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第六章「孤独な祈り、輝く生命」

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/4/14 📚 シリーズ: たまたま拾った指輪で異世界を救う物語 📝 2,002文字 ✅ 全年齢

あらすじ

たまたま拾った一本の指輪。 それが、世界を救う“始まり”だった。 人と不思議な生物〈ユニオン〉が共に生きる世界。 指輪〈ユニオンリング〉に選ばれた少年・明道ヤマトは、 未来から来た少女アスカ、そして孤独な青年リョウガと出会う。 炎、風、時―― 相棒と心を重ね、戦い、別れ、そして再び巡る運命。 これは、 「相棒との絆」が、神さえも超える物語。 ――たまたま拾った指輪で、世界を救う物語。

本文

――宇宙に、音はない。

けれど確かに、心が震える音があった。

星々の間を漂う

《ユニオン・アーク号》の中。

ミラ・ルナリアは、

ひとり窓際に立っていた。

手に触れるのは、冷たいガラス。

その向こうで瞬く光を見つめながら、

彼女は呟いた。

「……みんな、生きてるんだね。」

アスカが後ろから声をかける。

「どうしたの? 眠れない?」

ミラは微笑む。

「眠るって、どういう感じ?」

アスカは一瞬、言葉を失った。

「……そうか。

あなた、眠ったことがないのね。」

「ええ。私は

“プログラム”だから。

星々の記録を保つために、作られた存在。

でも……こうして、風の音を感じると、

少しだけ

“人”

になれた気がするの。」

その言葉に、アスカは

そっと彼女の肩に手を置いた。

「人間でも、ユニオンでも、あなたは

“命”よ。

それだけで、私たちと同じ。」

ミラはゆっくりと目を伏せた。

「ありがとう、アスカ。

でも……私の存在が、

また争いを呼んでしまった。」

⸻

一方その頃、

ヤマトたちは戦略ブリーフィングルームで

レオンとリョウガと共に

データを見ていた。

巨大なモニターには、ノア・スレインの

艦隊が映し出されている。

『エネルギー波形、全て

“創世プログラム”

と同一反応。』

「つまり、ノアの目的は

“創世そのもの”

の再現……。」

レオンが低く呟く。

「星を創る神を、

科学で作り出そうとしてるんだ。」

ヤマトの拳が震える。

「……人がそんな領域に踏み込んだら、

もう“命”じゃなくなる。」

リョウガが冷たい声で言った。

「だが、ノアはそれを

“秩序”と呼ぶ。

感情のない完璧な宇宙。

それが奴の理想だ。」

その時、通信が入る。

『……こちらノア・スレイン。

ミラ・ルナリアを引き渡せ。

それが、この宇宙を

“正常”

に戻す唯一の方法だ。』

「ふざけんな!」

ヤマトが叫ぶ。

「ミラは

“人間”だ!

道具じゃない!!」

『彼女は“命の模造”。

生まれた瞬間から、

滅びの種を宿している。

……放っておけば、

銀河そのものが崩壊するぞ。』

通信が切れ、静寂が落ちた。

「……嘘よ。」

アスカの声が震える。

「奴の言葉を信じるな。」

リョウガが低く言うが、

ミラの顔には動揺が浮かんでいた。

⸻

その夜。

ミラはそっと部屋を抜け出し、

アーク号の外壁に立っていた。

真空の闇に光るリング状の防護シールド。

その外に、静かに彼女は浮かんでいた。

「もし、私がいなくなれば……みんな、

争わなくて済むのかな。」

その声に、背後から答えが返る。

「――勝手に消えるなよ。」

振り返ると、ヤマトがいた。

リングの光が彼の目に反射している。

「君がいなくなったら、

この宇宙、もっと寂しくなる。」

ミラはかすかに笑った。

「あなたは本当に……優しいね。」

「違うよ。」

ヤマトはリングを掲げた。

「優しさじゃなくて、

“信じたい”んだ。

命ってのは、

誰かの想いで続いてるんだって。」

その瞬間、警報が鳴り響いた。

《ギャラクシア艦隊、急速接近!

ノアのフラグシップ艦です!》

「くそっ、もう来たか!」

ヤマトたちは戦闘配置につく。

⸻

宇宙に、紅い光の網が広がった。

ノアの艦隊が

“創世粒子”

を展開し、空間そのものを拘束していく。

『ミラ・ルナリア、

君の存在はこの宇宙に不要だ。

君のデータを回収し、新たな秩序を創る。』

「ノア!!」

ミラが叫ぶ。

『君は“星の記録”。

記録は感情を持つべきではない。』

「……違う!

記録が感情を持ったからこそ、

星々は輝くの!!」

その声が宇宙に響いた瞬間、

ノアの艦から無数の光線が放たれた。

だが、ヤマトたちがそれに飛び込む。

『スター・ブレイジングラン!!』

『ウインドイーグル・エクシードストーム!!』

『ブルーサージ・クラッシュ!!』

閃光が交錯し、宇宙が煌めいた。

しかし、敵の数は圧倒的。

アーク号が被弾し、制御不能に陥る。

「ヤマトッ!!」

アスカが叫んだ。

「大丈夫だ、

まだ――」

その瞬間、ミラが彼の前に立った。

光が彼女の体から溢れ出す。

「ミラ!? やめろ!」

『大丈夫。……私、分かったの。

“命”

は消えることじゃない。

繋ぐこと――

それが、私の願い。』

ヤマトの目に、涙が浮かぶ。

「やめろ……お前まで、犠牲になるな!!」

『違うの、ヤマト。

私は犠牲じゃない。

これが、私の生きる証。』

彼女の身体が純白の光に包まれ、

星のように輝き始めた。

ノアの艦隊の砲撃が止まり、

まるで全宇宙が息を呑んだようだった。

『星々の記憶よ――

彼を導いて。』

ミラの光がヤマトの胸に

吸い込まれていく。

リングが熱く燃え上がり、

ヤマトの瞳に銀河の輝きが宿る。

「ミラぁぁぁぁぁ――ッ!!」

彼女の声が、静かに消えた。

ただ、最後の微笑みだけが、

ヤマトの胸に残った。

⸻

静まり返る艦内。

アスカが涙を拭いながら、

ヤマトの肩に手を置いた。

「……彼女は、あなたを信じたのね。」

ヤマトは拳を握り、リングを見つめる。

その中で、

銀河のような光が脈動していた。

「ミラの願い……必ず、繋ぐ。」

そのとき、

ヤマトの背中から微かな風が吹いた。

それはまるで、星々の祈りが

形になったように――

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作者について

りゅーと

りゅーと

はじめまして! ファンタジーが大好きで、 物語を書いています。✨✨ 剣と魔法の世界や、 心が少し強くなれるような 冒険譚を描くのが好きです。✨✨ 読んでくださる方の心に、 小さな灯り...

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