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第二十話 バルクの街で料理対決

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

あらすじ

異世界配信スローライフ ~原価10円のポップコーンでボロ儲け! 現代ガジェットで悪徳商人を論破します~ - 第二十話 バルクの街で料理対決

本文

俺たちは、急いで神聖の森を抜けて、バルクの街へ向かった。

 勿論行きは軽トラだ。

 異世界配信の方では、景色が次々と移り変わっていく様子に驚いている視聴者が多かった。

 頼む、これを売ってくれ!

 馬なしの馬車なんて、どうすれば作れるんだ!

 これは世界が変わるものですぞ!

 勿論売る気はない。自分たちで作れないものを売る気はないのだ。

 それを説明するとがっくりとされていた。

 ちなみに燃料は異世界使用の空気中の魔力を取り込んで動くエンジンになっているらしい。カレイナが軽トラが魔力を取り込んでいることを発見して騒ぎになった。

 次は現代地球のコメント欄が騒がしくなった。

 バルクの街へ着いた。

「はあ、こんな騒動で来るとは思わなかったな」

「ユウキはすごいから、こうなる」

 ルルの言葉はちょっと言葉足らずだな。

 俺の配信の影響力が強すぎてトラブルを招くことは確かにあると思うけどな。

 門番は俺を見ると嬉しそうに騒ぎ出す!

「おお! 森の賢者、ユウキ様が来たぞ!」

「ハイシンシャだ! ハイシンシャ、ユウキがまた来てくれた!」

 街の人たちの目も何だかキラキラしてる。

 いつの間にか、ハイシンシャという職業が広まったみたいだ。

「皆、俺はそんな大した人じゃないよ」

「ユウキはすごい人ですよ」

 俺は誤魔化そうとするが、クリスが何故かよいしょし始める。

 いつもは俺を説教するのに、持ち上げているのは最近、夜の運動会で機嫌がいいからかな。

「これがバルクの街か、人が多いの」

 カゲが、尻尾をフリフリしながら、機嫌良さそうに言う。

「ユウキさん、いや森の賢者様! よく来てくれた!」

 商業ギルドの支部長バンズさんが大きな声で迎えに来てくれた。

「バンズさん、森の賢者様は恥ずかしいです」

「何をおっしゃいますか。皆、ユウキさんのハイシンを見て、目を輝かせていますよ!」

 娯楽の少ない異世界に配信があったらみんな嬉しいだろうな。

 これで映画やアニメを見せたらどうなることか。

 あ、衛兵長のヤンガスさんもいる。

「久しぶりだな、ユウキ。俺もハイシンとやらを楽しませてもらってるぞ」

「ヤンガスさん、コメントしてくれればいいのに」

「それは、ちょっと恥ずかしくてな。まあそろそろバルクの街に入ってくれ」

 確かに門の前に長居していたな。俺とルルとクリスとカレイナとカゲとコビーさん達とバルクの街に入る。

「それでハンネスブルグ商会のハンネスがレシピを自分の物だと主張していると聞きましたが」

「そうなんだ。勝手に商業ギルドにぽっぽこーんのレシピやハイシンで見た料理を登録しようとして困っている」

 確かにレシピ登録をするのを忘れていたな。

「しかも、ハンネス達が作ったぽっぽこーんはめちゃくちゃ出来が悪くてな。ぽっぽこーんのイメージダウンに繋がりかねない」

 それは困るな。大方使っている油が悪いんだろう。

 俺が何とかしなくちゃな。

「俺にいい案があります」

「それはなんだ?」

「料理対決を持ちかけるのです」

「それは面白そうだな。すぐに周知しよう」

 俺とバンズさんはにやりと笑う。

 使う食材はバルクの街で作られている小麦粉なのだが……。

「はっはっは! ようやく来たな! ハイシンシャとやらのユウキ!」

 ハンネスブルグ商会のハンネスこと無精ひげを生え散らかした親父がやってきた。

「今の会話は聞いていたぞ。そして配信を見て、貴様が何を企んでいるかもお見通しだ!」

 そうなのだ。配信を見ているとこちらの考えていることが筒抜けになってしまう。

 料理対決をすることはハンネスにはバレていたらしい。

「この街の小麦粉はハンネスブルグ商会が買い占めた! 貴様が使うのはクズ粉だけだ!」

 なるほど、そう来たか。高級な小麦粉を買い占めて、俺には古い粉しか売らないらしい。これはちょっと痛いな。

「貴様のスキルで新しい小麦粉を買うのも禁止だ! はっはっは、これで私の商会の勝利は確定だ!」

 街の人はそりゃあないだろうと、ブーイングをしているがどこ吹く風だ。

「ユウキ、これはまずいよ」

「ユウキ、どうするんだ?」

 カレイナとフレイさんが心配そうに聞いてくる。

 確かに劣勢だが……。

「受けて立とう。ただし、ハンネスが俺の配信を見るのも禁止だ。良いな?」

「な、何だと⁉」

 俺は配信の設定を脳内で開き、ハンネスブルグ商会とハンネスの息のかかっているものをブロックする。

「な、配信が見れない……だと!」

「これでフェアになったな。ついでに俺が料理対決をするまでは異世界配信の方は閉じる」

「そりゃあないぜ!」

「ユウキさん、どうにかならないか? 妻と子供が楽しみにしてるんだ」

「いや、今回は我慢してもらう」

 バルクの街の人たちや、何故かバンズさんにも懇願されたが、心を鬼にして、異世界配信の方を閉じた。

 何故かルルたちも残念にしている。ルルたちは俺と行動できるからいいでしょ?

「明後日にバルクの街の広場で料理対決をしようか。この街の名産品は必ず使うことにする」

「ぐう。だが小麦粉はクズ粉は使わせんぞ? いいな?」

「良いだろう」

 俺はクズ粉の小麦粉を渡される。

 結構量があるな。まあ在庫処分にも使われてるんだろ。

 明日はこの街の名産品を探す日にしよう。

 俺は周りが不安そうにする中、ニヤリと笑った。

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マロン64

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