魂は漂白できるのか?
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
見栄は捨てられますか?
本文
ある女性はプライドが高く、見栄を張って生きてきた。
そうしなければ、社交界ではバカにされ、生きていけなかったのだ。
金がなくても、金があるふり。
食事がとれなくても、とっているふり。
そうして彼女に必要な助けの手が差し伸べられることなく、呆気なく人生を終えることとなった。
気付くと彼女は、雲の上にいた。
「おかえりなさい、今回の人生はいかがでしたか?」
「悪くはなかったわ」
「あなたの人生は見届けさせてもらいました。もう無理しなくていいんですよ」
「……そう、隠してもムダってことね。わかったわ、見栄を張るのはやめる」
「賢明な判断です。……さて、次の生ですが」
「次があるんだ?」
「カピバラ、亀、なまけものだと、どれがいいですか?」
「人間じゃないの?」
「ええ、カルマの関係で」
「……その中だと、亀がいいかな」
「おや珍しい。理由をお伺いしても?」
「考えてもみて? なまけものや、カピバラだと、なまけてるって思われるじゃない? その点、亀だとどう?」
「どうなるんですか?」
「なまけて歩いてても、頑張っているように見られる。もう見栄を張らなくてもいいのよ!」
天界人は優しく微笑むと、さらなる来世に期待することにした。
<了>
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