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【38番外】 電器屋で見つけたもの

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/9/10 📚 シリーズ: 時環遊技場 📝 1,495文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

ChatGPTと一緒に制作した、「時環遊技場」短編集です。 舞台は、未来都市・郊外第9区。昭和の手打ちパチンコから平成中期のCR機までが残る古い遊技場に、人間、ロボット、アンドロイドが集まる。そしてそこでは時々、不思議なことが起こる。ちょっと懐かしくて、少し不思議なパチンコ店の物語。

本文

時環遊技場の店休日。

店主と従業員アンドロイドは、未来都市のほうへ出かけていた。

郊外から都市部へ向かう途中、二人は一軒の古びた電器店の前で足を止めた。

店先には最新型の端末や家庭用ロボットが並んでいる。その横には少し色褪せたラジオ、古いCDプレーヤー、丸みを帯びたポップカラーの家電まで置かれていた。

看板には、電器・電子部品 なんでもあります とある。

「……なんでも、ですか」

店主の目が輝いた。

扉を開けると、カラン、とベルが鳴った。

店内にはケーブル、端子、基板、変換アダプター、工具、スイッチ、コンデンサなどが所狭しと並んでいた。最新規格のケーブルの隣に何十年も前の端子があり、その下には古い工具や、用途の分からない部品まで並んでいる。

「うわぁ……」

店主は思わず声を漏らした。

棚の前をゆっくり進みながら、気になるものを次々と手に取っていく。

古い端子を指先で確かめ、ケーブルを眺め、小袋に入った抵抗器を見つければ、嬉しそうに手のひらへ乗せる。

「これ、まだあるんですねぇ」

別の棚ではコンデンサを見つけた。

「おお……こっちにも」

さらに古いスイッチを見つけた。カチッ、と押してみる。

「いい感触だなぁ」

従業員アンドロイドは、その後ろをついて歩く。店主の歩く速度が、明らかに遅くなっていた。気になるものがあるたびに立ち止まるからだ。

「店主、先ほどからほとんど進んでいません」

「そうなんですよねぇ」

店主は笑いながら、また棚へ目を向ける。

「こういう店、楽しいなぁ」

店の奥には、「電子部品・在庫品」と書かれた棚があった。

箱を眺めていた店主の手が、ふと止まる。

「……ん?」

一つの箱を引き出す。中には、何枚もの電子基板が入っていた。

店主はその中から一枚を取り出した。表面を眺め、部品の配置を見る。コネクタを確かめ、裏返して基板のパターンまで見る。

その表情が、少し変わった。

「これ……」

もう一度、表側を見る。

「パチンコの基板ですねぇ」

従業員アンドロイドも覗き込む。

「パチンコですか?」

「ええ。しかも、平成初期頃のですね」

店主は嬉しそうに、もう一枚取り出した。

「こっちもそうだ」

さらに一枚。

「……これも」

箱の中には、同じ時代のものらしい基板が何枚も入っている。

店主は一枚ずつ手に取り、部品を眺めていく。

「いやぁ、凄いなぁ……」

声が弾んでいる。

どうしてこんなものが、この電器店にあるのか。店主は気になった。

店員によれば、昔の倉庫から出てきたものらしい。何に使うものか分からなかったが、電子部品には違いないので、この店で預かっていたという。

「なるほど……」

店主は頷きながら、また基板を見る。そして、箱の中身をもう一度確認した。

「これ、全部ください」

迷いはなかった。

「全部ですか?」

「はい。全部」

動作するかどうかも分からない。部品取りになるかもしれない。

それでも店主は嬉しそうだった。

従業員アンドロイドが、次々と箱詰めされていく基板を見ながら尋ねる。

「保管場所は?」

「……帰ってから考えましょう」

そう答えた店主は、すでに別の棚を見ていた。

「……あっちも気になりますねぇ」

従業員アンドロイドは、黙って後を追った。

結局、店を出る頃には、二人の荷物はすっかり増えていた。

未来都市の片隅に残る、古びた電器店。

そこに眠っていたのは、かつて遊技場で働いていた電子基板だった。

どうしてここへ流れ着いたのか。店員にも分からない。

店主も、それ以上は聞かなかった。ただ、昔の機械を支えていた部品が、こうしてまだ残っている。それが嬉しかった。

「いやぁ、いい店でしたねぇ」

大量の電子部品を抱えながら、店主は満足そうに笑い、時環遊技場へと帰っていった。

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作者について

蘇轍

ぱちんこは、「遊ぶための機械」でありながら、「機械そのものを眺めるための機械」でもある。

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