第9章 物流停止
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
世界は終わらない。 ただ、「止まらない」という前提が消えていく。 石油供給の揺らぎは、都市の機能を徐々に鈍らせた。 電車は遅れ、物流は滞り、棚は埋まらなくなる。 それでも社会は維持されているように見える。 だが、その維持には限界がある。 人は移動し、場所を選び、やがて線を引く。 内側に入る者。 外側に残る者。 その境界は、善悪ではなく「持続」のために存在する。 これは、終末の物語ではない。 持続のために切り捨てることを選び始めた世界の記録である。
本文
※本作はAI生成を含みます。
コンビニの前に列ができていた。
「お一人様一点まで」
その張り紙を見て、相沢は何かが確定したと感じた。
中に入ると、奇妙なことに気づいた。
食料よりも、容器が消えていた。
ペットボトルの飲料が少ない。プラスチックのトレイに入った惣菜も、棚の半分が空になっている。
店員に聞く気にはなれなかった。聞いても、答えは「入荷待ちです」だけだと分かっていた。
スーパーに入ると、棚の半分が空いていた。冷蔵ケースの明かりだけが目立つ。値札だけが残っている棚がある。
外に出ると、大通りを走るトラックが、いつもより少なかった。
止まっているのではない。来ていないのだ。
届けるための燃料が、運転手のところにも届いていない。
その連鎖が、棚の空白として現れている。
レジの列は長く、静かだった。
誰も話さない。スマートフォンを見る人も少ない。ただ前を向く。
その静けさが、怒りや嘆きよりも重かった。
全員が、分かっているからだ。
帰り道、袋の中を見た。軽かった。必要なものは入っている。だが余白がない。
相沢は、立ち止まった。
これは始まりではない。途中だ。すでに進んでいる変化の、一部だ。
今夜、妹に電話しようと思った。