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犬死

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/10/27 📚 シリーズ: 異伝記 📝 337文字 ✅ 全年齢

あらすじ

連作短篇の形式で語られる怪談ノワール。

本文

 野良犬のらいぬの屍骸しがいが雨に打たれて腐くさっていた。

 蛆うじが湧わいて擦り切れた毛皮の裂け目にひしめいている。地面のくぼみには水が溜たまって、屍骸しがいを浸ひたしていた。臭においは幾分やわらいでいる。

 君は、犬の死体は旨うまいんだぜ、と言って脚をもぐと、垂れ下がった太腿ふとももにかぶりついて舌鼓したつづみを打つ。

 死臭ししゅうが染みた君の髪は湿気しっけで頬ほおに張りついている。

 雨の日の暮れるのは早い。夜の中で君の歯はまだ白い。舌先で蛆うじをころがし、鼻腔びこうから腐くさった息を吐いて、君はいきなり素すっ頓狂とんきょうな声をあげる。

「いい加減、あきらめろよ。お前はもう死んだんだ」

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作者について

々不狼児

々不狼児

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