【37番外】気分ラムネは宇宙味の表紙画像

【37番外】気分ラムネは宇宙味

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/9/9 📚 シリーズ: 時環遊技場 📝 1,515文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

ChatGPTと一緒に制作した、「時環遊技場」短編集です。 舞台は、未来都市・郊外第9区。昭和の手打ちパチンコから平成中期のCR機までが残る古い遊技場に、人間、ロボット、アンドロイドが集まる。そしてそこでは時々、不思議なことが起こる。ちょっと懐かしくて、少し不思議なパチンコ店の物語。

本文

店主が選んだお菓子、雑貨類の景品がカウンターに並んでいる。その中の菓子コーナーに小さな瓶があった。

ラベルには、丸い文字で「気分ラムネ」と書かれている。

瓶の側面には、指で文字を書くための特殊な小さなスペースがあった。

「気分を書くと、味が変わるんだって」

店主はさっそく指先を滑らせた。

『楽しい』

しばらくすると、ラムネの色が変わった。

店主が一粒、口に入れる。

「ソーダ味だ」

従業員アンドロイドは、データフード版のラムネの容器に気分を書いた。

『面白い』

ラムネが淡く光ったあと、別の色に変化した。従業員アンドロイドも一粒つまむ。

「……コズミックライチ味です」

「ちゃんと味が変化するんだね」

次に店主が書いたのは、『懐かしい』。今度は、昔ながらのラムネを思わせる味になった。

「おお。これは懐かしい」

店主は嬉しそうに瓶を眺めた。

常連のアンドロイドも、気分を書いたデータフード版の気分ラムネを一粒食べた。

「これはアスコルビーレモンティ味です!とても酸っぱい!」

店主は笑った。

今度は店主が瓶に、『期待』と書いた。ラムネの味が変わる。

「……アイスピーチ味です。これが期待の味!」

店主が笑った。

ほかの常連客も興味を持った。店主が、『元気』『眠い』『勝ちたい』『お腹すいた』と順番に書いていく。そのたびに味が変わる。

「面白いねぇ」

店主はすっかり気に入ったようだった。

しばらく味見を続けたあと、店主は少し考えてから、瓶の文字を書く欄に指を置いた。

『リラックス』

ラムネの色が、ゆっくり変わった。

「おや?」

店主が一粒、口に入れる。その瞬間、目がぱっと輝いた。

「……電気黒生ビア味だ!」

香ばしい苦みと、黒ビールを思わせる風味。未来都市で有名なビール、その味がラムネの中にちゃんと再現されている。

「いやあ、これはいいなぁ」

店主は嬉しそうに、もう一粒つまんだ。

「店主、ビアお好きですよね」

「大好き」

即答だった。

従業員アンドロイドがラムネの粒をスキャンし、成分を確認する。

「アルコールは含まれていません」

「うん。分かってるよ」

店主は笑いながら、もう一粒を口に入れた。

「でも、これはちゃんと電気黒生ビアだなぁ」

その後も、店主は思いついた言葉を瓶に書いていった。

やがて常連のひとりが、「今度はこれで」と、記入欄に『いつもの』と書かれた瓶を店主に差し出した。

色が変化したラムネを一粒、店主がつまんだ。

「……コーラ味。時環遊技場でいつも出してるやつだね」

店主は満足そうに笑った。

そして、味見もそろそろ終わりかけたころ。店主は最後にもう一度、瓶を手に取った。気分以外を書いたらどうなるのか。今度は少しだけ迷ってから、文字を書いた。

『時環遊技場』

ラムネの色が変わった。

店主が一粒、口に入れる。甘い。けれど、それだけではない。すぐに酸味が広がり、その奥にほんの少しの苦味と旨みが重なる。舌の上には、かすかなビリビリとした刺激が残った。

店主はゆっくり味わってから、満足そうに頷いた。

「……ベリー系、でしょうか。でも、普通のベリーじゃない」

店主は瓶の中のラムネを眺めた。

「こんな話を聞いたことがあります。宇宙はベリーのような香りがする、と」

「宇宙と時環遊技場に、関連性があるのでしょうか」

「さあ?」

店主は笑った。

「でも、なんとなく……この店には、この味が似合う気がするんだよねぇ」

店主はもう一粒、実物のラムネを口に入れた。

甘くて、酸っぱくて、少し苦い。その奥に、ほんの少しの旨み。

そして、舌の上でかすかにビリッとする。

「うん。時環遊技場の味だ」

店主は満足そうに笑うと、気分ラムネの小さな瓶をポケットにしまった。

「これは、しばらく持っておこう」

そうして店主は、またいつもの仕事へ戻っていった。

ジャンル・タグ

,

作品統計

👁️ 閲覧数: 4 👍 いいね: 0 📚 本棚登録: 0

作者について

蘇轍

ぱちんこは、「遊ぶための機械」でありながら、「機械そのものを眺めるための機械」でもある。

👥 フォロワー: 1人

作者ページを見る