あとがき
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
明治九年、神田。 型どおりの教え方にすがる気弱な仮教員・宮田誠一は、生徒一人ひとりの事情に触れるうち、手本だけでは掬えないものがあると知る。 元寺子屋の女師匠・いねの見守りを受けながら、迷いながらも、自分なりの「教える」を探し始める。 ※本作は、生成AIを利用しています。
本文
『易知学校 手習い記』、お読みいただきありがとうございました。
前作『笹屋横丁 代書帖』の主役は代書屋――明治という時代ならではの職業でした。今回は、あえて「教員」という、現代でもごく当たり前にある仕事を選びました。同じ「教える」仕事でも、学制が敷かれてまだ数年の明治九年には、寺子屋あがりの師匠と師範学校出の新教員が入り混じり、教科書も、教え方も、月謝の集め方も、何もかもが手探りでした。時代が変われば、同じ名前の仕事でもここまで変わる。それでいて、目の前の子供一人ひとりの事情は決まりごとの枠に収まらないこと、その子が字を覚えた朝の嬉しさのようなものは、おそらく今の教室とも地続きです。変わってしまう部分と、変わらない部分。その両方を一人の新米教員の目から描けたら、というのが本作の出発点でした。
制作の裏話を一つ。中盤に登場する私塾の師匠・片桐は、当初は前作に登場した柏木を再登場させる予定でした。ところが書き始める間際になって、柏木が東京へ出てくる時期と本作の季節とがどうしても噛み合わない――時系列の矛盾があることが発覚し、急遽、新しい人物に差し替えることになりました。前作のあとがきにも書いたとおり、本作も生成AIを使って作っており、考証や設定の整合性の確認もその工程に含まれています。それをより高精度で行えるよう、構造的な工夫も凝らしているつもりです。それでも、この矛盾はぎりぎりまですり抜けていました。他にも、時代考証などでしばしば怪しい部分が残っており、投稿の土壇場でふと気になって調べ直し、大慌てで修正を加える、なんてこともありました。AIの確認力には、やはり限界があり、任せきりにするのではなく、人間の側も相応の注意と努力を注ぎ続けなければならないのだと、あらためて思い知らされた作品となりました。なお柏木の消息は、終いの話にほんの一言だけ残してあります。前作を読んでくださった方への、ささやかな符牒です。
この時代の人々の物語は、まだもう少し続けるつもりでいます。同じ明治の空の下、また別の生業を持つ誰かの人生に、次の作品でお会いできたら嬉しく思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
作品統計
📚 本を探すなら「よみどき」(あいぺんが運営する本の発見サイト)
130万冊を超えるコミック・小説・書籍の順位と値段を毎日みて、いま読むものを決められます。