第10話「昼休みの話題」
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
あらすじ 中学二年生・神崎恭也は、いつかカプセルウォーズを遊ぶことを夢見ていた。 しかし、一回一万円もするロボットガチャなど、学生の小遣いでは到底回せない。 ある日、商店街の片隅で「ハズレ品・在庫処分」と書かれた100円のクジガチャを見つける。 暇つぶしのつもりで回したそのカプセルには、本来なら一万円でしか手に入らない超高級ロボット―― 《クイーン》 が入っていた。 しかもクイーンは、普通のプレイヤーが知らない謎の機能を秘めた特別な機体だった。 偶然から始まった出会いは、やがて恭也をカプセルウォーズ界の頂点を巡る戦いへと導いていく。
本文
キーンコーンカーンコーン──。
四時間目の終了を告げるチャイムが鳴る。
「やっと昼だー!」
教室は一気に賑やかになり、生徒たちは机を寄せ合って昼食の準備を始めた。
恭也も弁当箱を取り出す。
「今日は卵焼き入ってる。」
『美味しそうですね。』
ケースの中からクイーンが穏やかに微笑む。
「母さんの卵焼き、結構うまいんだ。」
「いただきます!」
「いただきます。」
恭也が箸を持ったその時だった。
「なあ、神崎。」
同じクラスの男子、健太が声をかけてきた。
「そのチェスフレーム……。」
「カプセルウォーズ始めたのか?」
恭也は少し照れくさそうに笑う。
「うん、少し前から。」
「へぇ!」
周りのクラスメイトも興味津々で集まってきた。
「神崎ってゲームやるイメージなかった。」
「何使ってるんだ?」
「見せて見せて!」
恭也はケースを机の上に置く。
「この子。」
クイーンは丁寧に一礼した。
『初めまして。』
『私はクイーンと申します。』
「しゃべった!」
「礼儀正しい!」
「すげぇ、本物のAIだ!」
教室が小さくどよめく。
健太は感心したように頷く。
「最近のチェスフレームって、本当に自然に話すよな。」
「俺はポーン使ってる。」
「この前やっとナイトを引いたんだ。」
別の友達も笑顔で話し始める。
「俺は武器ガチャばっかり回してる。」
「全然レアが出ないけどな!」
「それ分かる!」
みんなで笑い合う。
恭也も自然と笑顔になった。
「俺なんて、まだ武器は盾と剣のセットだけだよ。」
『ですが、十分実用的な装備です。』
クイーンが静かに付け加える。
『装備は性能だけでなく、使いこなすことが重要です。』
「おぉ……。」
健太が感心する。
「クイーン、なんか先生みたいだな。」
教室は再び笑いに包まれた。
その時、一人の女子生徒がクイーンをじっと見つめる。
「……クイーン?」
「その名前、どこかで聞いたことあるような……。」
恭也は首をかしげた。
「え?」
女子生徒は少し考え込んだが、すぐに首を振る。
「ううん、気のせいかも。」
昼休みは和やかな雰囲気のまま過ぎていく。
恭也は弁当を食べながら思った。
(学校でもカプセルウォーズの話ができる仲間がいるんだ。)
少し前までは、遠い世界だと思っていた。
でも今は違う。
クイーンと出会い、仲間ができ、少しずつ自分の世界が広がっている。
そんなことを感じながら、恭也は最後の卵焼きを口に運んだ。
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