?呪うよ?」
セオ「ひぃっ!?す、すみませんでした……っ!(手を離して頭を下げると一目散に逃げて行く)くそっ!!なんなんだよあいつはぁ……!!
ソフィア「ありがとうございます、妖精姫様……!本当に助かりました。貴方様には感謝してもしきれません……!」
ティシレィ「いいの。私も貴方に用があったから。…ねえ?どうして宝石剣を貴方が持っているの?あれは、私がアレイクにあげた物なのよ?」
ソフィア「え……?そうだったのですか……!?申し訳ありませんっ……!これは、アレイクさんから託された物なんです。私を護る為に彼が渡してくれたのです。どうかお許しを……!(頭を下げる)でしたら、是非受け取って下さいませんか?(宝石剣を手渡す)…私はきっと、この剣が無くても生きられるはずだから、…だから、お返ししようと思います。」
ティシレィ「……へえ、気に入ったわ。アレイクに気に入られたのも解る気がする。…じゃあ、この宝石剣は返して貰うわ。(受け取り。)その代わり、一つ願いを叶えてあげる。私に出来る事だけ、だけどね。」
ソフィア「え?本当ですか……!?(目を輝かせて言う)それでしたら、お願いがあります!アレイクの夢を叶えて欲しいんです。(頭を下げる)そして忘却の森と私達の故郷を守り続けて下さいませんか……?アレイクに何があったか知らないしアレイクの夢を私は知らない。でも、アレイクには夢があったんです。その夢を叶えてください。お願いします……ッ!!」
ティシレィ「いいよぉ。その願い叶えてあげる……(微笑む)でもね、一つだけ約束して。それは貴方が幸せになること。不幸にならず自分の夢を叶えるまで頑張ることよ?それが条件よ。いいわね?守れるかしら……?(真剣な眼差しで見つめる)」
ソフィア「はいっ!勿論です……っ!!ありがとうございます……っ!!(嬉しさで泣きそうになりながら)私、頑張ります……!絶対に幸せになりますから……っ!絶対に夢を叶えてみせますからぁ……!!ううっ……!うわぁぁんっっ……!!(泣きだす。ティシレィはソフィアの頭を撫でながら優しく微笑むのだった……」
そしてこの国を発ち旅立ったソフィアを見送ったティシレィは忘却の森へ向かった。そしてアレイクの宿る大樹へと辿り着く。
ティシレィ「久し振りね。アレイク。」
アレイク「おや、ティシレィじゃないか。久し振りだね!(嬉しそうに微笑み返す)また君に会えて嬉しいよ……!どうしたんだい?何かあったのかな……?(心配そうに聞く)それとも……私に何か用かな?(首を傾げる)もしそうだったら君の為に何でもするよ。さぁ、遠慮なく言ってごらん?」
ティシレィ「私、貴方の願いを叶えるために来たの。…あるお嬢さんに頼まれてね。……貴方の夢を話して。私がそれを叶えてあげる。私は妖精。一度約束した事は必ず叶えないといけないの。」
アレイク「ティシレィ……。君は相変わらず優しいんだね。ありがとう……!私の夢はね、この森を守りたいんだ。この国の人々や動物達、そして妖精達が安心して暮らせるような場所を作りたいんだよ……!それが私の願いなんだ……!どうか叶えてくれるかい?(真剣な眼差しで見つめる)」
ティシレィ「………本当に?違うでしょう。言ってあげようか?貴方の本当の願いは永久に愛し合える存在を見付ける事でしょう?愛し、そして愛してくれる、そんな存在に出会いたいんじゃないの?」
アレイク「なっ……!?(動揺し、恥ずかしそうに顔を背ける)そっ……!そそそんな事はないぞ……!!私はただこの森が大切なんだ!だから守りたいんだよ!!うん。そうだよ、そうだとも!(焦りながら言う)勘違いしないでくれないかな……?全く、困った子だなぁ君は。もう知らないからね?」
ティシレィ「嘘吐きね。本当にいいの?私なら貴方の本当の夢を叶えてあげられるのだけれど?素直になれば?」
アレイク「うぐぅっ……!そ、それは……(葛藤する。そして覚悟を決めて言う)……お、お願いします……っ!私を幸せにしてくれる人を探してください……!!それが私の夢です……(真っ赤になりながら小声で恥ずかしそうに言うのだった……。)ううぅっ~!!(照れながら頭を抱え込む)恥ずかしいなぁもう!」
ティシレィ「解ったわ。アレイク。(微笑み。)…じゃあ、ずっと貴方を見守り続けていた存在を貴方に捧げるわ。」
アレイク「え……?それは……。」
ティシレィ「これよ。(ソフィアから返してもらった宝石剣を手に取る。)貴方が人間になってからずっと傍に居たこの宝石剣を人間の姿に変えるわね。」
そうティシレィが言うと宝石剣は宙に浮いて光に包まれ、やがて人の姿を取る。
その姿は、アレイクにそっくりで髪は長く美しかった。瞳は金色で凛々しく美しい顔立ちをしている。背中には漆黒の翼が生えており頭には二本の角が生えている。
その姿はまさに美しき悪魔と呼ぶに相応しい姿だった……。そして、彼はゆっくりと目を開くと微笑みながら言ったのだ。【初めまして】と……。
ティシレィ「あら、男の子になったわね。意外だわ。…この子に名前を付けてあげなさい。アレイク。」
アレイク「ええっ!?わ、私が……?!うーん……どんな名前が良いんだろうなぁ。(悩みながら)……あ、そうだ!君の名前は【アヴィス】にしよう!どうかな?気に入ってくれるかな?(ドキドキしながら聞く)どうだろうか……?私の友達になってくれるだろうか……?お願いだよ……。」
アヴィス「ありがとうございます、アレイク様。私の名前は今日から【アヴィス】と名乗ります。そして私は貴方のお友達です。貴方を守れるように強くなる事を誓いました。どうぞ宜しくお願い致します。……末永くお傍に置いてくださいましね?(にっこり笑う)ふふ、これから楽しみですね。」
アレイク「良かったぁ……!嬉しいよ……!これから宜しくね!アヴィス!!(嬉しそうに微笑む)……ん?何だろう、この胸の高鳴りは……?もしかしてこれは恋なのかい……?それとも違う何かなのだろうか……?いやでも、彼が傍に居てくれるだけですごく幸せだよ……。まるで夢みたいだなぁ……。」
ティシレィ「二人でこの忘却の森を守り続けなさい。それがあの子…ソフィアと約束した事なのよ。」
アレイク「ああ、解っているよ。……じゃあ行こう!一緒にこの森を護っていこうじゃないか!!(手を差し出す)さぁ、手を繋いでくれないかい?アヴィス。……君に出会えて良かったよ……!これから宜しく頼むね。私の大切な友人であり家族である君と一緒にこれからも生きていける事が嬉しいんだ……!!」
アヴィス「ふふっ、こちらこそ宜しくお願いします。……貴方の心が救われますよう。私はずっと見守っておりますね……?(にっこり微笑む)お傍に置いてくださり感謝していますよ、私の愛しいお方様。貴方を想う気持ちは誰にも負けませんからね?ふふ、覚悟して下さいましね……♪(悪戯っぽく笑う)」
アレイク「なっ…!?なっ……!?(真っ赤になって動揺している)あ、愛……ッ?!それはそのぉ……!えっとぉ……!ううっ……。なんて答えたらいいのか解らないなぁ……(困り果てた顔をする)ふ、複雑だなぁ!でも嬉しいよ……!ありがとう!アヴィス!!これからもよろしくね……!!」