第15章 内部対立
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
世界は終わらない。 ただ、「止まらない」という前提が消えていく。 石油供給の揺らぎは、都市の機能を徐々に鈍らせた。 電車は遅れ、物流は滞り、棚は埋まらなくなる。 それでも社会は維持されているように見える。 だが、その維持には限界がある。 人は移動し、場所を選び、やがて線を引く。 内側に入る者。 外側に残る者。 その境界は、善悪ではなく「持続」のために存在する。 これは、終末の物語ではない。 持続のために切り捨てることを選び始めた世界の記録である。
本文
※本作はAI生成を含みます。
倉庫の前に人が集まっていた。
扉は閉まっていた。鍵がかかっていた。
「数が合わない」
「昨日より減ってる」
「持ち出したやつがいる」
その可能性が置かれた瞬間、空気が変わった。
一人の女が前に出た。新しく来た人間だった。
「昨日、多めにもらいました」
声は小さかったが、はっきりしていた。
理由は言わなかった。聞かなくても分かった。不安だった。それだけだ。
誰も責めなかった。
同じ状況なら、同じことをしたかもしれないから。
だが、減った分は戻らない。
高瀬は、その女の横顔を見ていた。
彼女は東京から来た人間だろうか。都市の速度で生きていた人間が、ここに来て何を感じているのか。
訊きたかったが、今はその時ではないと思った。
倉庫の鍵が開けられた。
中の棚を全員が見た。
減っている。はっきりと。
扉が閉められた。今度は、しっかりと鍵がかかった。
その音が、小さく響いた。
何かが変わった。元には戻らない。
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