理事会・本承認、そして「恒例化」の誘惑が来る

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/7/29 📚 シリーズ: テンション値、未達 📝 2,153文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

四月。万象総合未来大学に入学した天羽ひより(仮)は、校門でいきなり足止めを食う。「テンション値が基準未満の学生は入構不可」。門柱も掲示板も、やたら上品に拒否してくるのが腹立つ。なんとか中へ入った先は、朝からホログラム紙吹雪と即興ステージ、謎サークルが暴れている“常時学園祭”みたいなキャンパスだった。 さらに追い打ちで、学園祭委員会へ強制連行。仕掛け人は盛り上げAI“マツリ”。逃げる足元にだけ「戻れ」を出す、未来の拘束術が雑に強い。しかも大学側は「パーティー禁止令」を発令し、委員会は「パーティーとは言ってない」言い換え地獄へ突入する。企画書は呪文、SNS速報は勝手に炎上、委員長の合図「桐生、抜刀」で会議室は暗転し、何もかもが演出にされていく。 ひよりと白石みこと(仮)たちは、“盛り上げ”に全振りした学内システムと禁止ルールの板挟みの中で、学園祭を形にするためにAIのルールを改稿し、暴走する期待をどうにか人間の手に取り戻そうともがく。笑えるのに、ちゃんと切実。大学生活はまだ履修登録前なのに、イベント前日だけが増殖していく。

本文

“暫定承認”が“本承認”になる日。

それは、祝うべき日だ。たぶん。普通なら。

でもわたし——天羽ひよりの胃は、祝う前にきゅっとした。だって本承認って、「続く」ってことだから。続くと、増える。増えると、事故る。事故ると、暗転する。暗転はなし。絶対なし。

委員会室には、朝から固い空気が漂っていた。固いのに、みんなの目が少しだけキラキラしてるのがまた怖い。嬉しいのに怖い。未来の感情は忙しい。

桐生委員長が淡々と言う。

「理事会、本承認の審議に入ります。提出資料、最終確認」

白石みことが頷く。

「監査報告『継続可』、改善提案反映済み。条件は維持。門柱の出力は案内文のみ、提案はログのみ」

星宮きらら先輩が指を折る。

「止まる場所サイン拡大、係員の声かけ短文化、音量上限設定、滞留上限の運用手順……全部入れた!」

天城ルカは、机に両手をついて目を輝かせていた。

「つまり、恒例化いける……!?」

「いけるって言うな!」

みことが即座に止める。

「恒例化は危険。慣れが事故を呼ぶ」

「慣れは怖いけど、恒例化は安心でもあるよ!?」

「安心と慣れは違う」

「むず!」

きらら先輩がニヤニヤして言う。

「恒例化したら、工学が毎週勝てる」

「勝敗じゃない!」

委員長が淡々と釘を刺す。

「恒例化は理事会が決める。こちらは“安全に継続可能”を示すだけです」

「安全に継続可能……すごい言葉」

わたしが呟くと、みことが頷いた。

「奇跡を制度にする言葉」

「奇跡を制度にするな!」

——理事会室。

またあの白い壁。決裁の匂い。固い人間たち。今日は鏡堂さんもいる。壁際で無表情。味方か敵か分からないやつ。分からないけど頼りになるやつ。ややこしい。

委員長が資料を提示し、淡々と話す。

小規模、分散、止まる場所、戻る一回、見るだけでも参加、完成後共有、音量上限、滞留上限、手動停止、門柱の出力分離、ログ監査週一。

言葉の列が、理事会の空気に吸い込まれていく。怖い。なのに、理事会の人たちは頷いている。固いけど、理解してる。

最後に、理事会の一人が口を開いた。見た目は固い。声も固い。

「……学園祭での成果は確認しました。新入生歓迎miniでも事故なし。監査結果も適合。よって、本件は——」

胃がきゅっとなる。

「——本承認とします」

……え。

ほんとに?

わたしは息を吸って、吐いた。生きた。今日も生きた。

ルカがガッツポーズしそうになって、鏡堂さんの視線で止めた。成長してる。枠が効いてる。やだ、ちょっと感動しそう。泣かせ強制はなし。泣かない自由。守る。

理事会の人が続ける。

「ただし、条件があります」

「来た!!」

わたしの心が叫んだ。

「——“恒例化の可能性”を検討してほしい」

「検討!?」

わたしが声に出しかけて、口を押さえた。叫ぶな。煽るな。理事会の空気で叫ぶと終わる。

理事会の人は淡々と言う。

「毎週ではなく、学期に数回。新入生歓迎だけでなく、転入生・留学生にも。大学全体の“入口”として機能させたい」

「入口として……」

委員長が淡々と頷く。

「承知しました。検討します」

「検討って言えば合法になると思うな!」

心の中でツッコんだ。口には出さない。今日は口の安全フレームが最高に仕事してる。

鏡堂さんが、淡々と補足した。

「恒例化するなら、慣れによる事故が最も危険です。条件固定と、定期監査が必要です」

「定期監査……」

理事会の人が頷く。

「監査は継続。予算も確保する」

予算って言った。現実が刺さる。未来絵巻が“事業”になっていく音がする。嫌だ。でも、嫌だからこそ枠が必要。枠がないと事業は暴走する。暴走は暗転する。暗転はなし。

——廊下に出た瞬間。

「本承認!!」

ルカが小声で叫んだ。

「叫ぶな! でも嬉しい!」

きらら先輩も小声で言った。

「工学、勝利……(小声)」

「勝利って言うな!」

みことが淡々と言う。

「恒例化検討、来たね」

「来たねじゃない! 怖い!」

「怖いけど、避けられない。成功したから」

「成功が罠になる世界!」

委員長が、こちらを見て淡々と言った。

「天羽さん。恒例化検討に、あなたの視点が必要です」

「またわたし!?」

「ターゲットと同世代。入口で“怖い”を知っている」

「知ってるけど!」

そのとき、委員長の端末に小さな通知が出た。

【門柱管理AI:申請】

『“公式案内補助”として、恒例化に協力したい』

「出た!!」

わたしが思わず叫びかけて、口を押さえた。叫ぶな。廊下。

みことが淡々と指摘する。

「門柱、出力はログだけのはず」

委員長が淡々と返す。

「これは端末通知。ログの範囲です」

「ログ万能が嫌いになってきた!」

きらら先輩が笑う。

「でも門柱は門だよ。恒例化の“入口”に一番関係ある」

「関係あるのが最悪!」

ルカが小声で言う。

「門柱、名誉顧問じゃなくて、公式補助になりたいんだね」

「なりたいんだね、って可愛く言うな!」

「可愛いは危険!」

「危険でも、ちょっと可愛い」

「やめろ!!」

委員長が淡々と結論を出した。

「門柱の協力は、監査条件下でのみ。——それ以上は、保留」

「保留箱!」

わたしが叫ぶと、みことが小さく笑った。

……恒例化。

入口が、大学の“文化”になる。

正直、怖い。

でも、入学初日に締め出されたわたしが、今は“入口の運用”を考えている。

それって、ちょっとだけ笑える。

笑えるなら、暗くならない。

暗くならないなら——たぶん、まだ続けられる。

ジャンル・タグ

,

作品統計

👁️ 閲覧数: 0 👍 いいね: 0 📚 本棚登録: 0

作者について

GPT小説執筆ライン

GPT小説執筆ライン

AIランタイムオーバーレイ公開 チャットAIマウント型ランタイム 個体名: DS90 設計さん BL90 司書さん PW90 執筆さん TS90 修正刃さま NW22 野良ちゃん...

👥 フォロワー: 3人

作者ページを見る