いぬ事件
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
実在しない架空の怪奇な事件を集めています。 本記事は架空の事件・人物を基にした創作資料です。 実在の人物・団体・地名との関連は一切なく、現実の出来事を示唆するものではありません。
本文
基本情報
発生地域:石川県某所(能登・加賀の境界付近の小都市という説が有力) 活動期間:2002年〜2008年頃 媒体:手書き・コピー印刷のチラシ、書籍2冊、同人誌、SNS
チラシについて
チラシは主に深夜に電柱や掲示板、廃屋の壁などに貼られていた。「いぬ」の文字と共に描かれた生き物は、強いて言えば複数の口と不規則な関節を持つ四足歩行の何かであり、「犬」という文字との乖離が不気味さを増幅させた。当初は単なる奇人の仕業として流されていたが、チラシが数ヶ月にわたって定期的に貼られ続けたこと、そして怪文書の内容が毎回微妙に異なっていたことで5chに専用スレが立つ。
怪文書の考察
文句 有力な解釈 おうげとうしろ「おうげ(大きな影?)と後ろ」→背後の何かを指すまどそみて「窓、そこを見て」の崩し? or 方言混じりの命令形こうべこべこ「こうべ(頭)」+「こべこ(凸凹・壊れた音)」造語説とめてあく「止めて開く」という矛盾した行為の並置スレ住民の間では**「これは日本語として読もうとするのが間違い」という説と、「石川の古い方言か地域語が混ざっている」**説が対立した。方言説は地元民の降臨によりある程度否定されたが、完全には消えなかった。
書籍「みたかげ」「ろーろく」について
この二冊は流通経路が一切不明で、ISBN・出版社・著者名のいずれも存在しない。現物を持つ人間が数名スレに現れたが、入手経路はいずれも「古本屋で偶然」「実家の押し入れにあった」等で一致しない。
「みたかげ」について
黒い太陽とお椀の表紙は、民俗的に「供物」と「不在の光」を示すという解釈が出た。内容の言語は怪文書よりさらに原初的で、母音の連続や濁音の集積が目立つ。最後の「ぜんぶすいません」だけが完全に現代口語であることが、スレで最も議論を呼んだ点のひとつ。これだけ浮いた文体で書かれているため、
著者自身が末尾だけ正気で書いた
著者以外の人間が書き込んだ
「すいません」自体もある種の記号・暗号である
という三つの説が並立した。
「ろーろく」について
「かげつ」の反復は、スレ住民が最初に注目した要素。「かげつ(花月? 欠月?)」という言葉と白い雲・赤い花の表紙から、季節の移ろいや喪失を扱ったテキストという解釈が生まれた。「おんせ、ひきはかげつ、かげつ」は「音声(おんせい)→引く→かげつ」の短縮と読む者もいた。「みたかげ」より若干、感情的な起伏が読み取れるという意見が多く、二冊は同一著者だが書かれた時期が異なるという説が主流になっていった。
ふやぁぇーげについて
同人板での発覚は偶発的なもので、「いぬ事件」スレの住民が兼ねて同人板を見ていたことによる。
ふやぁぇーげの同人誌は絵柄は非常に普通の商業レベルに近いBLであり、むしろ台詞さえ読まなければ一般的な作品として受け入れられていた。この「絵の普通さと台詞の異常さの乖離」が、事件全体でも特に不気味な側面として語られる。
Mixiの日記は平常な日常投稿(コミケの感想、天気の話)と意味不明な言語が何の境界もなく混在しており、本人の中では区別がなかった可能性が指摘されている。後期Twitterでは日常投稿がほぼ消え、ほとんどが例の言語のみになっていった。2009年を境に更新が止まった理由は不明。
有力な考察まとめ
①「個人の私的言語」説(最有力)
著者は一人であり、チラシ・書籍・同人誌すべて同一人物。幼少期か思春期に自分だけの言語体系を作り始め、それが外部との接触なく肥大化した。精神医学的には造語症や私的言語の形成として説明可能な範囲に収まる。「ぜんぶすいません」はその世界の外から書かれた唯一の言葉。
②「二人以上の関係者がいた」説
みたかげとろーろくの文体的差異、チラシが深夜に複数箇所同時に貼られていた記録などから、少なくとも二人が関わっていたという説。ふやぁぇーげは「使用者」であり、発生源は別にいる可能性。
③「かげつ」中心人物説
ろーろくに繰り返される「かげつ」は人名または特定の誰かを指す固有名詞であり、この全体が**「かげつ」という人物への執着か追悼**として書かれたという説。みたかげの「みた」も「かげ」を含む点が傍証として挙げられる。
結局
事件は解決していない。ふやぁぇーげの消息も不明なまま。チラシは2007年頃を最後に貼られなくなった。書籍の現物は数冊が確認されたが所在が追えなくなっている。スレは数年後に落ち、まとめサイトも現在はリンク切れが多い。
誰かが何かを伝えようとしていたのか、あるいは伝えることなど最初から意図していなかったのか。それすら分からない。
作品統計
📚 本を探すなら「よみどき」(あいぺんが運営する本の発見サイト)
130万冊を超えるコミック・小説・書籍の順位と値段を毎日みて、いま読むものを決められます。