第7節「旅路の再開、揺れる想い」
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あらすじ
《蒼真、神殿に立つ ― 異界の剣聖は、美しき仲間と共に》
本文
# ◆ 第2章「影の騎士と白銀の舞姫」
## ――第7節「旅路の再開、揺れる想い」――
翔を“影”に奪われた翌朝。
夜露に濡れた草原を、蒼真たちはアストレア方面へと歩き出していた。
空は高く澄み、朝の風は柔らかい。
しかしその雰囲気とは裏腹に、蒼真の顔は暗い。
(翔……無事でいてくれ)
歩きながら拳を握る。
悔しさも焦りも隠せない。
そんな蒼真の横に、そっとみのりが寄り添った。
「蒼真さん……大丈夫ですか?」
蒼真は小さく息をついた。
「……俺が甘かった。
翔の内側に、ここまで影が食い込んでいたなんて……気づけてなかった」
「でも……蒼真さんは翔くんを救おうとした。それが大事です」
みのりは穏やかな笑みで蒼真を見上げた。
「昨日の蒼真さん、すっごく格好良かったですよ。
“仲間を見捨てない”なんて、誰にでも言えることじゃないです」
蒼真は一瞬驚き、照れたように視線をそらした。
「……ありがとうな、みのり」
みのりは胸の奥がきゅうっとなるのを感じる。
(好き……この人のこういうところ……)
頬を染めながら、そっと腕を触れさせようとした――が。
「よっ、みのり。蒼真さん独占はナシな?」
砂月がスッと横から割り込んできた。
「わっ!? さ、砂月ちゃん……!」
蒼真は少し苦笑する。
「砂月、お前も翔のこと……気にしてたんだな」
「当たり前でしょ。
同じ世界から来て、職業は違っても仲間だもの」
砂月は────ほんの少し、不安そうに続けた。
「……それに。
ああやって影に飲まれていくの、なんだか他人事じゃないっていうか……」
その言葉に蒼真の表情が引き締まる。
「大丈夫だ。
俺がお前も、みのりも、彩香も……全員守る」
砂月はその言葉に一瞬、頬が赤くなった。
「そ、そんなド直球で言われたら……惚れるでしょ、普通……」
小声だったが、みのりの眉がぴくっと跳ねた。
「さ、砂月ちゃん!? 今さら何言って……!」
「え、だって惚れてるし?」
「し、知ってるけど……っ!」
二人が軽く火花を散らす横で、彩香はくすっと微笑んでいた。
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## ◆ ● 彩香の“視線”
(みんな……優しい方たち……
でも……)
彩香は蒼真の背中をじっと見つめる。
(私……昨日、少しだけ気づいてしまったんです。
私は……蒼真様のためなら、命を使える)
胸の奥が熱い。
恋というより、もっと深い“奉仕”の感情にも似た何か。
だがその感情を胸に秘め、彩香は穏やかに微笑んだ。
「蒼真様。
今日の移動、私も前衛に立ちます。
影の気配があればすぐ知らせますね」
「ああ、頼りにしてる」
その一言で、彩香の胸はぱっと明るくなった。
(この言葉だけで……何度でも戦えます……)
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## ◆ ● 次なる目的地
しばらく歩いたところで、蒼真が足を止めた。
「この先にある商人の宿場町“ルミナ”で一度休む。
影虫の群れと翔との戦いで、誰も満足に休めてないだろ」
「やった〜! ルミナって温泉あるんだよね!?」
砂月がぱっと顔を明るくする。
「え、温泉……!?」
みのりの瞳が星のように輝く。
「私……そんな、露天で……蒼真さんと……」
「いや一緒には入らないよ?」
みのりは耳まで真っ赤になった。
「そ、そっかあああっ!! そりゃそうだよね!? ごめん!!」
「むしろ期待してたのか?」
蒼真がからかうように笑う。
「ち、違う違う違う!!」
みのりは顔を真っ赤にしながらバタバタする。
砂月と彩香はそれを見て微笑んだ。
(……かわいい子だなぁ、みのり)
(……私も、負けませんからね……)
こうして3人のヒロインの“揺れる想い”を乗せながら、蒼真たちはルミナへ向かう。
しかし、この先で待ち受けるのは――
“それぞれの心”を試す出来事だった。
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