大学の文化祭って大体何かに巻き込まれるよね⑥

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/5/8 📚 シリーズ: ラブコメはエンドロールのあとで~転生した元大賢者はn週目の人生でラブコメするようです~ 📝 2,727文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

これは、すでに終わった悲恋(ラブストーリー)の、幸せな続きである。 大賢者の物語も、世界を変えた魔導革命も、前世で愛した女性との別れも――全部、とっくに終わっている。 結果として、大賢者は最愛の妻を救えなかった。 恋をした、ただ一人のために世界を一変させた。だが、どうでもよかった。 得た権威も、名誉も全て、彼女を救うためにやったことだ。 それでも世界は残酷だった。 もう少しで彼女を救えたのに。なのに、間に合わなかった。 大賢者は最愛の妻を救えなかった。それでこの作品(本編)は終わりを迎えた。 だが、物語とは時に残酷なもので。どうやらこの世界は、バッドエンドで終わることを許さないようだ。 妻を救えなかったとしても。彼女の後を追って転生したとしても、この世界は終わらない。 そう――これは、その続きの話(後日譚)だ。 転生した元大賢者、ノルン・ウォルフラーレンは今日もラブコメをする。 前世チートで華麗に研究をこなすと思いきや、素人質問でたじろいだり。 帰宅すれば再会した前世の妻に膝枕される。と思いきや、些細な事でシバかれて逃げ出したり。 翌朝には娘たちにたたき起こされ、振り回される。 かつて世界を震撼させた伝説の賢者の末路がこれである。 この作品に大きな事件は起きない、世界の危機も訪れない。 ただ、何気ない日常のワンシーンをひとつひとつ切り取って並べただけの、ラブコメ風の短編集だ。 前世の物語なんて知る必要はない。少なくともこの世界では、もう終わったことなのだから。

本文

 これでノルン達の出番は全て終わった。

 となれば、あとは楽しむだけだ。

「最後のお楽しみまではまだ少し時間があるな、どこか回るか?」

「それだったら、ここ行ってみたいな」

 ティファニアがパンフレット上の地図を指さす。

 創作展示エリア。

 学生たちが自作の作品を自由に販売できるブースだ。

 中には一攫千金や訪れた編集者からのヘッドハンティングを狙う生徒も居るほどの人気ブースだ。

「いこ! いこ!」

 アイシャがパンフレットを奪い取って駆け出そうとする。

「待て、場所を確認してから——」

 すでに走り出していた。

 ノルンは呆れたようにアイシャの後をついていった。

 創作展示エリアは、第二棟の廊下を使って設けられていた。

 両側に長机が並び、学生たちが自作の本や作品を広げている。

 訪れる客も多く、ところどころで立ち止まって本を手に取る姿が見えた。

「様々な本があるのですね」

 セレスティアが感心した様子でブースを見回す。

「確かここら辺に……あった!」

 ティファニアが目的のブースを見つけると、駆け寄って本を手に取る。

 どうやら料理本のようだ。

「この本、去年は売り切れで買えなかったんだよねー」

「はい、その声にお応えして今年も再販することにしたんです。ところで、こちらに続巻があるんですが……」

「買います」

 即答だった。

「さて、折角来たんだし何か面白いものがあればな……ん?」

 ノルンが周囲を見回すと、人だかりができているブースを発見した。

「ちょっと行ってくる、家族を頼む」

 ノルンはそれだけ言い残すと、例のブースに向かった。

「一体何が売って……は?」

 ノルンが一瞬硬直した。

 ブースの上に掲げられた手書きの看板に、大きな文字でこう書いてあったからだ。

『ウォルフラーレン教授のラブコメレポート集 第一版』

「嫌な予感しかしないな」

 人だかりをかき分けて近づくと、自分の教え子が本を手渡しながら接客しているのが見えた。

「おいマリエル」

「あ……教授、お疲れ様です」

 マリエルが引きつった笑顔のまま、本を胸に抱えた。

「一冊もらおうか」

「あ……はい」

 完全に諦めた表情だった。

 ノルンが受け取った冊子を一ページめくる。

 内容は、ノルン本人を主人公にしたラブコメ風の創作漫画のようだが――。

「……!?」

 開幕キスシーン。

 他のページも確認すると、見るだけで恥ずかしくなるような過激なシーンばかりだった。

「これだけの情報、どこから得た」

「それは……外部の協力を得てですね……」

 ノルンがさらに問い詰めようとした瞬間、後ろから声がかかった。

「ノルン様、なにかありましたか?」

 振り向くとセレスティアがいた。

「セレスティアさん。この度はご協力いただきありがとうございました」

「お前かあぁぁぁ!」

 セレスティアは手で口元を抑えて笑っている。

 少なくとも、反省はしていないようだ。

「いつ協力した?」

「少し前に、マリエルさんからお手紙をいただきまして」

「そこは断れよ……」

「面白そうでしたので、つい」

 セレスティアが澄ました顔で言った。

 返す言葉が見つからなかった。

 マリエルが「ありがとうございました、セレスティアさんの情報提供がなければ完成しませんでした」と深々と頭を下げた。

「お役に立てて光栄です」

「お前も反省しろ……本当に」

 とりあえず売れ残っていた分を全部購入した。

 これで拡散は防止できるだろう。買った冊子は後で焼却処分しよう。

 既に売れてしまった分は……仕方がない。

 ノルンは頭を抱えてため息をついた。

 ◆◆◆

 日が完全に沈み、星明祭も終盤に差し掛かっていた。

 このイベント最後の楽しみといえば、全学生を対象にしたくじ引き大会だ。

「今年も混んでるね」

 ティファニアが人垣の外から覗き込んだ。

 朝のダンス発表と同じくらい、あるいはそれ以上の人数が集まっている。

「そりゃあ、星明祭で学生が一番盛り上がるイベントだからな」

「どーして?」

 アイシャが質問してくる。

「毎年といい、景品が豪華だからだ」

 ノルンがパンフレットをめくる。今年の景品一覧が記載されていた。

 一等:ナイトクルーズの無料招待券(二人限定)

「……豪華すぎない?」

 ティファニアが絶句した。セレスティアも珍しく目を丸くしていた。

「ちなみに二等以降は?」

「高級レストランの招待券、有名テーマパークの一日優先チケット、お菓子一年分……」

「お菓子がいい!」

 アイシャが反応する。

「当たったらくれてやる、エニシャと半分こな」

 ステージ上に司会の学生が立つと、会場がどっと沸いた。

「お待たせしました! 星明祭名物、くじ引き大会を始めます!!」

 歓声が上がる。周囲の学生たちが手に持ったくじをぎゅっと握り締めていた。

「まずは四等から! 菓子詰め合わせ、当選番号は——」

 番号が読み上げられた。

 会場のどこかから「やったああ!!」という叫び声が上がった。

「外れか、残念だったな」

 アイシャが頬を膨らませた。

「まあ、帰りにお菓子買ってあげるから」

 ティファニアが慰める。

 三等、二等と読み上げられていく。

 そのたびに会場のどこかで歓声が上がり、はずれた学生たちが肩を落とした。

「……もうすぐいちとう」

 エニシャがステージを見ながらつぶやく。

「では、今年の一等当選番号を発表します!!」

 司会の学生が声を張り上げた。

 会場が静まり返った。

 数百人が一斉に息を止めているような、奇妙な静寂だった。

 番号が発表されると、隣にいた生徒が飛びあがる。

 男女のペアだ。喜びようからして、恐らく交際関係にあるのだろう。

「クライド君、当たっちゃった!」

「まさか、本当に当たるとはな」

 その声が聞こえた瞬間、ノルンは隣を見た。

 クライドが当選番号の書かれたくじを手に持ったまま、固まっていた。

 隣に立っているのは——シェリーだった。

 周囲の学生たちが気づき始めた。

「あれ、クライドじゃないか? バンドサークルの」

「しかも隣にシェリー先輩いるぞ」

「さっきの演奏聴いてたよな、先輩」

「まさかそのままナイトクルーズ行くの?」

 ざわめきが広がっていく。

 ノルンが二人に近づいて、クライドの肩を叩いた。

「運がいいな、この新婚カップルがよ」

「まだ結婚していない」

 クライドがぶっきらぼうに言った。

 シェリーがそれを聞いて、少し口元を動かした。笑ったのかもしれなかった。

「……行きますか?」

 シェリーがクライドに聞いた。

「……お前が行くなら」

 また周囲がざわついた。

 シェリーが一拍置いてから、前を向いた。

「それじゃあ、行きましょうか」

 シェリーはクライドの手を掴むと、ステージの方へ歩き出した。

「上手くいったようだね」

「本番はこれからさ」

 ノルンは短く答えて、前を向いた。

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作者について

てぃむ

てぃむ

アイコンはchatGPT作です。 カバー画像は昔やりこんでいた某RPGの公式から。 

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