俺の無勇伝

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2025/11/22 📚 シリーズ: 俺の無勇伝 📝 747文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

平凡なサラリーマン、坂本浩二。 毎日リモコンのボタンを押すように繰り返すだけの人生。 そんなある日、彼は新任の美しい秘書・結城美咲と出会う。 完璧に見えた彼女が抱える“秘密”に触れた瞬間、坂本の世界は静かに軋み始めた。 ――社長室のパソコン、消せない契約ファイル、そして「見られている」という警告。 操作されるのは、会社か、自分か。 日常が音もなく壊れていくオフィス・サスペンス。 ※こちらは友人の作品を代理で投稿しています※

本文

第二章 歯車がずれた音

「坂本さん、今日少しお時間ありますか?」

 昼休み、給湯室のドアの隙間から顔を出した結城さん。

 その声はいつもの柔らかさを失っていた。

「え、ああ……。カップ麺なんで、いくらでも時間ありますよ」

「……屋上、行きませんか?」

***

 昼の屋上。ビル風がスーツをはためかせる。

 紙コップを持つ彼女の手が小刻みに震えていた。

「社長のこと、どう思います?」

「どうって……怖いですよね。あの目。笑ってても冷たい。」

「ええ。――あの人は、人を壊す笑顔をします。」

 その言葉の冷たさに、思わず息を飲む。

「私、あの人の“契約相手”なんです」

「契約?」

 結城さんは、唇をかすかに噛んでから、静かに語り出した。

 新社長が就任した直後、社長室に呼ばれたこと。

 “君の能力を正しく使いたい”と言われ、昇進と引き換えに「個人契約書」にサインさせられたこと。

 そこには、業務外の“接待・同伴”という曖昧な項目が並んでいた。

「断れば左遷。受け入れたら、監視。どっちにしても地獄なんです」

 その声は震えていたが、涙は出なかった。

 泣く気力すら、もう残っていないのだとわかった。

「最近、社長が私のPCに遠隔監視ソフトを入れたみたいで……。でも証拠がない。

だから、あなたにお願いしたいんです」

「俺が? 一体何を……」

「社長室のPCに、私の“契約ファイル”が残っているはずです。フォルダ名は『E.Y_confidential』。それを削除してほしい。」

 社長の裏の顔。

 完璧な笑顔の下にある“支配欲”。

 それを暴く鍵が、そこにある。

「お願いします。あなたなら、誰にも疑われません。――坂本さんって、優しい人だから。」

 俺は答えられなかった。

 ただ、うなずいた。

 彼女の言葉の奥に、同じ“操り人形”の痛みを見たからだ。

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作者について

文月 澪

文月 澪

「シリアスもラブコメも、すべては“人”の物語。」 はじめまして、文月澪(ふづき みお)と申します! SFやファンタジーを舞台に、恋とアイデンティティの物語を書いています。 異世界転生...

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