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【洒落怖】父の影が、おかしかった

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/5/1 📚 シリーズ: この記録はフィクションです。625 📝 2,616文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

大阪府東大阪市で起きた一連の出来事について記録します。 625

本文

投稿者:noriko_hashi ◆ 2016/03/14(月) 02:47:33.18

長文になります。読んでくれる人だけ読んでください。 怖い話というより、ずっと誰かに聞いてほしかった話です。 父が死んで、もうすぐ一年になるので。

私が小学四年生だった2004年の秋のことです。 当時うちは東大阪市の荒本のあたりに住んでいました。 府営住宅の4階で、父と母と私と齢の離れた兄の四人暮らし。

父は当時42歳で、工場勤めをしていました。 真面目で、無口で、休日は必ず私を公園に連れて行ってくれる人でした。

その年の秋から、父の様子がおかしくなりました。

最初に気づいたのは、10月の終わりごろの日曜日です。

いつものように父と近くの公園に行きました。 荒本の公園じゃなくて、少し歩いたところにある、広めの芝生がある公園です。 葉っぱが全部落ちかけた木が何本も並んでいて、ベンチがあって、細い道路が端を走っていました。

父はよく使い捨てカメラで私の写真を撮ってくれました。 でもその日は、なぜか自分の影の写真を撮っていました。

芝生に長く伸びた、自分の影を。

私が「何撮ってるの」と聞いたら、父は少し間を置いてから言いました。

「確認しとるんや」

意味がわからなかったので「何を?」と聞き返したら、

「影が、ちゃんとついてきてるか」

と言いました。

そのときは、変なこと言うなあ、と思っただけでした。

それから父は少しずつ変わっていきました。

明るい場所を嫌がるようになりました。 蛍光灯を消して、薄暗い部屋にいることが増えました。 母が理由を聞いても「影がはっきり見えすぎる」と言うだけで、説明になっていませんでした。

12月になると、父は鏡を全部布で覆いました。 洗面所の鏡も、玄関の姿見も。 私が「なんで」と聞くと、

「鏡の中の影が、遅れるようになってきた」

と言いました。

今思えば、これは相当おかしい発言です。 でも当時の私は10歳で、父が怖かったので、それ以上聞けませんでした。

年が明けて2005年の1月。

父が仕事を休み始めました。 理由は「外に出ると影に追いかけられる気がする」でした。

母は精神科に連れて行こうとしましたが、父は頑として拒否しました。

「俺はおかしくない。影がおかしいんや」

と繰り返すだけで。

その頃、私はひとつのことが気になっていました。

父の影が、本当に、少しおかしかったのです。

気づいたのは、ある夕方です。

リビングで父がテレビを見ていました。 テレビの光が横から当たって、父の影が壁に映っていました。

私はその影を何気なく見ていて、気づきました。

父は両手を膝の上に置いていました。 でも壁の影は、片手が少し、持ち上がっていました。

カメラを構えているような形で。

私はそれを母に言いました。 母は「気のせいや」と言いました。 でも母の顔が少し青ざめていたのを、私は覚えています。

父が失踪したのは、2005年の3月です。

朝起きたら、いなかった。 玄関に靴はあるのに、父がいなかった。

警察に届けて、近所を探して、でも見つからなかった。 3日後に発見されたのは、荒本から南に2キロほど離れた、古い住宅街の外れにある空き地でした。

フェンスに寄りかかるようにして、座っていました。 意識はありました。でも父は、自分がそこに行ったことを覚えていませんでした。

ただひとつだけ、こう言いました。

「影を、返してもらいに行ったんや」

父はその後、入院しました。 診断名は書きません。でも簡単に言えば、現実と幻覚の区別がつかなくなる病気でした。

入院中、父は比較的穏やかでした。 薬が効いていたのか、影の話をしなくなりました。

私が面会に行くたびに、父は病室の窓から外を見ていました。 晴れた日も、曇った日も。

一度だけ、父が私にこう言いました。

「のりちゃん、知ってるか。影いうのはな、本体より正直なんや」

私は意味がわからなくて、曖昧に笑いました。

「本体が嘘ついても、影はちゃんと本当のことをしてる。――でもな、逆もあるんや」

「影が先に、別のもんになってしまうことが」

それが父と交わした、まともな会話の最後でした。

父が死んだのは去年の2015年2月です。 病院で、夜中に、静かに。 享年52歳でした。

死因は心不全ということになっています。

でも私には、ひとつだけ忘れられないことがあります。

父が亡くなった翌朝、母から電話で知らせを受けた私は、病院に向かいました。 早朝で、冬の低い日差しが斜めに差していました。

駐車場を歩きながら、ふと足元を見たとき。

私の影が、一瞬、変な形をしていました。

両手が、カメラを構えているような形に。

一秒だけ。

次に見たときは、普通の影に戻っていました。

これだけの話です。 怖い話としては落ちがないし、説明もできません。

ただ、あの空き地のことを最近また思い出したので書きました。

あそこ、今はコインパーキングになってるって聞きました。 夜中に草が生えてくるとか、都市伝説みたいな話も聞いたことあります。

父が「影を返してもらいに行った」と言ったあの場所。

父は結局、何を見ていたんでしょう。 そして、影から何を返してもらったんでしょう。

私には、今もわかりません。

noriko_hashi ◆ 2016/03/14(月) 02:47:33.18

長文失礼しました。 読んでくれた人、ありがとうございました。

名無しさん 2016/03/14(月) 02:53:17 のりこさん…お父さんのこと、ご冥福をお祈りします でも最後の一行が引っかかる 「何を返してもらったか」って 返してもらったとしたら、代わりに何かを置いてきたんじゃないのかな

名無しさん 2016/03/14(月) 02:55:41 荒本の南2キロの空き地ってどのへん? 布施寄りか?

noriko_hashi ◆ 2016/03/14(月) 02:58:09

布施寄りです 古い住宅が並んでる一角で、白いフェンスがあるところです もう9年以上前なので今もあるかはわかりません

名無しさん 2016/03/14(月) 03:01:44 ちょっと待って 布施南の白いフェンスの空き地って 2006年に若い男性が行方不明になった場所じゃないの カメラマン志望の人 携帯だけ見つかったやつ

noriko_hashi ◆ 2016/03/14(月) 03:04:52 え

(以降、noriko_hashiのレスは途絶えている)

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