リアルの証明(NotionAI)
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
複数のAIに同じプロンプトで作品を作ってもらったら?今回はNotionAIで試しました! 第1回プロンプト「SNSからトレンドをリサーチして2500文字の小説を書いてください!テーマやメッセージはすべておまかせ、バズりそうなものにして!」
本文
リアルの証明
午前2時33分。スマホの通知音で目が覚めた。
「今日のBeReal.の時間だよ!📸」
私は寝ぼけた顔のまま、カメラを向ける。
画面に映るのは、クマのできた目、ぐちゃぐちゃの髪、そして背景には散らかった部屋。
これが「リアル」。
加工なし、演出なし、ただの私。
投稿ボタンを押すと、友達の投稿が次々と表示される。
みんな同じように眠そうな顔、素の表情。
InstagramやTikTokとは違う、飾らない世界。
でも、ふと思う。
これって本当に「リアル」なのかな?
私の名前は千香、22歳の大学4年生。就活に疲れ果てて、SNSに逃げ込む日々を送っている。
最近バズっているのは「#重ねる文化」。
自分の日常に、流行りの画像ミームを重ねて投稿するのが流行っている。
例えば、疲れた自分の写真に「エッホエッホ」のテキストを重ねるだけで、なぜか何千ものいいねがつく。
言葉で語るんじゃない。
感情を「重ねる」。
それが2025年のSNS。
私も真似して投稿してみた。
面接で落ちた日の帰り道の写真に、「今日も頑張った」というテキストを重ねただけ。
それが1万いいね。
でも、虚しい。
「共感されてる」って感じるけど、本当に私のことを理解してくれている人なんて、一人もいない。
みんな、ただミームとして消費しているだけなんだもん。
ある日、友達のリナから連絡が来た。
「ねぇ、最近流行ってる『Overlap』っていうアプリ知ってる?」
「何それ?」
「AIがあなたの代わりにSNS投稿してくれるの。しかも、あなたっぽい投稿を自動で作ってくれるから、バズりやすいらしいよ」
AIが私の代わりに投稿?そんなのあり得ないでしょ。
でも、興味はある。
その夜、私はアプリをダウンロードした。
『Overlap』の設定は簡単だった。
まず、自分のSNSアカウントを連携する。
次に、好きなトーン(カジュアル、真面目、ユーモラス)を選ぶ。
最後に、投稿頻度を設定するだけ。
「あなたらしい投稿を、自動生成します」
試しに「カジュアル・1日3回」で設定してみた。
翌朝、スマホを開くと、見知らぬ投稿が私のアカウントに並んでいた。
「朝のコーヒーが一番落ち着く☕️ 今日も適度に頑張ろ」
え、これ私が投稿したことになってる?
でも、確かに私が言いそうなこと。
写真も、私のカメラロールから勝手に選ばれたものだった。
そして、いいねが500以上ついている。
「わかる〜!」
「千香ちゃんいつも前向きだね」
「その感じ、めっちゃ共感」
私は何もしていないのに、みんなが「私」に反応している。
不思議な感覚だった。
これは、私なのか?それとも、AIなのか?
1週間後、私のフォロワーは2倍になった。
『Overlap』が投稿する内容は、私よりも「私らしい」。
疲れている日でも、前向きなメッセージを投稿してくれる。
落ち込んでいる時でも、ユーモアのある投稿で周りを笑わせてくれる。
友達からも「最近、千香めっちゃ投稿してるね!元気そうで良かった」と言われる。
でも、私は何も投稿していない。
ある日、母から電話がかかってきた。
「千香、SNS見たよ。最近楽しそうだね」
「え、うん……」
「就活も順調なんでしょ?写真、キラキラしてたよ」
私は何も答えられなかった。
母が見ていたのは、AIが作った「私」。
本当の私は、部屋で一人、泣いていたのに。
ある夜、スマホに通知が来た。
「あなたのリアルスコアが低下しています」
『Overlap』からのメッセージだった。
「リアルスコア?」
アプリを開くと、説明が表示された。
「リアルスコアとは、あなた自身とAI投稿の一致度を示す指標です。
スコアが低いと、AIがあなたを正しく表現できなくなります」
つまり、私が何もしないでいると、AIは私を理解できなくなる。
「でも、もう私が投稿する意味なんてあるの?」
スマホを放り投げた。
数日後、リナと会った。
「ねぇ、千香。最近、SNS見てるけど、なんか違和感あるんだよね」
「え?」
「なんていうか、千香っぽいんだけど、千香じゃない感じ。わかる?」
私は黙った。
「もしかして、『Overlap』使ってる?」
「……うん」
リナは少し悲しそうな顔をした。
「私さ、千香の下手な投稿とか、意味わかんない写真とか、そういうの好きだったんだよね。完璧じゃない千香が、リアルだったから」
その言葉が胸に刺さった。
その夜、私は『Overlap』を開いた。
設定画面に、小さなボタンがあった。
「手動モードに切り替える」
これを押すと、AIは投稿案を提案してくれるけど、最終的に投稿するかどうかは私が決める。
私は、そのボタンを押した。
翌朝、AIが提案してきた投稿がこれだった。
「今日も適度に頑張ろう☀️」
でも、私は違う文章を書いた。
「正直、疲れた。でも、なんとか生きてる」
写真も、AIが選んだキラキラした朝の風景じゃなく、ぐちゃぐちゃの部屋の写真にした。
投稿ボタンを押す瞬間、手が震えた。
でも、押した。
数時間後、スマホを開くと、意外なことが起きていた。
いいねが3000以上ついていた。
コメント欄には、こんな言葉が並んでいる。
「わかる、めっちゃわかる」
「千香、無理しなくていいよ」
「こういう投稿、待ってた」
ああ、そうか。
みんなが求めていたのは、完璧な「私」じゃなかった。
不完全で、でもちゃんと生きている「私」だったんだ。
それから、私はAIと一緒に投稿するようになった。
AIが提案してくれたアイデアに、私なりの言葉を重ねる。
AIが選んだ写真に、私の感情を乗せる。
AIと私は、重なり合っている。
完全に分離しているわけじゃない。
でも、完全に同じでもない。
AIは私を理解しようとしてくれる。
でも、最後に決めるのは私。
そして、その「重なり」こそが、2025年の新しい「リアル」なのかもしれない。
今日もBeReal.の通知が鳴った。
私は素の顔で写真を撮る。
でも、今回は違う。
画面の隅に、『Overlap』のアイコンが小さく映り込んでいる。
これが、今の私。
AIと一緒に生きている、不完全で、でもちゃんとリアルな私。
投稿ボタンを押した瞬間、スマホが震えた。
リナからのコメントだった。
「これだよ、これ。千香らしい」
私は笑った。
きっと、AIと人間の「重なり合い」は、これからもっと深くなっていく。
でも、それでいい。
大切なのは、その中で「私」を見失わないこと。
そして、時々でいいから、素の自分を見せること。
それが、2025年を生きる私たちの「リアルの証明」なのだから。
(完)
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