【第三部:アリスの変化と試練】第13話:心の迷宮での対決
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あらすじ
修道院百合狂騒曲 〜転生したらシスター誘惑モードでした〜 - 【第三部:アリスの変化と試練】第13話:心の迷宮での対決
本文
「ったく、またお仕置きかい……。」
修道院の静寂を破るように、アリスはポツリと呟いた。お仕置きされるのもこれで何度目か。
今日は特にキツかった。まるで罰を受けるために生まれてきたような気さえする。
「おっとさん、あたしの人生、これでいいのかねぇ……。」
修道院の堅苦しい規律に縛られながらも、アリスの心はいつも自由を求めていた。そして、そんな彼女の心の中には、未解決の問題が山積していた。
欲望と道徳、自由と束縛、愛と嫌悪——。
「まぁ、要するに、やりたいことやっていいのか、それとも我慢しなきゃならねぇのかって話さね。」
彼女は修道院の天井を見上げながら、ひとりごちた。
——その夜。
アリスは奇妙な夢を見た。
目を開けると、彼女は見知らぬ空間に立っていた。
「へぇ、ここは……?」
周囲を見渡すと、巨大な迷宮が広がっていた。
「こいつぁまた、ずいぶんと入り組んだ場所だねぇ。」
壁には無数の扉があり、そのひとつひとつに彼女の過去の記憶が刻まれているようだった。
「なるほど、こいつがあたしの“心の迷宮”ってわけかい。」
そう呟いた瞬間、目の前に人影が現れた。
「……!?」
アリスは目を疑った。そこに立っていたのは——。
「あたし……?」
目の前の人物は、間違いなく自分自身だった。
しかし、彼女の表情はどこか幼さを残しており、修道院に入る前の、自由奔放だった頃のアリスだった。
「おやまぁ、懐かしい顔だねぇ。」
「こっちのセリフさね。」
過去のアリスはニヤリと笑った。
「おめぇ、ずいぶんとつまんねぇ女になったじゃねぇか。」
「はぁ?」
「昔はもっと破天荒で、好き勝手やってたろ? なんでそんな大人しくなっちまったんだい?」
「大人しく? いやいや、あたしゃ今でも十分にやんちゃだよ。」
「違うねぇ。おめぇ、最近やたらと“抑えて”ばかりじゃねぇか。」
過去のアリスはゆっくりと歩み寄りながら、挑発的な笑みを浮かべた。
「欲望ってのは、抑えりゃ抑えるほど爆発するもんさね。」
「ふん、だったらどうするってんだい?」
「簡単さ。解放しちまえばいいんだよ。」
過去のアリスはアリスの顎をそっと持ち上げ、じっと目を覗き込んだ。
「ほら、思い出しなよ。あんた、どんなことが好きだった?」
「……そりゃ……。」
「ん?」
「バナナ……。」
「バナナかよ!!」
過去のアリスはずっこけた。
「いや、確かにバナナは好きだけどよ! そうじゃねぇだろ!」
「うふふ、冗談だよ、姉さん。」
アリスはいたずらっぽく笑いながら、過去の自分に向き合った。
「だけどねぇ、あたしゃただの野放図なバカじゃないんだよ。今のあたしは“考えて”生きてんのさね。」
「考えて? なんだい、まるで哲学者みたいじゃねぇか。」
「そうさ。あたしは今、自分の心と向き合ってるのさ。」
過去のアリスは、じっとアリスを見つめた。そして、不意に微笑んだ。
「そいつぁ、悪くねぇな。」
「だろ?」
「でもよ、たまには“解放”してもいいんじゃねぇか?」
「ん?」
次の瞬間——。
過去のアリスは、アリスを抱きしめた。
「ちょ、ちょっと待っておくれよ!」
「ふふ……なんだい、恥ずかしいのかい?」
「そ、そりゃそうさね! なんで自分に抱きしめられなきゃなんないんだよ!」
「いいじゃねぇか、自分を愛するのも大事なことさね。」
「う、うぅ……。」
アリスは真っ赤になった。
「な、なんか変な気分になってきたよ……。」
「それでいいのさ。自分の中の“欲望”を認めなよ。」
アリスは困惑しながらも、ふと考えた。
自分を受け入れること——それは、本当の自由への第一歩なのかもしれない。
そして——。
「……わかったよ、姉さん。」
アリスは過去の自分を優しく抱きしめ返した。
「これからは、ちゃんと自分の気持ちを大事にするよ。」
すると、迷宮がゆっくりと消えていった。
「よし、行きな。」
過去のアリスは満足そうに微笑んだ。
「ありがとよ、姉さん。」
アリスは目を閉じた——。
——目を開けると、彼女は修道院の自室のベッドにいた。
「あたしゃ……夢を見てたのかい?」
彼女はゆっくりと起き上がり、そっと胸に手を当てた。
「ふふ……バナナ、食べたいねぇ。」
彼女はクスッと笑いながら、今日も新たな冒険へと踏み出すのだった——。
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