第6節「崩れゆく影、残された謎」
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あらすじ
《蒼真、神殿に立つ ― 異界の剣聖は、美しき仲間と共に》
本文
# ◆ 第2章「影の騎士と白銀の舞姫」
## ――第6節「崩れゆく影、残された謎」――
蒼と黒、そして彩香の銀光。
三つの力が激突し、世界を揺らすような爆轟が草原に響き渡った。
衝撃波が吹き抜け、草が一斉になぎ倒される。
「……っ!」
蒼真は翔の影剣を真正面から斬り伏せた。
銀光の後押しもあり、蒼い刃は黒い影を裂きながら進む。
翔の身体が大きく弾き飛ばされた。
「ぐっ……が……ッ!?」
影を纏った翔のコートが破れ、黒い霧が散りながら空中で四散する。
地面に転がり、翔は苦しそうに咳き込みながらも立ち上がろうとした。
「……チッ……クソ……蒼真……てめぇ……」
しかし影の気配は明らかに弱まっている。
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## ◆ ● 勝負は決した
蒼真は剣を構えたまま近づく。
その背後では銀光が収まり、彩香がふらりと膝をついた。
「彩香ちゃん!」
みのりがすぐに駆け寄り、肩を抱える。
「だいじょうぶ、大丈夫です……ちょっと力を使いすぎただけで……」
砂月も隣にしゃがみ込む。
「あなた……ほんとにすごい……。助けられっぱなしだわ、私」
彩香は少し恥ずかしそうに微笑んだ。
「いえ……蒼真様のためなら、どう使ってもいい力なので……」
二人は思わず頬を赤くする。
((この子、可愛いだけじゃなくて……強い……!))
同時に焦りも湧く。
((ヤバい、このままじゃ本気で置いていかれる……!))
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## ◆ ● 翔の本心
蒼真は翔の前に立ち、剣先を向けた。
「翔……まだやるつもりか?」
「……クッ……ハ……あはは……
やっぱ……お前には勝てねぇか……」
翔は悔しさに歪んだ笑みを浮かべ、地面に手をつく。
「俺……この世界に来た時、影の奴らに言われたんだよ。
“お前の力は特別だ。望むものをくれてやる”ってな」
「影虫に……?」
「正確には……影虫みてぇな奴らの“親玉”みたいなやつだ」
翔が苦しそうに喉を鳴らす。
「そいつが言った。
“蒼真という男を殺せば、影の王の座を与える”……ってな」
「……!」
蒼真は眉をひそめる。
「影の王……?」
「さぁな……俺はどうでもよかったんだよ。
ただ……ムカついてただけだ。
お前だけ、なにもかも手に入れてよ……」
「翔……」
「女も、力も、仲間も……
俺にはなかったもんを、全部だよ……!」
翔は蒼真をにらむ。
「全部奪ってやりたかった……それだけだ……!」
蒼真はしばらく黙っていた。
だがやがて、剣を下げた。
「……翔。
お前は昔から不器用で、すぐ意地張って……
でも本当は……誰よりも優しかった」
「い、言うな……!」
「だから俺は、まだ見捨てるつもりはない」
「……ッ!」
翔は悔しそうに唇を噛んだ。
「だが、今は逃がすわけにはいかない。
話してもらうことが山ほどある」
蒼真が手を伸ばす。
「来い、翔」
「……ふざ……けんな……!」
翔は蒼真の手を払おうとした。
その瞬間――翔の身体から黒い霧が爆ぜるように噴き出した。
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## ◆ ● 影の暴走
「……えっ?」
翔は驚いた表情のまま胸を押さえる。
「な……に……だ……?
影が……暴れ……ッ……!」
黒い霧が勝手に翔の身体を覆い、暴走するかのように膨れ上がる。
「翔!!」
蒼真が駆け寄ろうとする。
しかし黒い霧は弾けるように広がり――
翔の身体ごと、影の中へ飲み込むように消えていった。
「翔!!!」
蒼真の叫びが草原に響く。
直後、地面に黒い痕跡だけが残り、翔の姿はどこにもなかった。
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## ◆ ● 影の“脅威”はまだ終わらない
「どこへ……連れていかれたんだ……?」
蒼真は拳を握りしめ、悔しそうに歯を食いしばる。
みのり、砂月、彩香が蒼真のそばへ集まった。
「蒼真さん……翔くんは……」
「今のは……影の仕業ですか……?」
「たぶん……“影の王”とやらに回収されたんです……」
蒼真は息を吐き、ゆっくりと立ち上がる。
「影の勢力は……ここまで干渉してきている。
影虫の大群なんて序の口だったんだ」
そして空を見上げる。
「翔も……必ず取り戻す」
みのりがそっと蒼真の手を握った。
「蒼真さん……私たちも一緒に戦います。
絶対……ひとりにしません」
砂月も彩香も、強くうなずく。
「そのためのチームですから」
「蒼真様を……お守りします」
蒼真は仲間たちを見渡し、静かに頷いた。
「行こう。
次は影の親玉を――叩き潰す」
こうして、影の脅威の本格的な幕が上がる。
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