第七十二話 温泉まんじゅうと温泉卵を作ろうの表紙画像

第七十二話 温泉まんじゅうと温泉卵を作ろう

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

あらすじ

異世界配信スローライフ ~原価10円のポップコーンでボロ儲け! 現代ガジェットで悪徳商人を論破します~ - 第七十二話 温泉まんじゅうと温泉卵を作ろう

本文

次は温泉まんじゅうだ。

 最初に用意した小麦粉、手作りあんこ、砂糖、重曹を使う。

「黒砂糖だとまた違う色合いになります。どっちがいいでしょう?」

「そうだな、黒でもいいのだが……」

「私は白がいいと思いますわ。この世界では白い物はとても価値が高いと言われます」

 俺の言葉にビルク伯爵が迷い、クラリアさんが答えを出してくれる。

 でも黒い物はダメなのか?

 俺が聞いてみるとランドさんが答えてくれる。

「黒は黒でまた価値があるのだよ。白と黒は吉兆の色だと言われている」

「そうなんですね。黒色は縁起が悪いとか言われてそうでした」

「古の賢者、コウダイ様が好きだった色が白と黒なのだ。昔は黒色は邪悪だと言われていたがそれで変わったと言われている」

 へ~。コウダイ様の影響なのか。白と黒は現代地球のファッションのオーソドックスな色だよな。俺もよく着てたよ。

 では、作っていこう。

「まず鍋に白砂糖と水を入れて、沸かさないように煮溶かします」

 まあ弱火でいいだろう。

「貴重な白砂糖がここまでぜいたくに使われていると地球とやらの世界は本当に裕福なのだと感じるな」

「まあ、食材は本当に豊富でしたね」

 ビルク伯爵の呟きに応える。

 深皿に入れて、粗熱を取り、水で溶いた重曹を加える。

 何故重曹を加えるのかは俺も知らないんだよな。

 多分生地が膨らむからだと思うんだけど。

 小麦粉をさっきの物に加えて、木べらで混ぜる。

「この後、台に小麦粉を振っておきます」

「何故、小麦粉を振るのだ?」

「打ち粉といって生地と台がくっつかないためですね」

「なるほど、勉強になります!」

 冒険者ギルドの中の料理人が嬉しそうに返事をしてくれる。

 たまに悪人もいるけど、この世界の人はいい人ばかりだ。

「生地を二つ折りにして伸ばす。この作業を繰り返して、生地を滑らかにします」

「ユウキの手は魔法みたいに美味しい料理を作りますね」

 アナリザ様が褒めてくれるけど、コメントが教えてくれたレシピ通りに作ってるだけなんだよな。俺は大した人間じゃない。

 最後に生地を分けて、手作りあんこを包む作業をする。

「ここは皆でやりましょう。手を洗ってきてください」

「何故手を洗うんだ?」

「食材に触れるものは何でも清潔にしておかないと、食中毒を起こす場合があります」

「なるほどな。異世界の知恵か」

 俺は石鹸をママゾンで買って、冒険者ギルドの近くの井戸で皆に手を洗ってもらう。

 石鹸も卸してほしいと言われたので、承諾した。

 皆、手を洗ったら、皆でワイワイと温泉まんじゅうを包む。

「これは楽しい」

「初めての料理体験ですわ」

「聖女として炊き出しをしたことはありますが、お菓子作りは初めてですわ」

 カレイナ、アリアはおぼつかない手つきながら楽しそうだ。

 エメリアは要領がいい。器用に生地にあんこを包んでいる。

 餓狼の五人も騒ぎながらまんじゅうを作っていた。

 ランドさん、クラリアさん、ビルク伯爵、アナリザ様も楽しそうだな。

 ちらっとコメント欄を見ると、新メイド長のルルーシュがコメントしていた。

「ぐぬぬ、私のご主人様と料理を作る絶好の機会があああ!」

 なんか、ちょっと悪役に見えたのは内緒だよ。

 ルルーシュはダンジョンの攻略の前に帰ったからな。

 まあメイドの本分の仕事はちゃんとやってほしい。

 メイド長のフランシスさんとコメントで喧嘩しているのには笑ったよ。

 皆で作った饅頭はちょっと不ぞろいだが面白い。

「後はせいろという竹で作った蒸し器で蒸すのです。温泉の蒸気が出ているところはありますか?」

 近くにあると言うので、そこにせいろを設置して、三十分から四十分待つ。

 次は温泉卵だな。

「不思議なにおいのお湯は近くに出るところがありますか?」

「どうなんだ? 支部長」

「はい。ですが結構熱いし、匂いが独特なので、案内するのは……」

「良いのだ。行こうではないか」

 俺はママゾンで温度計を買って、そこのお湯に向かう。

 匂いはゆで卵の腐った匂いがする。

 間違いなく、硫黄の温泉だ。

「ユウキ、結構臭い。これ、本当に美容にいいの?」

 カレイナが心配そうに聞いてくる。

 うーん。このままだと熱すぎるから、入るなら水を汲んできて、適温にする必要があるな。

「入ると癖になるぞ~。だけど、ちょっと熱すぎるな。温泉卵を作るにはこれがいいんだけど、入るとするなら、ため池を作ってそこから温泉と川の水を混ぜ合わせる必要があるんだ」

「なるほどな。温泉として使うのには時間がかかるのか」

「はい」

 とりあえず七十度くらいの温泉に網に入れた大量の卵を浸からせる。

 何故七十度なのかというと、白身と黄身の固まる温度が違うのだ。

 それの間がちょうど七十度という訳である。

 温泉卵は白身がプルプルで黄身が固まっていておいしい。

 そして、最大の変化は……。

「あれ、白い卵が黒くなっていくわ!」

「これは、古の賢者、コウダイ様の愛した白色と黒色だ!」

「神の遣わせた奇跡だ」

 クラリアさん、ランドさん、ビルク伯爵が手を合わせて、神に祈ってる。

 卵の殻のカルシウムと硫黄の化学反応のお陰とは言いづらいなあ。

「ユウキは何で黒くなったか知っているの?」

 カレイナがこっそり聞いてくる。

「内緒」

「むう……」

 俺は口を尖らせるカレイナとイチャイチャする。

 ランドさんの視線が俺に刺さる!

 クラリアさん、アナリザ様はともかくあんたは何なんだ!

 エメリアとアリアともボディタッチしながら時間を待つ。

 そろそろ、温泉卵と温泉まんじゅうがいい感じだな。

 皆に食べてもらおう! 温泉に入るのはまたの機会だな。

ジャンル・タグ

, , , , , , ,

作品統計

👁️ 閲覧数: 0 👍 いいね: 0 📚 本棚登録: 0

作者について

マロン64

マロン64

カクヨム、なろうで小説投稿していましたがこちらでも新作を投稿することにしました。フォロー、コメントお待ちしております。

👥 フォロワー: 2人

作者ページを見る