ブリムストーンと、執事の少女。
ゴルモアの社交界で、彼はこう呼ばれている。「無能な三代目」――魔力ばかり人並外れて、魔法ひとつ使えぬ穀潰し。酒に溺れ、女に甘く、会社は執事任せ。 けれど、私だけは知っている。 夜ごと霧の街へ飛び、罪人だけを狩る無音の処刑人「ブリムストーン」 裁きの前に、奪われた者たちの名を、たったひとりで読み上げる男。 十三歳の私、クロエ・アルジェントは、そんな主のもとへ半年前に押しかけた、筆頭執事。祖父の遺した技のすべてを叩き込まれ、彼の「もう一つの顔」を支える、たったひとりの相棒である。 誰よりも強くて、誰よりも優しいこの人が、どうして無能と嗤われ続けなければならないのか。歯がゆい。歯がゆくて、仕方がない。 けれど今夜も、私は水差しを傾ける。「ご主人様。朝です。正確には、とっくに昼です」 これは、罪と灰の街に生きる、英雄ではない男と、一人の少女の物語。
エピソード一覧
第1話: 天火の狩り
(2026/7/14)
第2話: 冷水の朝
(2026/7/13)
第3話: 下町の英雄
(2026/7/13)
第4話: 据え膳と氷姫
(2026/7/13)
第5話: 午餐会の蛇
(2026/7/13)
第6話: 綺麗すぎる声
(2026/7/13)
第7話: 南倉の名簿
(2026/7/13)
第8話: 泥水が似合いだと
(2026/7/13)
第9話: 南の倉、二十三の名
(2026/7/13)
第10話: 押しかけ初日
(2026/7/13)
...他14作品