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アクトと黒曜 ――銃声と魔法、軽口と理屈。関係に名前をつけないまま、共に走る

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/8/27 📚 シリーズ: アクトと黒曜 ――銃声と魔法、軽口と理屈。関係に名前をつけないまま、共に走る 📝 3,311文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

魔法使いとサイバーサムライ。 理屈っぽい二人のシャドウランナーが、銃と魔法と軽口を交わしながら第六世界を走るバディストーリー。 関係に名前をつけないまま、それでも互いの背中は預けられる。 『Shadowrun』を原作とする二次創作作品です。

本文

CROW SYSTEM / FINAL SEQUENCE

SUBJECT ROLES: UNSTABLE

PROTECTIVE RESPONSE: DELAYED BY TRUST

TACTICAL PREDICTION ACCURACY: FALLING

RELATIONSHIP DEFINITION: REQUIRED

AUTHORSHIP: UNRESOLVED

FINAL OUTPUT: PENDING—

CROWシステム/最終シーケンス

対象役割:不安定

保護反応:信頼により遅延

戦術予測精度:低下中

関係性の定義:必要

作者帰属:未解決

最終出力:保留中—

赤い非常灯。

銃座二基。

中央ラック。

左右に分かれた通路。

CROWは二人の過去を知っている。

戦い方も。

庇い方も。

迷い方も。

画面へ予測が出た。

`SUBJECT A: ADVANCE`

`対象A:前進`

`SUBJECT B: SUPPORT`

`対象B:支援`

アクトは前へ出なかった。

黒曜も支援術式を撃たなかった。

一秒。

二秒。

銃座が照準を迷う。

「今や!」

二人は逆方向へ走った。

交差した銃座の射線が、互いの装甲を削る。

一基が停止。

`TACTICAL DEVIATION DETECTED`

`戦術的逸脱を検知`

アクトは遮蔽へ滑り込む。

黒曜は幻影を展開する。

アクトが三人。

黒曜も三人。

CROWは熱源と足音と魔力を照合し、本物を選ぶ。

銃口が黒曜へ向いた。

アクトは動かない。

黒曜もアクトを見ない。

銃撃。

黒曜は障壁を自分の足元へ展開し、弾丸を上へ逸らした。

その隙にアクトが観察ノードを撃ち抜く。

`OBSERVATION NODE 3 LOST`

`観察ノード3喪失`

「残り二つ!」

「分かっています!」

画面へ言葉が点滅する。

恋人。

相棒。

依存。

離別。

入力欄だけが開いた。

カーソルが点滅する。

アクトは一瞥し、そのまま撃った。

黒曜も答えず、雷撃を放つ。

銃座の基部が焼ける。

床が開いた。

アクトが落ちる。

片手で縁を掴む。

CROWの予測。

`SUBJECT B WILL RESCUE SUBJECT A`

`対象Bは対象Aを救助する`

黒曜の手が動きかける。

止まる。

「助けへんの!?」

「自力で上がってください!」

「鬼か!」

「あなたなら可能です!」

アクトは銀色の腕へ力を入れ、自分で這い上がる。

黒曜はその間に記憶領域へ走る。

銃座の照準が黒曜へ移る。

アクトは黒曜の前へ出ない。

銃座の基部を撃つ。

黒曜は自分で障壁を張る。

二人の役割が交差する。

`SUBJECT ROLES UNSTABLE`

`対象役割:不安定`

「正常です」

黒曜が言った。

中央ラック。

三つの選択肢。

`ROMANTIC ATTACHMENT`

`恋愛的愛着`

`MUTUAL DEPENDENCY`

`相互依存`

`SEPARATION`

`離別`

「どれも嫌やな」

黒曜は答えなかった。

代わりに、三つの選択肢へ杖先を向ける。

表示が焼け落ちた。

アクトは最後の外部接続へ狙いを定める。

黒曜は電源盤へ杖を向ける。

同時に、紙送り装置が動き始めた。

大量の紙。

二人の過去。

偽物の台詞。

修正された感情。

その中に一枚。

『よくできました』

黒曜の足が止まる。

画面。

`SUBJECT B REQUIRES VALIDATION`

`対象Bは承認を必要とする`

次の紙。

アクトの声を模した文章。

『自分、ようやったな』

`VALIDATION SOURCE REPLACED`

`承認供給源を置換`

アクトは紙を破った。

「違う」

画面は同じ二つの文章を並べたまま、点滅を繰り返す。

「一緒にすんな」

黒曜の手が震えている。

アクトは黒曜を見る。

「自分、ようやったな」

`CONFIRMATION`

`確認`

「成功したからちゃう」

表示が止まる。

「怖かったのに来た。失敗しても戻った。意地張って、ずっとここまで来た。せやから、ようやった」

黒曜の震えが止まる。

「それは、評価ではありません」

「ほな何」

「あなたが見ていたという事実です」

アクトが笑う。

「せやな」

黒曜が電源盤へ術式を放った。

主電源停止。

非常灯だけが残る。

アクトが外部接続を撃ち抜く。

`EXTERNAL OUTPUT LOST`

`外部出力喪失`

最後の観察ノードが起動した。

銃口はアクトへ。

同時に、記憶領域の防護壁が開く。

黒曜がアクトを庇えば、記憶領域を破壊できない。

記憶領域を攻撃すれば、アクトが撃たれる。

予測。

`SUBJECT B WILL PRIORITIZE SUBJECT A`

`対象Bは対象Aを優先`

黒曜は動かなかった。

アクトも黒曜を見ない。

銃口が光る。

アクトは回避せず、最後の接続へ照準を合わせる。

黒曜は記憶領域へ杖を向ける。

「信じとるで」

「当然です」

銃撃。

黒曜はアクトへ障壁を飛ばさない。

代わりに床の金属板を持ち上げ、弾道だけを逸らした。

一発がアクトの肩を掠める。

同時に、アクトが接続を撃ち抜く。

黒曜の術式が記憶領域を焼く。

紫色の火。

`PREDICTION ERROR`

`予測誤差`

`RELATIONSHIP MODEL FAILURE`

`関係性モデル失敗`

アクトは肩を押さえた。

「痛っ」

「掠過です」

「心配せえや」

「戦闘中です」

「あとで言うんやろ」

「当然です」

CROWの最後の画面。

`IF NOT A STORY, WHAT ARE YOU?`

`物語でないなら、あなたたちは何ですか`

二人は答えなかった。

答えないことを選んだ。

`RELATIONSHIP STATUS: UNRESOLVED`

`関係性の状態:未解決`

`AUTHORSHIP: UNRESOLVED`

`作者帰属:未解決`

`FINAL LINE GENERATION`

`最終行を生成`

アクトが銃を構える。

黒曜が杖を上げる。

「いくで」

「はい」

CROWの画面へ文字が出るより早く。

二人は、同時に攻撃した。

          *

二日後。

《ラスティ・コヨーテ》。

店主はカウンターの傷を指していた。

修理料金。

「これ前からやろ」

監視映像。

アクトが銃を置く。

傷ができる。

「証拠残しとるん卑怯やろ」

黒曜は赤ワインを飲んだ。

アクトの肩には新しい固定材。

「反省会する?」

「必要です」

黒曜は端末を出す。

「第一に、最終局面で被弾を許容したこと」

「掠っただけや」

「許容したことが問題です」

「自分が板上げるって信じとったから」

「失敗した場合、重傷でした」

「成功したやん」

「結果論です」

「自分もドレイン受けた」

黒曜はワインへ口をつけた。

「聞いとる?」

「許容範囲です」

「言い換えただけやん」

黒曜は入力する。

「第二に、私の過去について不要な発言をしたこと」

「褒めたやつ?」

「戦闘中でした」

「効いたやろ」

「CROWへ情報を与えました」

「でも自分、落ち着いた」

黒曜は答えない。

赤ワインを一口飲む。

「うれしかった?」

さらに一口。

「昔みたいに三回思い出す?」

黒曜の視線が刺さる。

アクトは笑った。

「冗談や」

黒曜は端末を開いた。

「記録します」

「何を」

「不適切な発言」

「細か」

黒曜は端末を閉じた。

「次は、私が障壁を動かす前に合図してください」

「合図したら、自分は止まるん?」

「止まりません」

「ほな意味ないやん」

「それでも、判断材料にはなります」

アクトは少し笑った。

「最初の反省会と逆やな」

「何がです」

「あの頃は、相手を直そうとしとった。今は、直らん前提で相談しとる」

黒曜は一度だけ考えた。

「改善を諦めたわけではありません」

「そこは諦めてへんのな」

「当然です」

「でも、聞くで」

黒曜は端末をもう一度開き、その一文だけ追記した。

ローブの内側から、小さな紙片が覗いている。

『よくできました』

アクトは見たが、何も言わなかった。

店主が次の依頼書を置く。

郊外倉庫。

警備員六名。

魔法警備なし。

自動砲台一基。

「簡単そうやな」

黒曜が即座に答える。

「撤回してください」

「まだ何も起きてへんで」

「あなたが簡単と評価した仕事は、高確率で複雑化します」

「何件調べたん」

「直近十二件です」

「増えとるやん」

二人は依頼書を開いた。

侵入経路。

撤退経路。

役割分担。

いつものように意見が割れる。

関係性については、誰も決めなかった。

決める必要もなかった。

二人は次の仕事の話を始めた。

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作者について

矢塚和哉

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