第11話「まずは帰宅!」
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
あらすじ 中学二年生・神崎恭也は、いつかカプセルウォーズを遊ぶことを夢見ていた。 しかし、一回一万円もするロボットガチャなど、学生の小遣いでは到底回せない。 ある日、商店街の片隅で「ハズレ品・在庫処分」と書かれた100円のクジガチャを見つける。 暇つぶしのつもりで回したそのカプセルには、本来なら一万円でしか手に入らない超高級ロボット―― 《クイーン》 が入っていた。 しかもクイーンは、普通のプレイヤーが知らない謎の機能を秘めた特別な機体だった。 偶然から始まった出会いは、やがて恭也をカプセルウォーズ界の頂点を巡る戦いへと導いていく。
本文
キーンコーンカーンコーン──。
終業のチャイムが鳴った。
「よーし!」
恭也は勢いよく立ち上がる。
「今日もセンターで対戦だ!」
バッグを肩に掛け、そのまま教室を飛び出そうとした。
『マスター。』
ケースの中からクイーンが静かに声をかける。
「ん?」
『どちらへ向かわれるのですか?』
「もちろん、センター!」
『……その前に。』
クイーンは少し厳しい表情になった。
『一度、ご自宅へお戻りください。』
「え?」
「なんで?」
『制服のままです。』
「……あ。」
『汗もかいていますし、お着替えも必要です。』
『学校から直接対戦へ向かうのは、あまり感心できません。』
恭也は苦笑いを浮かべた。
「そんなに変かな?」
『はい。』
『身だしなみを整えることも、一人のプレイヤーとして大切です。』
『それに、お母様も心配なさるでしょう。』
「うっ……。」
確かに何も言わずに寄り道をすれば、母は心配するはずだ。
「分かった。」
「一回帰るよ。」
クイーンは満足そうに微笑んだ。
『ありがとうございます、マスター。』
帰宅後。
「ただいまー!」
「おかえりー。」
リビングから母の声が返ってくる。
「ちょっと着替えてからセンター行ってくる!」
「晩ご飯までには帰るのよ!」
「はーい!」
恭也は制服を脱ぎ、動きやすいパーカーとジーンズに着替えた。
顔を洗い、水分補給も済ませる。
クイーンはその様子を見ながら頷いた。
『こちらの方が活動しやすそうですね。』
「そこまで違う?」
『はい。』
『マスターが快適であれば、私も安心して戦えます。』
「ありがとう、クイーン。」
夕方。
二人は改めてカプセルウォーズセンターへ到着した。
店内では、今日も多くのプレイヤーが対戦を楽しんでいる。
恭也は受付でプレイヤーカードをかざした。
「ビギナーランク戦、お願いします!」
受付スタッフが笑顔で頷く。
「承知しました。」
「対戦台3番へどうぞ。」
恭也は深呼吸をした。
「よし。」
「今日は二勝目を目指そう!」
クイーンも静かに一礼する。
『はい、マスター。』
『準備は万全です。』
二人は並んで対戦台へ向かう。
制服姿の学生ではなく、一人のプレイヤーとして。
新たな勝利を目指す戦いが、再び始まろうとしていた。
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