※ 第23話 教育
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
ガールズ・バント・フライ 〜打ち上げてんじゃねーよバカヤロー! と怒られるバント下手な野球少女。異世界転移し『バットに触れた物を少し浮かせる』スキルで空から落ちて来るのじゃロリ王女を助け従者になる〜 - ※ 第23話 教育
本文
「なので、幾ら仲良しでも姉妹同士で性行為をするのは一般的では無いんです。
いや、正確には性行為一歩手前と言いますか……」
ジェラルドの頼みもありエステルに色々教える事になった。
後日、エステルの自室にて2人は椅子に座って向かい合っている。
「う、む? 妾とエメルダは女同士じゃ。
子供は出来ぬ故、生殖行為には当たらぬのでは無いか?」
「性行為と生殖行為は違う物です。
生殖行為は子供……子孫を残す為の物ですが、性行為は子供を作る為の行為じゃ無いんです。
互いが気持ち良くなる為の行為なんですよ」
「気持ち良く……? 性行為と言うのは気持ちの良い物なのか? 空を飛ぶ時みたいにか?」
「私はまだ空を飛ぶ気持ち良さは分からないんですが……良い気分になるもの、と言えば近いかもしれません」
「それをエメルダと……姉妹や女同士でするのはいけないの事なのか?」
「……それ自体がいけない、という事では無いんです。
ただ、エステル様はそういう知識を持っていなくて、今回はエメルダ様がそれにつけ込むような形になったので、それは良くない事……という事です」
「ふむぅ……しかし妾は気持ち良くはなっておらぬ。それでも性行為に当たるのか?」
「側から見たらそうなります」
「今回姉妹同士でキスしたり裸で抱き合うのは一般的では無いと知った。
それでも……妾は不快に思っておらぬ。
今後もエメルダに……何ならミレーヌに同じ事を要求されても妾は応えると思う」
「当人同士がそれで良いと言うなら他人は踏み込めない領域の話にはなりますが……
うぅん……基本的には結婚、もしくはそれに近い関係にある人同士でする事なんです。
エステル様はエメルダ様やミレーヌさんとご結婚する意志はありますか?」
「結婚となると……そうは思わぬな」
「古い考えですが、結婚相手以外の人との性行為は悪い事とされている場合もあるので……」
「ならばイオリとなら良いのかの?」
「え、わ、私ですか……!?」
「運命の相手なのじゃろう? 夫婦に近い関係と呼べるのでは無いか?」
「確かにそうは言いましたが……運命の相手と言っても関係性は色々ありますし」
「難しいのぅ……」
うむむ、とエステルは眉を寄せながら唸る。
「……イオリの言う『気持ち良い』が分かれば何か掴めるかの?」
「そ、れは……」
「気持ち良いとはどういうものなのじゃ?
空を飛ぶ感覚とは違うのじゃろう?」
「その気持ち良いを体験させる行為そのものが性行為と言いますか……」
「妾一人では出来ぬのか?」
「出来ま、すけどぉ……」
「教えてほしいのじゃ!」
「うーん……」
伊織は悩む。
エステルの頼みは聞いてあげたいし、それを教えるのが自分に託された役目だと理解もしている。
だが、これは流石に……と躊躇する思いもある。
自分より年上ではあるが、見た目や情緒は殆ど子供なのだから。
「イオリ?」
「……自分の胸や股間に触れると気持ち良いと感じるかもしれません」
「ふむ」
「あ、人前でやる事では無いです……!」
「しかし妾は一人の時など無いぞ?
風呂も寝る時も常にミレーヌが居るのじゃからな」
「こういうのは自然とそうなるものですから。
エステル様に自覚が無いという事は、きっとまだその時では無いという事でしょう。
急いで覚えなければいけないものでも無いので、ゆっくりで良いんですよ」
「ううむ……分かったのじゃ」
理解はしつつも納得し兼ねる様子のエステルに苦笑しつつ。
それでもどうにかこうにか説得に成功し、その場はお開きとなった。
◇◇◇◇◇
「イオリ様、少し宜しいでしょうか」
「はい、なんでしょう」
エステルとの話し合いを終え、リビングでミレーヌからお茶を頂いている所にそのミレーヌから声が掛かった。
「姫様のお世話をお願い出来ませんでしょうか?」
「……はい? お世話とは?」
「姫様のお背中を流したり、添い寝をしたり、お食事の後に可愛いお口を拭いて差し上げたり……等です」
「それはミレーヌさんの役目なのでは?」
「エメルダ様が『自分はもうお姉様と肌イチャ出来ないのにミレーヌだけズルい!』と申されまして」
「肌イチャという単語の意味は良く分かりませんが……なるほど?」
「姫様も身の上が身の上ですし、あの傷ですので外部の者を雇うというのも……
その点イオリ様はあの傷に悲しみこそすれ怯えはしませんでした。
護衛としても優秀ですし、何より姫様も慕っておられますので」
「エステル様の方が強いと思いますけど……それに私にはそういったお世話の経験はありませんよ?」
「そう難しい技術は要求されません。
普通にお身体を洗い、普通に添い寝をして頂ければ良いのです。
大切なのは、姫様が無防備な時に信頼出来る誰かが居る事ですから」
「そういう事なら……分かりました。引き受けます」
「ありがとうございます。早速今日からお願い出来ますか?」
「はい!」
「では姫様には私から伝えておきます。イオリ様にはこちらを」
「カメラ、ですか?」
「チャンスがあれば是非」
「何のチャンスですか……同意の取れた時にしか使いませんよ?」
「それで結構でございます。こちらで脳内補完致しますので」
何に使うつもりなんだろう……と疑問に思いつつ。
怖くて聞けない伊織であった。
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