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防御反応は、嘘をつく――第4話 警備員のポケット――

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2025/12/18 📚 シリーズ: 白峰灯の行動心理学事件簿 📝 1,908文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

女探偵・白峰灯が得意の行動心理学を使って容疑者を絞り込んでいくミステリー! 短編3部作を予定しています。

本文

最後に灯が会ったのは、夜間警備員の坂上大地(さかがみだいち)だった。

五十代と思われる、がっしりとした体格の男性である。

紺色の警備服を着て、表情には生真面目さが滲んでいる。無骨で、言葉数が少ない――そんな印象を受ける人物だ。

坂上が応接室に入ってきた瞬間、その身体が反応した。

灯の姿を視界に捉えた途端、坂上の肩がビクリと跳ねたのである。

まるで予期せぬ衝撃を受けたかのように、肩全体が一瞬だけ持ち上がり、すぐに元に戻った。

これは典型的な驚愕反応だ。だが、問題は、なぜ驚いたのかである。

『この人は、この面談を極度に恐れている』

坂上は椅子に座ったが、その姿勢は硬く、背筋をピンと伸ばしている。

まるで軍隊の規律のように、微動だにしない。その姿勢の硬さそのものが、内面の緊張を物語っていた。

「坂上さん、よろしくお願いします。まず、事件当夜の巡回の様子を教えていただけますか?」

坂上は一瞬だけ視線を泳がせてから、口を開いた。

「いつもの巡回でした。異常は……無かった、です」

その声は、低く、抑揚がない。特に灯が注目したのは、最後の語尾だった。

「無かった、です」という部分で、声のトーンが明らかに沈んだのである。

まるで重い荷物を背負ったかのように、言葉が下へと引きずられていく。

これは罪悪感のサイン。

人は、自分が言いたくないことを語るとき、無意識に声が沈む。

それは、その言葉を発することへの抵抗感が、声のトーンに現れるからだ。

坂上は「異常は無かった」と言ったが、その言葉には何か裏がある。

「巡回のルートと時間を、詳しく教えてください」

「22時に巡回開始。1階から順に、各展示室、廊下、非常口を確認します。23時に2階へ。企画展示室も確認しました」

「企画展示室では、何か確認されましたか?」

その瞬間、坂上の身体が動いた。

両腕が胸の前で交差し、腕を組む姿勢を取ったのである。

これは明確な自己防衛のサインだ。

腕を組むという動作は、無意識に自分の身体を守ろうとする防衛機制である。

相手の質問が核心に近づいたとき、あるいは自分が攻撃されていると感じたとき、人は本能的にこの姿勢を取る。

「展示ケースも、いつも通り施錠されていました」

坂上の声は、さらに小さくなった。

「鍵の管理について、確認させてください。展示室の入室鍵は、どのように管理されていますか?」

「警備室の鍵ボックスに保管しています。巡回時に取り出し、巡回後は必ず戻します」

「事件の夜、鍵に異常はありましたか?」

先ほどまでしっかりと組んでいた腕が、一瞬だけ解けた。

そして、坂上の左手が、無意識のうちにズボンの左ポケットへと触れた。

ほんの一瞬、指先がポケットの表面をなぞる。そしてまた腕を組み直した。

『あそこに何かがあるのね』

灯の頭の中で、情報が整理されていく。

坂上は鍵について質問されたとき、無意識に左ポケットに触れた。

だが、鍵そのものではないだろう。もしも坂上が鍵を盗んでいたなら、ポケットには触れることはないはず。

では、ポケットに入っているのは一体何なのか?

「坂上さん」

灯は、穏やかだが明確な口調で言った。

「あなたは盗んでいませんよね」

坂上の瞳孔が、わずかに開いた。

瞳孔の拡大は、驚愕や恐怖の明確なサインである。

「でも、何か展示ケースの異常に気づいたのではないですか?」

坂上の唇が、わずかに震えた。言葉を発しようとして、だが声にならない。

灯は立ち上がり、坂上の正面に回り込んだ。

「あなたのポケットに入っているもの、見せていただけますか?」

長い沈黙の後、坂上はゆっくりとポケットに手を入れた。

取り出されたのは、スマートフォンだった。

「これを……」

坂上は震える指で、スマートフォンの画面を操作した。

そこに表示されたのは、展示ケースの鍵穴を接写した写真だった。

鍵穴の周辺に、わずかな引っかき傷が写っている。

「いつ撮影されたものですか?」

「事件の前夜……23時の巡回のときです」

坂上の声は、ようやく感情を帯びた。

「いつもと違う傷があるのに気づいて。でも、自分のミスだと思われるのが怖くて……報告できませんでした」

「それで、もう一度確認に行かれたんですね」

「はい。23時半頃、もう一度展示室に行って、この写真を撮りました。でも、結局誰にも言えなくて」

灯は写真を拡大して見つめた。

傷の形状は、通常の使用では付かないものだ。

これは特殊な工具――ピッキング用の工具によるものだろう。

「坂上さん、この写真を警察に提出してください。あなたは犯人ではありません。でも、この情報は事件解決の重要な手がかりです」

坂上は、長く息を吐いた。

まるで、ずっと胸の中に溜まっていた重い空気を、ようやく吐き出したかのように。

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作者について

あいの

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あいぺん毎日更新中! AIと読書が趣味なのでAI小説を作り始めました。自分の想像した世界を、AIの力を借りながら文字に起こす毎日を楽しんでいます。

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