第9話 敗戦の傷跡

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/1/7 📚 シリーズ: VVB(Virtual・Venus・Baseball)、Vtuberと女子野球が=になった世界で 📝 2,090文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

VVB(Virtual・Venus・Baseball)、Vtuberと女子野球が=になった世界で - 第9話 敗戦の傷跡

本文

「ごめんなさい……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……!」

「私のせいで……うぅ……っ」

「泣くな、とは言わないが謝らないでくれ。私は大丈夫だから」

「そんな事……!」

ロッカールームで泣き崩れる私とアヤにゆら先輩が優しい言葉をかけてくれた。

監督も他のチームメイトも、ゆら先輩の気持ちを尊重してか今は遠巻きで見守っている。

「先輩達の努力を全部無駄にしてしまいました……っ」

「私がちゃんとに取れていれば……」

「君達が気にする事じゃない」

「でも……!」

「火夏、冷。よく考えるんだ」

ゆら先輩は両手をそれぞれ私達の肩に置いた。

「別に、県大会で負けようが私はプロになれる」

「ゆら先輩ならそうでしょうけど……」

「ですが全国大会の優勝を目指して皆で練習してきたのに……」

「そりゃあ全国優勝するに越したことはないけれど……その程度の事なんだ。私にとってはね。

マスコミ向けに優勝への意気込みを語ったりしたけど、私の目標はあくまでプロのトップに立つ事……アマチュア時代の栄光にはあまり興味が無いんだ」

それに、とゆら先輩は続けた。

「元々の責任は長く投げられなかった私にあるし、仮に勝てたとしても肘への不安は残ったままだからね。

寧ろ私の評価を必要以上に下げずに負けられて良かったぐらいだ」

「ですが他の先輩方は……」

「冷」

「は、はい」

アヤが他の先発方への申し訳なさを吐露した瞬間、直前まで優しく飄々としていたゆら先輩の目に怒りが宿った。

「彼女達は君に憐れまれる程落ちぶれていないよ」

「……⁉︎ い、いえ! そんなつもりでは……っ!」

「だったら先輩に対する心配や申し訳なさは捨てるんだ。

ここに自分の去就を後輩のせいにする人なんて居ないんだからね」

「はい……申し訳ございませんでした」

「うんうん。分かれば良いんだ。お時間を頂けて感謝します、監督」

「構わない。ここは霧雨が話すべき場面だ。

……とは言え、私が黙っている訳にもいかないな」

鹿倉監督はぐるりと私達見渡して……

「良く頑張った! 各々悔しい気持ちもあるだろう。

それで腐るか、糧にするか……それによって今後の野球人生が変わると言っても過言じゃない。

今日の敗北を切っ掛けに更なる飛躍を期待する。

……さぁ、我々の母校に帰ろう。前を向け、胸を張れ!

せめて応援してくれた人が誇れるように堂々としていろ!」

「「はいっ!!」」

こうして、華月学園野球部の夏大会は終わった。

家に帰ってシャワーを浴びて、ご飯を食べて、ベッドに寝転んで。

深く深呼吸をして、覚悟を決めて……SNSを開いた。

《ふざけんなよ》

《最後の最後でぶち壊しとか最悪だろ》

《ゆらちゃん可哀想……あんなのが次期エースなの?》

《世代最強投手霧雨 ゆらの3年間の努力が水の泡になりました。

これも無能な日向と涼宮のせいですあーあ》

《直球だけの奴と打てない守れない奴とか見えてる地雷だろ。コイツ等スカウトした奴クビにしろよ》

《特待生の癖に1年の時はベンチ入りすら出来ず、試合に出たら出たで役立たずとか》

《所詮ベラのスカウトに失敗した末の妥協案だからな。ベラに勝てないのは道理だった》

……分かってたけどキッツイな。

ファンの人達は擁護したり励ましたりしてくれてるけど、逆に言えばそれ意外はほぼ誹謗中傷だ。

少し前まで応援してくれていた華月学園そのもののファン(所謂箱推し)も私達を戦犯として糾弾してくるからホントに味方が少ない。

「……はぁ」

ベッドに寝転がって天井を呆然と見つめながら、深く深くため息をついた。

辛いけど、どうにかこうにか切り替えて、乗り越えていくしかない。

明日の練習まで引き摺っていたらそれこそゆら先輩達に申し訳が立たない。

「へこたれるな、日向 火夏。お前はいつも明るくて、お調子者で、女好きで……野球に対してひたむきな女じゃんか」

大丈夫。日向 火夏はこんな所で折れたりなんかしない。

※※※※※

「え、アヤ……冷が来てない?」

「あぁ。日向は何も聞いてないのか? 普段はよく一緒に登校しているだろうに」

「いや、今日はガッツリ寝坊しちゃって……

そんな日は起こしに来るんですけど、今日は来なかったので愛想を尽かして先に行っちゃったのかと……」

「お前はお前で……まぁ、涼宮の気持ちも分からなくはないが練習をサボるのはいかんな」

「あ、いや、もしかした体調崩してるかもなので!

練習終わったらボクから話を聞きに行きますので……!」

「別にそこまで怒ってる訳では無いんだが……まぁ、日向が行った方が良いだろうな。頼んだぞ、日向」

「はいっ!」

「火夏ちゃん」

「うひゃ!? あ、アイリス先輩?」

声を掛けてきたのはアイリス・ヴェール先輩。

キャッチャーとしてゆら先輩とバッテリーを組んでいた人だ。

同じポジションのアヤは特に懐いていたけど、他の後輩に対しても分け隔てなく優しくしてくれるママ味溢れる先輩だ。

「きっと冷ちゃんは深く傷付いているわ。

火夏ちゃん、どうか火夏ちゃんの気持ちを素直に伝えてあげてね?」

「? はい、ボクの気持ちを真っ直ぐぶつけます!」

正直アイリス先輩の言う事を完全に理解出来た訳じゃないけど……それでも、私が行くべきなんだろうというのは分かった。

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生獣(ナマ・ケモノ)

生獣(ナマ・ケモノ)

ほのぼのな百合も過激な百合も好き。

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