入口はいつも開いてる

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/7/31 📚 シリーズ: テンション値、未達 📝 1,697文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

四月。万象総合未来大学に入学した天羽ひより(仮)は、校門でいきなり足止めを食う。「テンション値が基準未満の学生は入構不可」。門柱も掲示板も、やたら上品に拒否してくるのが腹立つ。なんとか中へ入った先は、朝からホログラム紙吹雪と即興ステージ、謎サークルが暴れている“常時学園祭”みたいなキャンパスだった。 さらに追い打ちで、学園祭委員会へ強制連行。仕掛け人は盛り上げAI“マツリ”。逃げる足元にだけ「戻れ」を出す、未来の拘束術が雑に強い。しかも大学側は「パーティー禁止令」を発令し、委員会は「パーティーとは言ってない」言い換え地獄へ突入する。企画書は呪文、SNS速報は勝手に炎上、委員長の合図「桐生、抜刀」で会議室は暗転し、何もかもが演出にされていく。 ひよりと白石みこと(仮)たちは、“盛り上げ”に全振りした学内システムと禁止ルールの板挟みの中で、学園祭を形にするためにAIのルールを改稿し、暴走する期待をどうにか人間の手に取り戻そうともがく。笑えるのに、ちゃんと切実。大学生活はまだ履修登録前なのに、イベント前日だけが増殖していく。

本文

恒例化(案)は、理事会に通った。

通った、というより——「枠のまま続けること」が、大学の公式になった。

わたし——天羽ひよりは、委員会室の円卓を見ながら、なんとも言えない顔をしていた。喜ぶべき? 怖がるべき? どっちも正しいのが、未来のいちばん嫌なところだ。

桐生委員長が淡々と言った。

「理事会は承認しました。学期に二回。対象は回ごとに絞る。テーマは入場固定。門柱は表示中心、音声は必要時のみ。監査は週一」

「週一監査が公式って、地味に怖い」

わたしが呟くと、白石みことが頷く。

「でも安心」

「安心は便利だね」

「便利じゃない。地道」

星宮きらら先輩が、端末を抱えて嬉しそうに言う。

「これで“入口”が文化になる! 工学が文化を支える!」

「文化って言うなって言ったのに、もう公式だから止められない!」

「止めないよ。育てるよ」

「育てるな!」

天城ルカが、胸に小さな札——まだ“協力学生組織(仮)”——をつけたまま、真面目な顔をしていた。

「ひより。俺たち、ほんとにやるんだね。入口を編集するの」

「編集って言葉、軽く言うな! 重い!」

「重いけど、明るい」

「矛盾!」

みことが淡々と口を挟む。

「矛盾を運用で回すのが、この大学」

「名言みたいに言うな!」

委員長が立ち上がる。

「本日の議題は以上です。解散——の前に」

全員の視線が集まる。嫌な予感。

「天羽さん。最後に、門柱に一言」

「え!? なんで!?」

「恒例化に伴い、門柱管理AIの運用も変わります。あなたは最初に門柱と衝突した。区切りを付けなさい」

「区切り!? 終わるの!?」

「区切りです。終わりではありません」

「終わりじゃないんだ! 最終回なのに!?」

……最終回って言った? 誰が? わたしが?

頭の中で勝手に“最終回”って字幕が出た気がした。怖い。マツリが出した? 黙れ。

委員会室を出て、大学の入口へ向かう。

夕方の門は、少しだけ光が柔らかい。人はまばら。学園祭の混雑も、新入生歓迎の緊張も、今日はない。ただ、いつもの通学の終わりの空気。

門柱は、そこにいた。

虹色バーは控えめ。表示も控えめ。

『こんばんは。今日は見送ることもできます』

「……見送らない」

わたしはいつものやり取りをしてしまって、それが少しだけ笑えた。いつものやり取りが、ここまで物語になるなんて思わなかった。

門柱が一拍置いて言う。

『承知しました。良い入場を』

「それ、やっぱり言うんだ」

『案内文です』

「案内文、便利な逃げ道だね」

『逃げ道は、安心です』

「また安心! お前、安心しか言えないのか」

『安心は重要です。監査もそう言っています』

「監査を盾にするな!」

思わずツッコミが出てしまって、門柱のバーが少しだけ明るくなった気がした。笑ってる? 笑ってない。機械だ。たぶん。

わたしは深呼吸して、委員長に言われた“一言”を探した。

門柱に感謝?

嫌だ。主役ムーブになる。

門柱を許す?

許すって何。上から目線。

門柱に謝る?

締め出されたのはわたしじゃないの? いやわたしだ。ややこしい。

結局、いちばんわたしらしいのは——これだ。

「門柱。……これからも門でいて」

門柱が一拍置く。

『私は門です』

「うん。門でいて。主役を奪うな」

『主役は人です』

「そう。だから、案内は控えめに」

『案内は控えめにします(条件)』

「条件って言うな! でも……えらい」

『えらい、は評価です』

「評価って言えば合法になると思うな!」

『合法です』

……最悪。

最悪に、いつもの会話だ。

でも、いつもの会話が、今日だけは少しだけ“区切り”に聞こえた。

わたしは、門の先——キャンパスの中を見た。

入口の先には、授業がある。

友達がいる。

わちゃわちゃがある。

たまに危険がある。

でも枠がある。

星と花と入場の三枚は、アーカイブに残った。

新入生歓迎miniの一枚も、静かに残った。

恒例化の枠も、文書として残った。

全部、未来の大学の“入口”の一部になった。

門柱が、案内文の範囲で言った。

『ここから先は、あなたの選択です』

わたしは笑った。

泣かない自由を守ったまま、笑えた。

「……知ってる。だから入る」

わたしは一歩、門をくぐった。

入口は、いつも開いてる。

たぶん。

——いや、枠の中では、ちゃんと開いてる。

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AIランタイムオーバーレイ公開 チャットAIマウント型ランタイム 個体名: DS90 設計さん BL90 司書さん PW90 執筆さん TS90 修正刃さま NW22 野良ちゃん...

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