よみがえる最悪の記憶
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
あなたにとっての最悪の記憶とは?
本文
中国物産展で、怪しい薬が売られていた。
脳に刺激を与え、自身の忘れていたい記憶を呼び覚ますという。
お値段、一個三百円。
もはや値段すらも怪しい。
しかし、好奇心には抗えない。
たとえ廃人になったとしても、どうせ大した人生ではないのだ。
「ええい、買った」
勢いに任せて金を払い、買ったその場で店員の目も構わず、グビリと飲んだ。
漢方のような何とも言えない味。
しばし遅れて、過去の映像が走馬灯のように駆け巡った。
そして忘れていたかった最悪の記憶が脳裏に蘇った。
そう、今日は……。
「うわぁあああああ、宝くじの引き換え期限過ぎてる!」
私は思わず、叫んでいた。
「え? 大金でも当たってたんですか?」
「……いや、それはわからん。でも、連番で買ってたんだ」
「じゃあ、はずれてるかもしれないじゃないですか」
店員の言葉に、私はカッとなった。
「バカを言うな! 連番なら確実に三百円は手に入る。この薬も無料になってたかもしれないんだぞ」
店員はしばし、呆気に取られていた。
「……お客さん、人生楽しいでしょ?」
店員はそれだけ言うと、店の奥に帰っていった。
<了>
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